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短編小説 | 銀河

4
「ピピツピ。応答せよ。応答求む。ピピツピ。応答せよ」
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短編小説 | 銀河 #4

短編小説 | 銀河 #4

 銀河の連なりの、その遠い彼方では、ただ荒涼たる冷たい春の海岸があった。

 堆積した砂浜には、砂の粒の数だけ心が眠っていた。その一粒一粒の心たちは、どれもがひとつひとつの銀河であることに安堵していた。そして同時に失望していた。かつて共に過ごした者たちも、その中にいた。二人はただ静かに、白立つ波を眺めていた。

 小さな砂山を、黒のブーツが押し固めた。

 天也は一体の機械人形を携え、その砂浜を訪

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短編小説 | 銀河 #3

短編小説 | 銀河 #3

「私たち、有限にはなれないかな」

「有限に? なぜ。」

ツピピが相手の腕を撃ち払った。ピピツピは崩れながら、ツピピの頭を的確に撃ち落とした。

「わからない。でも、私たち、生産を止めて壊すだけにしてみない?」

「不可解だね。そんなことしたって有限になるわけではない。」

「可能だよ。工場も破壊すれば」

「ただ生産が滞るだけで有限ではないよ。心は残る。君の機体が一つ残らず破壊されても、フィー

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短編小説 | 銀河 #2

短編小説 | 銀河 #2

 機械兵士は充電器から体を起こすと、すでに別の、もう一台の機械兵士が活動を始めていることを確認した。

「起きたよ、ツピピ」

「起きたね、ピピツピ」

ツピピと呼ばれた機体は腕の関節に油を差しているところであった。その横にピピツピと呼ばれた機体も腰かけ、同じように油のチューブを手元に引き寄せた。

「私は眠っていて、あなたは起きていたの」

「僕が起きると、君がまだ眠っていた」

「夢を見てたよ

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短編小説 | 銀河 #1

短編小説 | 銀河 #1

 女の乳首を間近で見て、その形がまるで銀河のようだと思った。

 思い描くは光の粒が形作る楕円形の集合、その中心には大きな核がある。彼女の乳首はそれとよく似る。

 天也はほんの瞬間、そのように意識を彼方に巡らせたが、撫でる彼女の指先にはっと引き戻されると、その銀河にかぶりついた。

 口先を動かすと、薄い甘酒のような味が広がった。続いて乳児を思った。が、まだこの女の子供とは会ったことがない。それ

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