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家での家族の呼び方と「おか」の真相


パパ、ママ、とうちゃん、かあちゃん、おやじ、おふくろ。

日本語には「両親」を呼ぶ言葉がいろいろある。
友達のように名前で呼ぶという家庭も聞いたことがあるし、その呼び方はさまざまで、年齢や関係性によっても変化したり、普段家では「ママ」と呼んでいるけど外では「母さん」と言ってみたりする人もいるだろう。
私は、呼び方やそういう家族との関係のような話を聞くのが好きだ。


私の家はどうかというと、両親は二文字の呼び名で呼ばれている。
父は「おとうさん」から転じて「おと」、母は「おかあさん」から転じて「おか」である。
外ではさておき、私も兄も、家の中で両親のことを呼ぶ時は「おと」「おか」と呼ぶ。それに準じて私や両親は、兄のことも"おにいちゃん"なので「おに」と呼ぶ。

文字だけで書くと、「え...?音?丘?鬼...!?」となってしまいそうだが、イントネーションが違う。
3つとも「お」の方にアクセントがくる。
窓のフチなどの「縁(へり)」のイントネーションではなく、ヘリコプターの「ヘリ」のイントネーションだ。
飴ではなく雨の方の「あめ」と一緒である。
ちなみに私は妹だが「いも」とは呼ばれない。
(拒否した記憶はないが「いも」と呼ばれるのはなんとなくちょっと嫌だ。)

これは幼稚園か小学生くらいの頃から呼び始め、以来ずっと変わっていないのだが、私はこの「おと」「おか」「おに」の中の、母の「おか」について
幼い頃、びっくりした記憶がある。


昔、母が幼い私たちを連れて東京の実家に帰省した際に、母が同級生の何人かと食事をしようということになったらしく、それに一緒に連れて行かれたことがある。
そこで、私は「え...?」となった。

おばちゃんとおじちゃんが集まる中、会うなりその人たちが母に向かって「おか〜!久しぶり〜!」と言ったのだ。
「おか」こと母は、それになんの抵抗もなく「わ〜久しぶりだね〜!」と返事をしている。
これは一体どういうことだろうか。


なぜ、母は学生時代の友人にまで「お母さん」と呼ばれているのだろう。
幼い私の頭にはハテナが飛び交っていた。
私が知らなかっただけで、ここにいる人達は皆、母が生んだ子どもたちなのだろうか。
いやいや、そんなわけはない。
みんな母と同じくらいの年のおばちゃんやおじちゃんである。

「一体、なぜ...」と思いながら、私はその会食の場に佇み、なんとなく恥ずかしくて大勢の前では口が開けず、疑問を頭に抱えながらもそもそと母の隣でご飯を食べた。

そして、解散したあとの帰り道、私は母に聞いてみた。


「ねぇ、なんでみんなもおかのこと「おか」って呼ぶの?お母さんじゃないのに。」

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