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資料(Esoteric & punk)

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主に(ポスト)パンク、ヨーロッパ的秘教音楽。忍冬資料室 https://atochietebura.com/DATA/esotericindex.html の転載。
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#アート

80sロンドン・アンダーグラウンド結合点② アイスランド

80sロンドン・アンダーグラウンド結合点② アイスランド


アイスランド・パンク
82年2月、Killing Jokeがドイツの名匠コニー・プランクの下で『Revelations』の録音を終えたころのこと。キーボード兼ヴォーカリストであるジャズは迫りくる終末の予感に耐えられなくなっていた・・・いや、そこから免れるための天啓を得たことに喜んでいたのかもしれない。サッチャー政権が煽り続ける新自由主義と冷戦の恐怖がそれを保証したのか、とにかくジャズは黙示録の到

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80sロンドン・アンダーグラウンド結合点① Youth,Batcave,Psychic TV

80sロンドン・アンダーグラウンド結合点① Youth,Batcave,Psychic TV

昨年11月のニューヨークでJGサールウェル (Foetus,Xordox etc.)に取材した時に出た話題の一つが、80年代前半のロンドンで開かれていたラウンジ・ミュージックのDJナイトだった。レス・バクスターやレイモンド・スコットなど、90年代にモンド・ミュージックとして再評価される類の音楽ばかりプレイするもので、客もDJもドレスアップして訪れていたという。同じ時期に顔を出していたイベントが他に

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[願・日本語化] Punk or Esoteric音楽・未邦訳文献9冊

[願・日本語化] Punk or Esoteric音楽・未邦訳文献9冊

調べ物をする上で洋書を無視するわけにはいかない。しかし、母語でない言語だけに読むのは大変な苦労が伴う。データ重視の筆者は、どうしてもトピック単位で読んでしまうため、全体の流れを意識して読むことに長けていない。情けないことに、手元にある時間こそ長いが、いまだに内容を把握しているのか自信のない本だらけである。今回はそんな筆者が頑張って読んでみたはいいが、やっぱり自信がないので正規に邦訳されてほしいを本

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Michael Cashmoreの帰還と変身

Michael Cashmoreの帰還と変身

 マイケル・キャシュモアが自らについて話す機会はそう多くない。30年以上のキャリアにもかかわらず、彼が単独でステージに立つようになったのはここ3年のことである。2010年代前半から突然身を潜めた彼が再び世に姿を現したのが2017年。かつてのマイケル・キャシュモアを知る人々はその変化に少なからず驚いたことだろう。讃美歌を書くようになったニック・ドレイクとでも形容したくなる男が突如として電子音楽に開眼

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OthonとPan Muzik

OthonとPan Muzik

 bandcampを流し見していたら、昨年末にオソン(Othon)が新作を発表していたことを知った。ピアニスト兼作曲家、最近はDJとしても精力的な彼を一言で表すならば、マーク・アーモンドやCOILのような古典的ポップの更新者の系譜に連なるマルチ・アーティストだ。日本での知名度は高いとは言えないため、今回は簡易なバイオグラフィを残しておこうと思う。

■オソン・マタラガスとは
 79年のアテネに生ま

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Melon with Foul Goats -放談NURSE WITH WOUNDとUnited Dairies- 配布冊子

 12/2の心斎橋・複眼ギャラリーで行なわれたイベントは無事終了しました。当初の予想より多くの方に来場いただき大感謝です。入場時に配った冊子の数が足りず受け取れなかった方がいたほか、当日来れなかったので内容を読みたいという声もいくつかいただきました。
これに伴い、一部の写真を除いて以下に転載しました。誤字脱字・名詞の表記揺れなどが確認できたため、該当する箇所は修正しました。

 Nurse Wit

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