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資料(Esoteric & punk)

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主に(ポスト)パンク、ヨーロッパ的秘教音楽。忍冬資料室 https://atochietebura.com/DATA/esotericindex.html の転載。
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#インダストリアルミュージック

ブリティッシュ・アヴァンギャルド・ミューザック①

ブリティッシュ・アヴァンギャルド・ミューザック①

https://note.com/embed/notes/n2abbc42d2ff

Ghost Boxのカタログやレーベルの周辺にいるアーティスト(たとえば「ビクトリア朝時代のゲーム・ミュージック」をシミュレートするMoon Wiring Club)が英国以外から生まれることは考えにくい。そこにはマーガレット・サッチャーが推し進めた新自由主義化の過程で失われた古き英国の風景があるからだ。頭の中に

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アーロン・ディラン・カーンズの眼球へ

アーロン・ディラン・カーンズの眼球へ

 『FEECO』Vol.3にてインタビューを快諾し、Vol.4には原田浩の映画についてのテキストを寄稿してくれたアーロン・ディラン・カーンズが、住所であるジョージア州アトランタの一ギャラリーで行なったライヴの映像をアップロードしていた。彼が言うには、アトランタで所謂「アート」のシーンの存在を強く意識する機会は少ないとのことである。ギャラリーは多目的スペースの意味合いが強く、あくまで金で時間と空間を

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『Live and Let Live』増補改訂版のおしらせ

『Live and Let Live』増補改訂版のおしらせ

2016年に自費出版した『Live and Let Live』という本に加筆・修正したものをnoteとBASEで販売します。記事単位でも購入できますが、マガジンごと買った方が多少お得です。オリジナルとの差異は
・誤字脱字の修正(随時更新します)
・2017年以降の情報を基にした加筆(全章合わせて1万字以上)
・図版の大部分とディスコグラフィーの省略(図版に関しては後日、アルバムジャケットなどを追加

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サムの息子事件といくつかのシンクロニシティ

サムの息子事件といくつかのシンクロニシティ

Netflixオリジナルのドキュメンタリー『The Sons of Sam: A Descent Into Darkness』(『サムの息子たち: 狂気、その先の闇へ』)は、76年7月から77年8月にかけてのニューヨークで起きた連続殺傷事件の顛末と、その背景にカルト組織の存在があったことを検証している。より正確に書けば、この事件の捜査を孤軍奮闘して進めた一人の記者モーリー・テリーの生涯を追った内容

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愛って曖昧:COIL『Love's Secret Domain』とMy Bloody Valentine 『Loveless』

愛って曖昧:COIL『Love's Secret Domain』とMy Bloody Valentine 『Loveless』

インダストリアル・ミュージックとハウス・ミュージックの交配的名作COIL『Love's Secret Domain』(『LSD』)、言わずと知れたシューゲイザーのマスターピースであるMy Bloody Valentine 『Loveless』がそれぞれ30周年を迎えた。
COILは中心人物であるジョン・バランスとピーター・クリストファーソンが鬼籍に入って久しいが、当時のエンジニアであったダニー・ハ

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