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ようやく娘の願いを一つ叶えた話

本当は平日に行きたかったけれど
金曜日の時点でまだあまり咲いていなくて

でも暖かさのせいか急に満開になったようなので
昨日、娘とお花見に行った。

「やっぱり休日は落ち着かないね」

あまりに人が多くて
普段から人目を気にしてばかりの娘は
スマホで桜を撮るにもキョロキョロしていて
でも自分なりに綺麗に撮ろうと
上を向いてスマホを構えたり
遠くの桜を眺めたり。


あぁ
去年は誰もいなくて
川の音も聴こえて気持ち良かったなぁ
今年はざわざわ
でも、これはこれで思い出になるかな
とか思いながらしばらく歩いた。

気温が20℃を超えていて
日差しも夏のように強かったので
耐えきれず、車に戻って帰ることに。

川沿いを歩く人に注意しながら
ゆっくり走っていると

「ママ!お店が出てる!」

唐揚げ屋さんと、かき氷屋さん
それからチョコバナナ屋さんと
イチゴ飴屋さん

「良いなぁ…」

窓に張り付くように見ている娘を見て
ふと思い出した。


「ママはこういうトコで買ってくれたことないよね」


盆踊りやお花見で屋台を見る度に
娘が言った。

そうやね。

私は一度も買ってもらったことがなくて
だから娘にもそれで良いのだと思っていたから


綿菓子が食べたいって言っても
りんご飴が食べたいって言っても
焼きとうもろこしが食べたいって言っても
一度も買ってあげたことがなかった。

「お友達は買ってもらってたのに
 何でうちのママは買ってくれないのって思ってたよ」

大人になって、何度も娘が言った。

もう分かったから、ごめんごめん

いつもいつも私もそう言った。

直ぐ向こうにお花見会場の駐車場を見つけた。
ここからならちょっと歩けば戻れるな…

「ママ、帰るんじゃないの?」

うん、そうやね…
でもせっかくだし、買ってこっか?

「えっ⁉ 良いの⁉」

娘はマンガみたいに目をキラッキラにして
シートベルトを外して外に出た。
そのまま小走りで屋台の前へ。

「どうしよっかな~
 チョコバナナがずーっと食べたかったけど
 イチゴ飴もテレビで美味しいって言ってたし…」

子供たちに交じってあっちかこっちかと
ウロウロウロウロ
迷いに迷った結果、イチゴ飴に。

良かったね

「うん、ママありがとうね♪」

ちょっとだけ申し訳ない気持ちになって
でもちょっとだけ後ろめたい気持ちがなくなった。

私がそうだったからって
娘にそうする必要はなかった。

そう気付いた時からずっと
申し訳なくて苦しかった。

娘が嬉しそうだったから良かった。
私もちょっと気持ちが軽くなって良かった。





愚痴るように書きながら、ぼちぼちと前に進んで行きたいです。気分を悪くされることなく「ふふんw」ぐらいの感じで読んで下さい。そしてまたいらして下さい。