見出し画像

【国籍別】東京23区で最も外国人が多く住む区はどこなのか?

東京都にはそもそもどれくらいの外国人住んでいるのか

東京都は全国トップの人口を誇りますが、外国人人口でも全国トップ。令和5年1月1日の住民基本台帳の情報で、581,112人の外国人が居住しています。東京都の総人口が1,384,1665人なので、総人口の0.4%が外国人というこちになります。うーん、意外と少ないですね。近年はコロナ後ということもあり、外国人観光客も多いためか、身近に外国人をよく見るなという印象でしたが、居住者ベースでみると意外にまだまだ少ないのかもしれません。

ちなみに、日本全体での外国人の人口は299,3839人なので、日本全体の外国人の6分の1以上が東京都に集中していることがわかります。そう考えると、東京の吸引力の高さが突出しているといえます。

東京23区に住む外国人人口の数は?

東京都には581,112人の暮らしていますが、そのうち23区にはその8割以上となる485,444人の外国人が暮らしています。

外国人人口トップ5の区
1位  新宿区(40,279人)
2位  江戸川区(38,446人)
3位  江東区(33,391人)

図1 23区の外国人人口階級別マップ

一方、最も多く外国人が暮らすのは新宿区で、23区で唯一40000人を超える、40,279人の外国人が暮らしています。その次に、江東区、江戸川区が外国人人口の多い順に続きます。他方、最も少ないのは千代田区で3,353人。千代田区は人口総数でも23区で最も少ないので、納得の結果といえるでしょう。

国籍別にみると・・・

では、次に国籍別でみると、23区に住む外国人の構成はどうなっているのでしょう。

国籍別人口トップ5
1位 中国 198,689人
2位 韓国 72,405人
3位 ベトナム 28,113人
4位 フィリピン 24,977人
5位 ネパール 23,883人

国籍別にみると、トップ5は全てアジアの国々がランクイン。1位は中国で、198,689人が居住しています。2位の韓国にダブルスコアの大差をつける圧倒的な結果となりました。最近は、都心のターミナル駅のホームでも中国人地留学生をターゲットにした中国語での広告など、その勢いを感じる場面を増えてきましたよね。一方で、中国、韓国と東アジアの近隣国が続く中、3位にランクインしたのは東南アジアのベトナム。近年、外国人技術実習生制度を利用する等、ベトナムからの来日者が増加していることも一因といえるでしょう。4位は、こちらは新興のベトナムとは対照的に、出稼ぎ労働者のオールドカマーとしての社会全体にも認知されてきたフィリピン。他方で、5位はヒマラヤ山脈の麓の小国・ネパール。日本のインド料理レストランの多くはネパール人により営まれているともいわれていますが、近年インド人を抜いて5位にランクインするほどの一大勢力になっているようです。

トップ5の国々はどこに多く居住しているのか?

一方で、トップ5の国々はそれぞれ居住エリアに傾向があるといえます。

<1位 中国>

図2 23区の中国人人口階級別マップ

中国人が最も多く居住するのは、江東区。16,297人の中国人が居住しています。全体的には、居住者の少ない都心部(色の薄い区)を、居住者の多い外縁部(色の濃い区)が囲むドーナツ型の傾向がみられ、居住者人口2位の新宿区を除いては、特に城東・城北エリアに人口が集中している傾向が顕著です。

<2位 韓国>

図3 23区の韓国人人口階級別マップ

2位の韓国人は、日本最大級のコリアンタウン・新大久保を有する新宿区への集中が顕著で、23区に住む韓国人の1割以上である8,966人が、新宿区に居住しています。次いで多いのが、足立区で6,839人で、外縁部に人口の多い区がみられるのは中国人と類似していましたが、一方で23区全体に居住者が拡散している傾向もありました。

<3位 ベトナム>

図4 23区のベトナム人人口階級別マップ 

外縁部に人口が多い傾向は、全体的に似た傾向(そもそも外縁部のほうが総人口の大きい区が多い傾向はある)で、最も人口が多いのは江戸川区で、次いで足立区という結果になりました。一方で、その次に豊島区という結果になっており、これは中国人・韓国人にはみられない新たな居住傾向といえます。

<4位 フィリピン>

図5 23区のフィリピン人人口階級別マップ

フィリピン人は、外縁部に人口の多い区が集まるドーナツ型で、特に城北・城東エリアに居住者が多い、中国・ベトナムの居住地パターンを凝縮したような結果になりました。最もフィリピン人が多いのは足立区で3753人が居住し、その次に多いのが江戸川区(3028人)と、ベトナムと1位と2位を入れ替えただけという結果になりました。

<5位 ネパール人>

図6 23区のネパール人人口階級別マップ

一方で、5位のネパール人は、上位の国々の典型例で、外国人居住者の一つの居住地パターンともいえそうな「外縁部、城東・城北エリア集中型」とはやや異なる興味深い結果に。最も人口の多い区は新宿区で、こちらは外国人総数が最も多い区となりましが、2位には大田区、3位には杉並区と上位4か国には見られなかった区がランクインしていました。私も詳しくないのですが、大田区や杉並区周辺には、一定数のネパール人コミュニティがあるのかもしれません。

番外編:トップ5から惜しくも漏れた国々は面白い結果に

<6位>アメリカ

図7 23区のアメリカ人人口階級別マップ

非アジア系国家でトップとなったのがアメリカ人。16,864人のアメリカ人が23区内に居住しています。アメリカ人も、新宿区が居住人口では1位となりましたが、上位国に見られた「城東・城北エリア」への人口集中は見られない結果に。反対に、城南エリアを中心に、山手線の西側に沿って人口の多い区が集まっているようです。

<7位 台湾>

図8 23区の台湾人人口階級別マップ

アメリカ人についで7位の台湾人は、上位5区とは全く異なる面白い結果に。23区内には15,966人の台湾人が居住していますが、これまでの5区に少なからず共通していた外縁部への人口集中はなく、城南エリアに人口が偏る結果に。最も人口が多いのは港区で2,709人で、それに次ぐのが世田谷区で2,025人。全体的に高所得のエリアに集中していることが、その他の国籍の居住地パターンとは大きく異なり特筆すべき点であろう。

まとめ

全体的には、「外縁部、城東・城北エリア集中型」という傾向が大きく見られた23区の外国人居住地パターン。改めて視覚化すると、その傾向が一目瞭然となり、面白い結果となりました。一般的に、城東・城北エリアは不動産価格が比較的廉価で、所得水準の比較的低いアジア諸国から来日した外国人にとってはコスト面でも住みやすいケースが多いのかもしれません。一方で、台湾人のように、都心から城南エリアに居住者の多い区が集中しているケースもあり、国籍によって居住地のパターンは多種多様でもあるようです。みなさんの暮らす、または働く区も、違った目線で見てみると、新たな発見があるかもしれません。

★地図に関するインスタも公開中!@maps_are_beautiful_でぜひ検索してみてください★

https://www.instagram.com/maps_are_beautiful_/#

★他のnote記事もぜひご覧ください★


この記事が参加している募集

地理がすき

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?