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『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』

9年前に出た古めの本なのですが、少し前からnoterさんたちの中で紹介されることが多かったのです。「これは読まねば!」と思って読みました。

これ、単純な知識とか、役に立つ思考法だとか、そんなレベルの内容ではないのです。

世界が変わって見える

このタイトルは大げさではありません。一体、何が学べるのか?


一緒に学びましょう!💪


すべてはここから

本書は、序章、1~20章、終章で構成されるのですが、1~20章のすべてにおいてこの図が出てきます

くり返し説明されるから、わかりやすい。だけど、奥も深い

ちなみに本書ですが、133ページしかなく、すごく薄い本になっております。かわいい猫の4コマ漫画もあってスラスラと読めますよ。


みんな誤解しています

「Aさんの話は、具体的でわかりやすい
「Bさんの話は、抽象的でなんだかわからない

そんなふうに、「具体的」や「抽象的」という言葉をつかっていませんか?
つまり、

具体 = わかりやすい
抽象 = わかりにくい

と、なんとなく思っている部分があると思います。
でもこれ、誤解なんです。その誤解を壊すのが本書なのです。

ところで、抽象の世界が見えるのは人間ならではの力です。動物は具体の世界しか見えません。

なので、仮に動物が言葉を話せるようになっても、話が通じないのです。(後で説明する話が噛み合わない状態になる)

さぁ、本書で抽象の世界へいきましょう!


抽象の世界へ行くと、何がいいの?

動物が抽象の世界へいけないことが示すように、具体の世界からは抽象の世界が見えません逆に、抽象の世界からは具体の世界が見えます

広い視野で、ものごとが見えるようになるのです。


たとえ話がうまい人

「たとえ話がうまい人」っていますよね。その人たちは、こんなことをやっているのです。

具体的なものをいったん抽象化し、同じ共通点をもつ別の具体例を見つけてくる。具体→抽象→具体の往復運動をしているのです。

私はたとえ話ができないので憧れます。

これは、単純に抽象の世界に行くだけではダメで、さらに「往復運動」の技術が必要になります。

最後に見つけてくる具体例も、「相手が知っていること」をうま~く選択しますよね。ここが難しいポイントなのでしょうね。


話が嚙み合わない

これも「なるほどなぁ」と思ったのですが、話が嚙み合わないのは、それぞれの具体または抽象のレベルで話をしているからなのです。

相手を引き上げるなり、自分が下りるなりの工夫が必要ですね。

また、

具体と抽象は相対的な関係

という点もよく頭に入れておきたいところです。自分としては具体的なつもりでも、相手から見たら抽象的だった。そんなこともあります。

オレンジ△で見ると具体的、だけど、青△で見ると抽象的


仕事の上流と下流

製造業のかたならイメージしやすいと思うのですが、仕事には上流工程と下流工程があります。

上流工程が抽象(例えば、仕様書)で、下流工程が具体(例えば、プログラミング、組み立て製造)です。

どちらの作業が快適かで、自分の適した仕事がわかるんだとか。

私は上流もやりつつ下流がメインなのが快適です。実際は「上流ばかり」をやっていて「この仕事向いてないな…」としょっちゅう思っています(笑)


結局は、両方大事

抽象の誤解を解き、抽象の世界へ行くことが本書の目的ではあるのですが、「ずっと抽象の世界にいろ」というわけではありません。

「たとえ話がうまい人」のように、抽象と具体の両方をつかいこなす必要があります。つまり、抽象も具体もどっちも大事なのです。

抽象の世界ばかり見ていると、「具体的な行動」に落とし込めないので、「行動できなくなってしまう」という弊害もあります。


抽象の世界をつくる

抽象の世界をつくっていく過程について書かれていた文章が終章にありました。なるほどな!と思ったので図解してみました。

抽象の世界をつくることは、学び続けること

そう感じました。


まとめ

世界が変わって見える

その意味が一読しただけでわかりました。このタイトルは大げさではないのです。具体と抽象の世界がある、それを知るだけでも大きな成果です。

一方で、きちんと理解できているか?
と聞かれると怪しいところもあります💦

なので、常に頭の中に本書で学んだ具体と抽象の△を入れておきたいですね。

実際すでに効果が出ていて、別の本を読んでいて「あ、これ具体と抽象の話だな」とつなげることができています

この即効性! おすすめです。


本日の学びはここまで。読んでいただき、ありがとうございます!
また来てください。👋


<追記>
きしゃこく先生にご紹介いただきました。ありがとうございます😊

読書期間 2023/12/04-2023/12/08
初版発行 2014/12/07

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