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日本のストリートカルチャーからハイファッション・アートの融解まで

日本のストリートカルチャーと海外のアーティストの繋がりについて英語で読む時代が来るなんて。


裏原宿からスタートしたファッション・スタイルの影響が、ルイ・ヴィトンをはじめとした高級ブランドが売る服のデザインまで変えてしまった。
カウンターカルチャーであったストリートファッションが、気づけばハイファッションも模倣するメインストリームに。KAWSやFuturaもストリートカルチャーだったのが最近ではモダンアートとして扱われている。

NIGOがアメリカ、UKのヒップホップと日本のストリートを結びつけ、高橋盾がヨーロッパのアンダーグラウンドカルチャー、アート、パリコレを日本のストリートと結びつけた。その前には藤原ヒロシがいて、道を開いたと言える。日本のストリートカルチャーは90年代英米のストリートアーティストとコラボレーションし、その独自性を示していった。ヒップホップのフィーチャリングの慣行をファッションに持ち込んだとも言える。

特にNIGOによるカニエ、ファレルなどのスターとのコラボレーションが、日本で再解釈されたストリートファッションをメインストリームに押し上げた。

村上隆はヴィトンでアートとファッションを融合させたが、今アートとストリートカルチャーを融合させようとしている。LAのコンプレックスコンはこれを体現する場である。
キムジョーンズ、ヴァージルは上記のような日本のファッションデザイナーとも親交を持ち、ストリートをヴィトンでハイファッションに持ち込んだ。そしてヴァージルと村上隆のコラボレーションによって、ついにアート、ストリート、ハイファッションの境界はなくなったと言える。それは、日米欧のカルチャーの統一なのかもしれない。さらにアジアの経済力が高まる中、ここにお金が更に流れていっている。

インターネットを通じてこのフラット化されたファッション、カルチャーが、グローバルにもたらす影響力はさらに大きくなり、新しいエスタブリッシュメントになりつつある。フラットなカルチャーはインスタグラムやユーチューブが作り上げた。アート(非日常)とビジネス(日常)の融合を最初に試みたのはアンディー・ウォーホルだったが、これにグローバリズムとデジタルが加わり、そのミスクチャーを生み出す試みが、現在ヴァージルと村上隆がやっていることだ。

これまで「ストリート」や「モダンアート」と呼んでいたものが記号化している。あたかもインスタグラムでタグ付けされるかのように。ユニクロがFuturaや村上隆のデザインをプリントして1500円のTシャツとして売るということはそういうことだ。
アートの民主化が起こると同時に、既製品のアート化が進んでいる。限定デザインのナイキのスニーカーがプレミア価格で売買されるセカンダリー市場が出来たように。

アートとプロダクトの垣根がなくなり、SNSでの投票行動が世界のエスタブリッシュな価値を決める時代になったと言えるのではないか。これは韓国アイドルグループBTSの世界的なヒットについても同じ文脈で語ることができるだろう。


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