HIROM

HIROMのクリエイターページです。 これからここに書いていきたいと思います。 必ずフ…

HIROM

HIROMのクリエイターページです。 これからここに書いていきたいと思います。 必ずフォロバします。

最近の記事

音楽について(4月のエッセイ②)

最近、天候も徐々に暖かくなって半袖で生活するようになりました。とはいえ、朝方は寒く感じます。僕は冬よりも夏が好きなのですが、夏よりも好きなのが、秋です。九月生まれということもあって、過ごしやすくてそわそわするのも好きです。十月にはノーベル文学賞も発表されますしね笑 今回は音楽について書こうと思います。前のエッセイにも書いたことがありますが、僕は音楽の方でもかなりの雑食です。邦楽、洋楽、クラシック、ジャズ、ゲーム音楽etc、いろいろ聴きます。 今回は邦楽について。邦楽と言っ

    • 読書から得られること(4月のエッセイ①)

      noteに小説を執筆してから、時間が経ったと思います。そのなかでも、コメントをくださったり、フォローやスキを頂くと嬉しく、執筆するやる気が起きます。 とはいえ、最近はアイデアに行き詰まり、小説の更新が出来ていないのを申し訳なく思っています。 エッセイも3月に1回しか投稿できませんでした。 ですが、相変わらず読書するということは一貫して続けています。今、読んでいるのは、スティーヴン・キングの「任務の終わり」とパオロ・ジョルダーノの「天に焦がれて」という小説です。 僕はス

      • 読書をすること(3月のエッセイ①)

         しばらく、小説の更新もないと思うので日々の暮らしを綴っていきたいと思います。先ずはじめに僕の人生に欠かせないのが、読書をすることです。  読むのは海外文学を中心とする純文学から、ファンタジーまでさまざまなジャンルの本を読みます。  「文学の森殺人事件」と言うのはアガサ・クリスティやアンソニー・ホロヴィッツの推理小説を読んでいるときに書くことを決意しました。  とはいえ、かなりの雑食なので本という本に興味があります。  ちょうど、今読んでいるのが、オルハン・パムクの「

        • 文学の森殺人事件 エピローグ

           私たちが『西園寺探偵事務所』に帰宅したのは夜の十一時過ぎだった。西園寺は約六時間で事件を解決した訳だが、その割にはどこか顔色が悪かった。とはいえ、尊敬していた二階堂ゆみが殺害された事実を受け止められないのは誰だって同じだろう。気掛かりなのは大島徹と名和田茜のことだ。彼らは赤羽雄一と三木剛という例えようのないクズのせいで、事件にかかわってしまっていたのではないのか? 特に大島は二階堂ゆみを尊敬していて、彼女のような作家になるために上京してきた苦労人だ。そんな彼が嘘の供述をして

        音楽について(4月のエッセイ②)

          文学の森殺人事件 最終話

          「私が主犯格だと?」三木剛は訊ねた。 「いいえ、三木さんは主犯格ではありません」 「立壁由紀さんに泥を被らせ、犯人に仕立て上げたあの人物が主犯格です」 「いい加減勿体ぶらずに言えよ!」と長田春彦は言った。 「では、言いましょう――共犯者とはここにいる全員です。ここにいる全員が二階堂ゆみを殺害するために集結した犯人です。私はアリバイがないのは恩田さんだけだと思っていました。しかし、よく考えてみると、全員のアリバイが虚構であることは直ぐに見破れなければいけなかった。私がまんまと騙

          文学の森殺人事件 最終話

          文学の森殺人事件 第十三話

           夜の七時『文学の森』講座で西園寺一は最後の確認がしたいと私に声をかけた。彼は一同が集まる前に進藤警部補に八人の容疑者の身柄を拘束して、逃げられないようにした。とはいえ、恩田薫にはアリバイがない。恩田という人物はとにかく謎が多い。どこか恩田の姿は謎めいていて、気味が悪いが、警察の目を欺くほど頭脳明晰ではないだろう。西園寺はこれまで収集した情報が確かなら犯人の正体はだいたい見当が付いたようだった。 「西園寺さん、話とは何のことですか?」 「スコット君、君は鈍いね」 「何とでも言

          文学の森殺人事件 第十三話

          文学の森殺人事件 第十二話

          ① 大島徹(派遣社員)  今まで出会ってきたなかで一番善良な人物で、人当たりも良く信頼も厚い。容疑者と考えられる所はほとんどなく、アリバイもある。仮に彼が犯人なら『文学の森』にいる全員が怪しく見えるほどだ。けれども、大島は犯人と接点があるのかもしれない。彼は珍しく怒声を上げたのも関わらず、怒声を浴びせられた長田春彦は彼を善人だと称した。それはなぜだろうか? 普段は派遣社員をしていて、生計を立てているが、過去に二階堂ゆみとの接点もあった。彼は小説を書いているが、なかなか芽が出

          文学の森殺人事件 第十二話

          文学の森殺人事件 第十一話

          「小説家を諦める?」 「自分の限界を知ったというか。これ以上小説を書き続けても意味なんてないと自覚したんです。二階堂ゆみさんも自伝で『自分の才能に限界を感じたら辞めるべきだと』書いてましたから。私は春彦の小説を批評した割に、自分の小説に対しても自信が持てずにいます」 「私が思うに小説に完璧なんてありません。先ずはいろいろな作家の本を読んでそこから完璧を追い求めるだけです。申し訳ありません。話が脱線しましたね」と西園寺は言った。 「いえ、そうだと思います」立壁由紀は言った。「才

          文学の森殺人事件 第十一話

          文学の森殺人事件 第十話

          「あなたは少し声が高いようですね」 「ええ。生まれつき声が高いのです。それが何か?」 「いえ、気になったものですから」 「あなたの周りで彼女に恨みを持つ人間はいますか?」 「私が思うに、二階堂ゆみに対して恨みを持つというよりか、彼女の周りにいる人間そのものが一癖も二癖もあります。三木剛さんをご存じでしょうか?」 「先ほど話しましたよ。ですが、彼にはアリバイがありました」 「彼は担当編集者として全ての権限を握っていました」 「なぜそのことを?」 「彼が私に代筆を頼むように仕向け

          文学の森殺人事件 第十話

          文学の森殺人事件 第九話

          「私は二階堂先生から感謝されていたんですよ。私の性格上、他人とトラブルは絶えませんでしたが、彼女は富と名声を手に入れたことが何よりも嬉しいと言っていました。個人的に恨みを持つのは世界中の一部のアンチか。あるいは『文学の森』で受講した長田という青年ですかね」三木は言った。 「長田さんとも過去にトラブルがあったそうですね」 「一編集者として彼の書いた小説を読んで『プロの道は諦めた方がいい』と助言したら逆恨みして、悪口を言いふらしているのでしょう。実際に彼は何をやっても上手くいかな

          文学の森殺人事件 第九話

          文学の森殺人事件 第八話

          「悪い噂?」 「実際に二階堂先生は取材で警察に話を聞いたり、旅をされたりなど非常に真摯に仕事と向き合っていました。彼女が他人の文章をそのまま盗作するのはあり得ないことです」 「話が食い違ってきますね」 「嘘を嘘と見分けられない人に真実を語るのは難しいかもしれません」 「あまりこのようなことを言いたくはありません」西園寺は言った。「ではなぜSNSなどで二階堂先生が盗作をしていると話題になるのですか?」 「西園寺さんは誰かが流した悪意のある嘘の情報を信じるのですか?」  西園寺は

          文学の森殺人事件 第八話

          文学の森殺人事件 第七話

           昼の四時に「文学の森」の二Fフロアに移動すると、著名なミステリー作家のディスプレイが展示してあった。江戸川乱歩、横溝正史、鮎川哲也、西村京太郎、など日本の推理小説の礎を築いた文豪の貴重な資料だ。彼らが生涯残した手紙、原稿、日記、作品などを紹介していた。特に目を引いたのは彼らの紹介映像だった。ミステリーに疎い人間でも興味を持って貰うために主催者が計画していたのだろう。あるいは文豪の残した軌跡を辿るのが狙いなのかもしれないが。  事件発生時、現場に残った人物は帰すわけにはいかな

          文学の森殺人事件 第七話

          文学の森殺人事件 第六話

          「彼女が盗作していたのに認めないから腹が立ってそう叫んでしまったのかもな。俺は気が短い方だから思ったことを口に出さないと気が済まなくなる時があるのさ。もちろん、今では後悔しているよ。でもさ、まさか死ぬとは思っていなかった。疑われるのは仕方がないけど、俺は犯人ではないよ」 「二階堂ゆみが盗作していた?」 「死んだ人のことを悪く言いたくないが、彼女は盗作して富や名声を得ていた。それはネットやSNSでも指摘されてる事実さ。歌手やバンドがメロディや歌詞をアレンジして使うように、二階堂

          文学の森殺人事件 第六話

          文学の森殺人事件 第五話

           昼の三時に「文学の森」講座に警察が到着した。警部補の進藤達哉と新人の佐々岡司の二人組だった。彼らは壇上で倒れていた二階堂ゆみの嘔吐物に目を向けると、直ぐに鑑識に報告して、調査に乗り出した。その上で病死とは考えられないと断定した。なぜ、このような事件が起こってしまったのかと我々は頭を悩ませた。もちろん重要参考人と思われる人物に関しては勝手に帰宅したらいけないと念を押していて、明らかに事件に関係ないと思われる人物には酷な話なのも承知の上だった。とはいえ、現実を受け止めなければな

          文学の森殺人事件 第五話

          文学の森殺人事件 第四話

           昼の一時に『文学の森』講座がはじまるので私たちは渋谷に向かった。道玄坂を登った先におしゃれなオフィスがあって、そこでワークショップが開催される。この日も、二階堂ゆみの受講を楽しみにしていた。  受付を通った先に眼鏡を掛けた醜男がいた。 「大島、今日も来てたのか?」と私は言った。 「スコットさん、それに西園寺さんまで!」大島徹は嬉しそうだった。 「それで大島、小説の方はどうなんだ?」 「まだ書いていますよ。とはいえ、出版社から相手にされないのは慣れてますがね」 「本気でプロを

          文学の森殺人事件 第四話

          文学の森殺人事件 第三話

          「ご静粛にお願いします」二階堂ゆみの担当編集者の三木剛は言った。「先生は国内だけに留まらず世界各国で人気があります。先生は常々ひとり、ひとりが国際的に通用する力を持って、日本のミステリー、いや、日本の作家の底上げをしなければならないと仰っています」そして彼は続けた。「まさか文学の森に気分を害する人間がいると思わなかったので、信じられません」  三木はそう言うと、身に付けていた黒のスーツからハンカチを出し、汗を拭っていた。 彼は汗をかきやすい体質だった。記者からのインタビューに

          文学の森殺人事件 第三話