生き急ぐ少年たちの声にならない魂の叫び ~ 映画「ラストソング」🇯🇵
人は何故歌うんだろうか。
詩の力も十分に強いと感じるが、なぜ人は歌うのだろうか。
それはきっと、「読む」という行為では満たされない自身の感情の内を、大衆に向けて吐露することで、何かしらのはけ口を見つけるためなんだろう。
この映画を見て特にそう感じた。
どこか生き急いでいるように感じる若者たち。
成功するもの、敗北するもの。
そこには残酷なコントラストがある。
ただ、この映画、単なる青春活劇には終わっていない。
それをもたらす要因は二つある。
1つは演技。
この映画の出演者は本当にいい演技をしているし、とくに本木雅弘さん、なんてすさまじいとしか言いようが無い。
そしてもう1つは楽曲。
少年たちの声にならない声を伝える手段として、この映画のメインテーマには吉岡秀隆さん作の「ラストソング」が選ばれている。
とてつもない名曲だ。彼は尾崎豊に傾倒していたらしいが、たしかに影響がうかがえる。
最後の成功者と、敗北者のコントラスト。(この成功は決して勝利ではないと思う。だからここでは事実としての成功者と呼ぶ。)
浜辺をあるく本木雅弘さんの後姿と、バンドを一方的に解雇した友人(その後急死)にあてて、ポツリとつぶやく一言。
「ケンボウ、見えるか、ほら海だ・・」
生き急ぐ少年たちの声にならない魂の叫び。
理由無き衝動。
これらを最後の海がやさしく包み込んでいる。
ぜひ、ご覧になってみてください。自分の青春時代を思い出しながら。。
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