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本の持つ人格|この本はどんな子?

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この本は読み切らず、途中で読むのを一旦やめようと思った。

今、『精選女性随筆集 一 幸田文 川上弘美選』という本を読んでいる。
川上弘美さんが選んだ、幸田文さんの厳選された素晴らしい文章たちが詰まっている一冊だ。

本を開いた瞬間から、幸田文さんの独特で面白い言葉たちがコロコロと記されている。時代背景も相まって、私にはとても新鮮でいちいち「面白い!」と手を打つような感覚を覚える。

しかし私は途中で読むのをやめようと思う。

本にも人格みたいなものがあって、どういう風にこの人と人生を通して付き合いたいか?みたいなものが、なんだかある気がしている。

毎日寝る前に少し今日あったことをおしゃべりしたい友人もいれば、何年かに一回思い出したかのように会って話して「やっぱり楽しいわ!」ってまた数年後に会うことになる友人もいる。先輩と後輩みたいな関係性の人もいれば、先生と教え子、親と子、元彼元カノみたいな関係の人もいる。

この本は、一生かけて、ゆっくりゆっくり関係性を築いていきたいと思う、そんな友人だ。

この本は図書館で借りてきた本で、返却期限は2週間。ああ、2週間でこの人と関係を築き切るのはなんだか違う気がするなあ、とどこかで思った。ずっとお互いそばにいながら、ゆっくりとお互い咀嚼し合う。そんな関係でありたい、と。

一度、この本は返却しようと思う。そしてチャンスがあれば、購入というかたちで我が家に迎え入れたいと思う。ゆっくりと、お付き合いしていくために。

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