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アベンジャーズのマーベルが「ヒーローとはそもそも何なのか」と疑問を投げつけるドラマがある。

どうも。映画と海外テレビシリーズばかり観ているただの会社員のキャサリンです。新しい元号になりましたが、いつも通りの生活過ぎて、もしかして私だけ平成が続く別のバースに取り残されたのでは・・・?とか思ったりしてドリーミーな休日を過ごしています。皆様がお過ごしのバースは大丈夫でしょうか。

ということで、ゴールデンウイークというか、この4月末からというもの、映画界は「アベンジャーズ:エンドゲーム」の話題で持ち切り。世界で12億ドルの興収を叩き出しているみたいで。今までのマーベル・シネマティック・ユニバースの過去作品を観ないと、楽しめない作品なのにも関わらずここまで人気爆発するってものすごいなと改めて思いますね。私も例にもれず、人生で初めて最速上映なるものに行ってきたわけですが、ド深夜0時から約3時間観たのに、あっという間で、こんなに満たされた時間はなかったなと、震えて翌日は仕事になりませんでした。出勤時の挨拶は「おはようこざいます」ではなく「感無量です」と言っちゃったのも良い思い出です。Twitterなんかで流れてくる感想も、絶賛が多く、ケヴィン・ファイギが描いてきた壮大なアベンジャーズの物語は、一つの時代を終えたと感慨深くなりました。

そんな、一つの時代の終わりとして集大成を飾ったアベンジャーズの裏で、2017年から放送され、今年同じく最終章を迎えるマーベル作品があります。アベンジャーズの最後を見届けて、ふと思い出して再度見直したんですが、同じ時代にアベンジャーズがヒーロー作品のメインストーリームを作る中で、同じマーベル作品でありながら、全く異なるヒーローの描き方をしているなと、改めて感動しちゃったドラマがあるのを、みなさまご存知ですか。X-MENの世界を舞台にしたドラマですが、X-MENをそんなに知らなくても大丈夫です。私もほとんど観たことがなく視聴開始しましたが、問題なかったです。特殊能力を持つミュータントがいる世界で、彼らは世界から脅威とみなされ迫害されているっぽい、ということだけ抑えてればOKです。


『レギオン』

はい、予告観ましたか皆さん。Netflixかレンタルで観れるこちらは、冒頭から主人公が統合失調症っていうなかなかタフな設定。精神疾患の主人公デヴィッド・ハラーが、実は最強のミュータントかもしれないという話から、彼に隠された秘密を紐解くにつれて明るみになる力とデヴィッドのアイデンティティ、そして演じるダン・スティーヴンスの逝った目。ホラーサスペンスの要素もあり、精神世界と現実を行ったり来たりするストーリーは、観ているこちらもいい意味で混乱していきます。今、自分が観ているものは現実なのかそれとも・・・。設定がそもそもチャレンジングですが、なんと言っても「これ、アメコミ界を引っ張ってきたマーベルがやるんだ…すげぇな」と思う特異な作品でして。

火を吐いたり、空を飛んだり、怪力だったりするキャラがいない
手から光線が出たり、火を吐いたり、空を飛んだり、怪力だったりする、そういう派手めのパワーを持つキャラクターはほとんど出てきません。何なら、バトルシーンすら数えるほどしかないです。ドラマシーンが大半。確かに、主人公デヴィッドの力は強大なポテンシャルを秘めているんですが、ほかのキャラはどうかというと、そうでもないというか。そこまで派手な力がないんです。ただ、それぞれが、それぞれの特技について、悩みどう共存するかをしっかりと描いている、という感じです。ミュータントとして生まれてきてしまった、その自分をどう受け入れるか、そういった点はX-MENならではなのかもしれませんが、とにかく能力はデヴィッド以外はいい意味で地味です。

盛大にわけがわからない(ほめてる)
精神世界と現実世界を行き来するストーリーは、今自分の目の前で起きていることが一体何なのか、本当にわからなくなります。突然踊りだしたり、突然画面が切り替わったり。それは、フィクションを観ている自分と現実世界の自分でも同じ感じで。もしくは、ふと考え事をするときの自分にも似ている気がします。デヴィッドの意識を通してシーズン1では精神世界と現実を描く中で、異常とはそもそも何なのか、過去とは何なのか、そして今を生きる自分はどこから来たのか、頭が(いい意味で)ごちゃごちゃになります。シーズン2ではさらに発展し自分が信じているものは果たして「正」なのか、そしてそもそも「正」とは何なのかというテーマを突き詰めていきます。まるで「ついてこれない視聴者がいても全く構わない」という感じで、ガンガン世界観を炸裂させます。

あなたがヒーローだと思うものはほんとにヒーローか
悪のために正義の味方としてヒーローがいる、そんなイメージを持ってずっとアメコミを観てきました。でも、「レギオン」はアンチヒーローものでもなく、ダークヒーローものでもない、ヒーローそのものの存在を問う作品です。マーベルがそんなものを作るんですよ。びっくりしません?自分が悪と思っているものが実は正しく、正しいと思っていたことが悪かもしれない、っていう要素に加えて、そもそもそういう思考の変化はどこから来るのか?ということも差し込まれてきます。今まで自分が見ていたヒーローは果たしてヒーローなのか。そもそもヒーローとは・・・?そんなテーマをマーベル自らガチで向き合っていることが凄いなと感動しちゃいます。クリエーターのノア・ホーリーがどうこの作品を終わらせるのか本当に楽しみです。だって、絶対的な答えがないことだけはわかるので。

アベンジャーズが終わり、アベンジャーズロスな皆様にオススメするには、ちょっと一癖も二癖もある作品ではありますが、情報があふれている今の時代において、目の前のことを鵜呑みにしない、という観点でいうとものすごく見ごたえがある作品だと思います。お時間ある方はぜひ見ていただきたい。


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