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NHKから新書本から〜つながる〜暴君ネロと母アグリッピナ〜知人の相談〜①

※とっても長いので前編後編に分けま〜す。


今日は休日。


たまたまテレビをつけたら、NHKの人生レシピという番組をやっていました。

ゲストのひとりが青木さやかさん。

母との確執から悩みをを抱え続けていると語ってみえました。

厳しい母親だったようです。
褒められたことは一度もない、と。



こんな風に『虐待…とまではいかないんだけど、辛かったな』が言える人が出てきたのは、私はいいことだと思っています。



ここ半年ほど私はnoteを書き始めてわかったのは、

我が家のヤバさはわかりやすいヤバさだった。

ということ。
それでも、行き過ぎた暴言や暴力は家庭内で起こっていたから、その家庭の子自身が『助けて!』と言わなければ、誰も気付かなかった…

私は、10歳の私は『助けて!』が言えただろうか?

……。



私が家から脱出できなかった頃のことです。
実は私がお世話になっていた福祉施設の方は私の両親に問題があるとは思っていなかったらしいのです。
母のことは話した時点で母は精神科に入っていたため『あ〜、そんなお母さんだったのか…』とそこそこ納得していらした。
けれど、私の父とは面識があるため『悪い人には見えない』とか『お父さんも悪意があってやっているわけじゃないよ』、『お父様とうまくやりなさい』などと『私は傷つく』ことを言われていました。

私の父は外面の良さは天下一品で、私にもこんなことを言っていました。
『俺はなぁ、外面がいいからなぁ!
俺は会社には敵はいねぇんだよっ!!』
……自覚してるのか、最低なヤツだな。




私自身、なぜもっと早く家を出なかったのかと自分を責めたり『他人から責められたり』する。
あからさまにヤバい家庭なんだから、そりゃ責められるわな。

しかし、いま振り返っても精神安定剤を飲まなければ3分おきにフラッシュバックを起こしてしまう私に仕事があったとも思えない。
薬剤には副作用がつきものだから、常に手足に震えが出ていた。
極度の緊張状態から逃れるために始まった「水飲み衝動」に抗えず、私は毎日20リットルもの水を絶えず飲んでいた。
水が喉を通っていくときだけ、ホッとしたのだ。
当然、身体は壊れてゆく。
介護用おむつなしでは生活できなかった。
しかし、同居していた父には何も話せなかったし、実際ムリヤリ旅行に連れて行かれた際に『きったねぇな!拭けよ!おい!』と罵られた。
それをそばで見ていた祖母は何も言わなかった。
父が私を『デブ』『デブ』と罵るたびに、祖母は『〇〇は太り過ぎだなぁ』と言い、私を庇うことはなかった。
祖母とは同居をしていなかったが、祖母は父を溺愛しており、私に電話を掛けてきては『あの子は元気かい?』
『ちゃんとご飯を食べさせているかい?』
『あの子はお酒が好きだから高血圧になりやすい。薄味のものを食べさせるんだよ』と私に言い続けていた。
高血圧の人向けのレシピ本が送られてきたこともある。
『お前は精神疾患で仕事にも就けないんだ。あの子にたくさん迷惑と金をかけさせているんだ。
お前が世話をするのは当たり前だろう?
ご恩返しをしなくてはならないだろう?』
そう私に言い続けていた。

ちなみに貧しい私の両親にムリヤリ住宅ローンを組ませて『持ち家化』させたのも彼女です。
父は祖母の言いなりでした。
そのあと15〜16年は、私の母が新しい服を着ることはありませんでした。
外食も数年に一度の大イベントで、むしろ「外食は贅沢な悪いこと」だと教え込まえていた私は、後々「外食産業」で働くようになります。
憧れと憎しみが混じったある種の抵抗だったのかなぁ。


何だかんだ、私は祖母からも『お前に人生などない』『親の召使いをするのが当然』と刷り込まれていたのは間違いないのでしょう。

もちろん働ける状態なら働いていました。
震える手足で面接に行ったときのことは忘れません。
あのときの採用担当者の目は。


今年に入って読んだ本の中にこの2冊があります。

(赤いのも自分の親のヤバさ認定に役立ちます。『うわ〜、あいつやっぱヤバイ〜』と親を格段にレベルダウンしてやれるのは💮です!)

両方面白かったのですが、今回は黄色い方を。

メディアにもお顔が出ているお二人の対談式エッセイってところですね。
テルマエ・ロマエで有名な漫画家のヤマザキマリさん。
テレビでコメンテーターもされてる脳科学者の中野信子さん。
このお二人の対談形式ってちょっと笑えるくらいユーモラスなんだよね。
外国ぐらしの長いヤマザキさんの『イタリアではこうですよ』という体験談的なツッコミに『ほぉ〜(パチパチ)✨』『そうなのか〜』となるし、医学的根拠を持ち出す中野先生も冷静なツッコミを入れるタイプだ。
真面目な話をコント形式で読める珍しい一冊。
(この形式で書かれた『パンデミックの文明論』もオススメ。二人の掛け合いがテンポよくサクサク読めます!)


そんなヤマザキマリさんの作品『プリニウス』には暴君として語られてきたネロが登場する。
この本にはネロが自殺をするきっかけとなったシーンが印刷されている。
自分が飼っているオウムだけは自分を嫌ってはいないだろう、、そんなネロにオウムが『普段彼がまわりに吐きつけていた言葉』を浴びせるシーンです。
これで絶望したネロは死んでしまうのですが…

他人とは思えない…(;^ω^)


私はこのページを見て、
『これ…うちのオヤジじゃん💦』
しか言えなかった。
しかもネロの母親は典型的な過干渉毒親で、息子を支配しなくては気が済まないエゲツない女だったと言います。
母親の名はアグリッピナ。
ローマのコインには王の横顔が彫られるのですが、なんとネロとアグリッピナの両方が彫られているコインが遺っているそうです。

ただこのプリニウスに登場するネロにはかなりの数の共感コメントが寄せられているとのことで、私にはそれだけ『過干渉毒親に悩むひとが多いんだろうな』という感覚です。

私はネロに迷惑被りましたけどね。


(続く)

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