【大学生へ】時間をお金に換金するだけのバイトは辞めたほうが良い
世の中には、2種類のバイトがある。
時間をお金に換金するだけのバイトと、時間を費やしたらそこからなにかを得られるバイトだ。
この線引きはひとによって違う。
同じ飲食のバイトでも、飲食店でのバイトで外国語を覚え、たくさんのお友達が作れたなら後者だし、ただロボットのように食事を運んでレジを打っているなら前者だ。
そして、前者に当てはまるバイトは、ただ1時間働いたら1000円もらえるといった仕組みのもので、そういったものはあなたが1000円もらえる代わりに1時間を犠牲にしているということだ。
そして、その1時間で得られたはずの休息、娯楽、楽しみ、友人との時間、趣味にあてる時間、宿題をする時間といったものと引き換えに、あなたは1000円を得る。
たしかに、時給1000円なんて世界から見たらかなり良い額なのは間違いない。たとえば、イタリアには最低賃金が実質存在しないため時給3ユーロ程度でブラック労働しているひとはたくさんいるし、ウクライナの最低賃金は時給100円(そう、100円)程度だ。首都キーウでは4月から約200円に上がるらしいが。
ソース:
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一応イタリアの最低賃金は11,5ユーロといった情報が出てくるが、これはあくまでも平均であり、法律化されているものではない。私の知り合いはたいがい無職か、公的機関などで時給5ユーロ程度で働いている。しかも、それらは合法の仕事だ。
そう考えると、高校生や大学生といった、フルタイムで働けるわけでもなく、しかもとくにすごいものを持っているわけでもないひとでも、最低賃金1000円が貰えるというのはかなり大きな話だ。
イタリアではよく「学生? 働いてる? (studi o lavori?)」と聞かれるが、「どっちもしている」というとかなり驚かれる。そもそもイタリアでは学費が年間15万円程度とかなり安いので、働く必要がないというのが建前だが、実際には仕事がないので働きたくても働けないのだ。
それを考えると、学生であってもコンビニエンスストアや飲食店や塾講師として働ける日本の学生はかなり恵まれていると思う。
ただ、それは結果として学業や遊びや旅行にあてる時間を削って、1000円を得るという作業にすぎない場合がある。
学生時代は、お金はないが時間は比較的ある。
時間とお金があればできることといえば、旅行だ。
学生でいられる時間に旅行をしなかったことを後悔しているひとは多い。
話を戻そう。
バイトからなにも得られないのにもかかわらず、1000円のために1時間を切り売りする。それはもったいないことだと思う。
もしあなたがそう感じているのなら、方法は2つある。
ひとつは、その仕事からなにかを得られるものにすること。たとえば、飲食のバイトをしている、中国語学部に属する友人は、わざわざバイトのために片道1時間半通って、家からも大学からも遠い場所で働いているが、そこでは外国人の店員さんとお客さんが多いので(要は観光地の一等地にそのお店はある)、英語や中国語を勉強するのにとても役立つという。
将来彼女は中国語と英語を使って外資系企業でホスピタリティ分野で働きたいらしい。まさに完璧な選択肢といえるだろう。
交通費はバイト先が出してくれるので、帰りに観光地での観光をすこし楽しめるというおまけつきだ。ただ、往復3時間を費やす価値があるのかどうか、私にはわからないが、彼女が「ある」と言っているのだからそれは「ある」ということだ。その決断はすごく面白い。
もうひとつは、その仕事を辞めてしまうことだ。
大学生は、たいがい4年後に就職して、年収200万円-250万円を得られるひとになる。それからは自由にお金を使える時代が来る。
毎日贅沢三昧というわけにはいかなくても、たまの贅沢なら十分できるような時代が来る。
そうすると、1000円がいかにはした金だったか、気づくかもしれない。
もちろん、1000円だってほしいし、大事なお金であることには変わりない。誰かから合法的に、かつ無条件で1000円が貰えるなら、断るひとはまずいないだろう。
ただ、4年後にはもっと大きなお金を得られるチャンスがたくさん来るからそれまで待てるなら待とう、ということが言いたい。
もちろん、下の兄弟のために家にお金を入れないといけないとか、そういった事情があるのなら仕方ないかもしれない。それなら、仕事を辞めるのではなく、同じ1時間を費やすなら、そこからなにかを得られるようなものに変えるか、いまの仕事との付き合い方を見直すほうが良い。
たとえば、塾講師として経験を積んで、将来教師になるために備えるとか、あるいは、飲食のバイトでホスピタリティを学んで(私の大学の他学部の授業で「ホスピタリティ」というものがあるのだが、それを高等教育機関である大学で教えなあかんものなのかは私にはわからない)ホテル業界で働けるようにしよう、といったものだ。そして、たとえば教師になりたいひとがいたら、飲食のバイトをするよりかは、塾講師のほうが学ぶことが多いだろうし、ホテル業界で働きたいなら、塾講師よりも飲食のバイトだろう。そういった転職も、選択肢のひとつだ。
さて、私の話をしよう。
私は、翻訳の仕事をしているが、将来も一生これで食べていこうとは思っていない。ただ、実績にはなるし、翻訳の仕事というのは経験年数がものを言う仕事だ。そのため、この業界に18歳のときから関われているのは、大きい。仕事は時給換算すると3000円くらいになることもあるし、ときには5000円くらいになることもあるが、正直これはかなり大きい。しかも給料はユーロやUSドルで入ってくるのだ。ただ、あくまで仕事が来ることが少ないので、正直微妙ではある。そのへんのバイトのほうが稼げるかもしれない。
結論、将来につながることや、楽しいことならしても良いが、ただ1000円と1時間を引き換えるような真似をしても、旅行時間などの大事なものを失ってしまう。
バイトはなにかを得られるように、かつ大学の学業に支障を出さないようなものにしよう。
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