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作…髙野紀子『「和」の行事えほん〈2〉秋と冬の巻』

 敬老の日、お彼岸、七五三、年越し、節分といった秋冬の行事について、可愛らしいイラストとやさしい文章で教えてくれる絵本。

 秋冬の草花、旬の食べ物といったものについても丁寧に教えてくれます。

 たとえばお節料理なら。

 きんとんの黄色を黄金に、栗を小判に見立てたり。

 ごぼうが大地に根を張ることから、家の土台が揺らがないようにと、ごぼうを使ったり。

 まめに暮らせるようにと、豆を使ったり。

 海老のように腰が曲がるまで長生き出来るようにと、海老を使ったり…。

 そういう願いがお節料理の一つ一つに込められています。

 ユーモアがありますし、愛情がこもっている感じがしますよね。

 また、月の呼び名もお洒落です。

 新月(しんげつ)、二日月(ふつかづき)、三日月(みかづき)・眉月(まゆづき)、弓張月(ゆみはりづき。上弦の月)、九日月(ここのかづき)、十日余りの月(とおかあまりのつき)、十三夜(じゅうさんや)、待宵(まつよい)、十五夜(じゅうごや)・満月(まんげつ)、十六夜(いざよい)、立待月(たちまちづき)、居待月(いまちづき)、寝待月(ねまちづき)、更待月(ふけまちづき)、弓張月(ゆみはりづき。下弦の月)、そして新月(しんげつ)へと還る…。

 ちなみに、立待、居待、寝待というのは、月の出が日を追うにつれて少しずつ遅くなるので、

 「立って月を待っていたのが、すわって待つようになり、次には寝て待つようになる」

(作…髙野紀子『「和」の行事えほん〈2〉秋と冬の巻』 P7から引用)


 ということからくるものだそうです。

 一体どこのどなたが最初にこうした月の呼び名を考えたのでしょうか?

 素敵なネーミングセンス。



 〈こういう方におすすめ〉
 和の伝統文化に興味がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1〜2時間くらい。

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