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著…藤田絋一郎『遺伝子も腸の言いなり』

 遺伝子や頭だけでなく、腸にも関心を持とう! という本。

 エピジェネティクス(後天的遺伝子制御変化)を紹介していて興味深いです。

 遺伝子は親から引き継いだものだから後天的に変えることは出来ない…と思いがちですよね?

 しかし、この本の著者はこう述べています。

 遺伝子は環境によって常に変化し、腸内細菌はその変化に関わっている…と。

 わたしは半信半疑でこの本を読み始めましたが、知れば知るほど腸の面白さに釘付け。

 たとえば、

 脳の神経細胞の増加率が最も多い生後3年間で、脳の発達に重要な働きかけをしているのが腸内細菌だということがわかってきました。腸内細菌は人類発生の当初から、私たち人間と共生してきました。

(著…藤田絋一郎『遺伝子も腸の言いなり』 P3から引用)

 というからびっくり!

 普段は意識していないのですが、腸内細菌って実はすごい存在なのですね。

 また、無菌マウスと正常マウスについて言及しているくだりには、

 無菌マウスのほうが不安を感じている行動が多く見られ、脳の海馬のニューロンに神経伝達物質であるセロトニンの受容体が少なく、情動を処理する脳領域である扁桃体のニューロンでは、グルタミン酸の受容体も少なくなっていることがわかりました。

(著…藤田絋一郎『遺伝子も腸の言いなり』 P3から引用) P38から引用)


 と書かれています。

 腸内細菌とセロトニンやドーパミンといった不安を和らげる神経伝達物質には密接な関係があるそうです。

 今の世の中、殺菌作用や抗菌作用のある商品が売れに売れていますが、心身の健康を維持するために必要な細菌もあるのだ、ということを忘れてはいけないのですね。

 遺伝子も頭もおなかもそれ以外の部位も大事にして、出来るだけ健康に長生きしたいです。


 〈こういう方におすすめ〉
 腸活に関心がある方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間くらい。

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