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著…有栖川有栖 写真…川口宗道『作家の犯行現場』

 作家の有栖川有栖氏がミステリー性のある場所や物から放たれる空気に触れて綴った旅エッセイ。

 軍艦島。
 明石海峡大橋。
 出羽三山湯殿山の即身仏。
 満奇洞(まきどう。横溝正史『金田一耕助 ファイル1 八ツ墓村』)。
 江戸川乱歩邸の蔵。
 能登金剛(松本清張『ゼロの焦点』)などなど…。

 小説好き、特にミステリー小説好きにはたまらない場所や物を網羅しています。

 ああ、旅に出たい! 聖地巡礼をしたい! と、いてもたってもいられない気持ちにさせてくれます。

 それしても…、「富士急ハイランド」のお化け屋敷・慈急総合病院(病院を模したお化け屋敷)に行った時のエピソードに、茶目っ気を感じました。

 有栖川氏がお化け屋敷に入っていくと、他のお客さんたちが不安げな声をあげたので、有栖川氏が一言。

 「お化けじゃないですよ」

 シュール!

 でも、否定して安心させてあげるなんて優しいですよね。

 また、この本の随所に横溝正史と江戸川乱歩への敬愛の念が示されていて、いちファンとして嬉しい限りです。

 これからも、様々な作家が様々な場所や物からインスピレーションを得て、新たな小説が生み出され続けていきますように。

 そして『作家の犯行現場』が増えていくのです。



 〈こういう方におすすめ〉
 聖地巡礼が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間半〜3時間くらい。

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