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文・写真…山本ゆりこ『芸術家が愛したスイーツ』

 ピカソ、ヘミングウェイ、ロートレック、アレクサンドル・デュマ、モネといった名だたる芸術家たちとゆかりのあるスイーツを紹介している本。

 ひとりひとりのエピソードの紹介が丁寧で読み応えがあります。

 こういう顔ぶれの中に意外とノストラダムスが混ざっているのも楽しい。

 ただし!

 ダイエット中の方には非常に危険な本です。

 絶対におすすめしません。

 なぜなら、どの写真も綺麗な上、著者の文章によるスイーツの描写が細かいからです。

 この本を読んでいると、果物や砂糖の香りが鼻腔をくすぐり、口の中いっぱいに甘酸っぱさが広がっていくような気がしてきます。

 思わず生唾ごっくん。

 ケーキ屋さんに走らずにはいられなくなります。

 わたしも走ろうと思ったのですが、年末年始のため、残念ながらどのお店も開いていませんでした!

 仕方がないので、この本に載っているレシピを参考に、まず「いちごとフロマージュ・ア・ラ・クレーム」を真似して作ってみました。 

 ヨーグルトと生クリームとグラニュー糖といちごがあれば作れるので、これならスーパーで材料を調達出来たからです。

 年末年始も開けてくれている近所のスーパー〇〇さんありがとう!

 危うく、わたしの中の「スイーツを食べさせろと要求する獣」が暴れ出すところでした…!

 いちごはわたしには高価な果物ですが、おかげさまでお腹が満たされて幸せです。

 また、これからこの本を読むよという方には、プルーストのページを読む前に、お手元にカフェオレを用意しておくことを強くおすすめします。

 なぜなら、猛烈にカフェオレを飲みたくなるからです。

 この本によると、プルーストはカフェオレに並々ならぬこだわりがあったそう。

 行きつけのお店で強めに煎ってもらったコーヒー豆を、秘書兼家政婦のセレスト・アルバレさんがその都度挽き、ドリップして、プルーストが起床するベストのタイミングでカフェオレを用意してくれていたとのこと。

 プルースト曰く、

 「朝のカフェオレの味は、われわれに晴天への漠とした希望をもたらす」

(文・写真…山本ゆりこ『芸術家が愛したスイーツ』P23から引用)


 そこまで賛美するとは相当なカフェオレ好きですね!

 実は『失われたカフェオレを求めて』なんて作品も書いているんじゃないか? なんて気すらしてきます。

 それに、そんなにも献身的に支えてくれる秘書兼家政婦さんがいたのも羨ましい!

 ちなみに、プルーストは死の間際にはカフェオレしか口にしなかったのだそう。

 筋金入りですね…。

 きっとカフェオレも、そこまで愛してくれる人に飲んでもらって嬉しかったことでしょう。

 飲み物冥利に尽きるというものです。



 〈こういう方におすすめ〉
 スイーツ好き且つ現在ダイエット中ではない方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半〜2時間くらい。
 レシピを真似してスイーツを作ると、もっと時間がかかります。

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