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監修…水木プロダクション 撮影…岡崎秀美 『水木しげるの「立体妖怪図鑑」』

 妖怪は目に見えないって?
 よし、それなら見せてやろうじゃないか!
 しかも立体的に!
 …と作り手が思ったかどうかは分かりませんが、水木しげる先生の作品に登場する妖怪たちをフィギュア化した写真集です。

 一人一人(妖怪なので、数え方としては一匹一匹?)を今にも動き出しそうな躍動感に再現しただけでなく、正面、右横、後ろ、左横からも写真を撮り、更にそれぞれの妖怪の持つストーリーに合わせた背景も絡めて撮影するというこだわり!

 水木しげる先生がこの写真集に、

 「フィギュアを作っている人たちや、売っている人たちも、妖怪に取り憑かれた人々のようですね」
(P7から引用)

 とコメントを寄せている通り、作り手の情熱が伝わってきます。

 わたしの一番のお気に入りは一反もめんのフィギュア!
 手の感じといい目の感じといい…。
 何とも言えない可愛らしさ。
 しかもよーく見ると…一反もめんに目玉おやじがちょこんと乗っています!
 一体どこへお出かけするのでしょうか。
 ねずみ男の所かな?

 鬼太郎の父(目玉おやじになる前)や鬼太郎の母のエピソードも載っています。
 我が子の成長を見守りたい、という鬼太郎父の父性もさることながら、人(ゆめこちゃん)を生かすために自分の命を引き換えにする、という鬼太郎母の母性の強さに、読んでいて圧倒されました。

 なんとこの妖怪写真集には、水木しげる先生を模したフィギュアまで「水木先生」という名で収録されています。
 今では先生ご本人もあの世の住人。
 今頃、妖怪たちと楽しく過ごしてくださっていたらいいなぁ。

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