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終戦の日、戦争と平和を考える。

映画テキストサイト「osanai」で、「終戦から78年」の節目に、3つの映画に関するコンテンツを掲載した。

掲載したコンテンツは以下の3つ。

1. 世界が引き裂かれる時(AAR Japan[難民を助ける会]藤原早織さんインタビュー)
2. 東京裁判(執筆:碧月はるさん)
3. アウシュヴィッツの生還者(執筆:伊藤チタさん)

それぞれ書き手が異なるだけではない。

作品が置かれているポジションや、製作時期や製作者も、それぞれで違いがある。異なる視座から戦争や平和を捉えるという意味で、意義のあるコンテンツを作れたのではないかと自負している。ぜひ読んでみてほしい。

*

2022年8月15日にosanaiをローンチした。今日で丸一年ということになる。

あえて終戦の日にローンチしたのは、「祝う」でなく「考える」時間にできると思ったから。

先人の努力によって、「戦後」は一年ずつ更新されている。もし私たちの世代で戦争が起こったら、彼らの努力は水泡に帰すということになる。

意欲あるフィルムメーカーたちによって描かれた戦争映画たち。プロパガンダ的な側面があるものを除けば、どれも「戦争など、ロクなものではない」というメッセージが込められているのが分かる。

だが同時に、「戦争を止めることも難しい」という真実も描いている。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻も、ロシアとウクライナではそれぞれの事情(正当性)を有していることは周知の事実だ。それが妥当な論旨かどうかは別にして、正義とはかくも厄介なものだと感じてしまう。

だからこそ重要なのは、市井の人たちが「武器」としての知識と想像力を持つことではないだろうか。

為政者や著名人、インフルエンサーによる論理でなく、自分の頭で考えること。

国の安全保障とは何か
なぜ日本は防衛費を上げようとしているのか
非核三原則の意義とは何か
今はどんな武器が戦場で使われているのか

などなど。現代の戦争は、善悪だけで語れるものではない。複雑にからまった様々な事情を適切に読み解くための最低限の知識は必要だろう。

知識に加えて重要なのが、想像力だ。戦後78年、戦時下の日本を知っている方は確実に減っている。僕の身内でも、母方の祖母だけが存命だ。昔は祖父から、直接ではないものの戦争の恐ろしさを教えてもらっていた。沖縄旅行でも、ひめゆりの塔で当時の女学生の方から、いかに沖縄戦が悲惨だったかを語っていただいていた。

語り部は、確実に減っている。
「戦後」を維持するためのリアリティは、徐々に薄くなっている。

そんな危機感を、僕は抱いている。

*

間もなく、8月15日が終わる。

明日になれば、戦後は、「78年」から「78年と1日」に変わる。本当に、その積み重ねによって、僕たちの平和は成立している。

そんなことを胸に留め、また明日から仕事に臨んでいく。僕にしかできない仕事があると信じて、未来へと襷を繋いでいくのだ。

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