星音こお

楽しく小説を書いています。世界は優しい嘘で構築されている。人と人とが完全に分かり合える…

星音こお

楽しく小説を書いています。世界は優しい嘘で構築されている。人と人とが完全に分かり合えることは無理。でもきっと、それがわかっているから人は人とかすかな袖のフレアイを大事にするのかもしれません。 人生の真実を求めて波乱万丈に生きる人物を描きたいです。でもハッピーエンドにしたいな。

マガジン

  • 小説「墓とイカれたリア充」

    人は死ぬ気になれば何でもできる。 でも、死ぬ気だったのに死ねなかったら? ちょっと恥ずかしくて生きるのが辛い。 でも生きているのは嬉しい。そんなリア充の話。

最近の記事

第5話 廃墟

麻里子に連れられて診察してもらったという病院に行くとそこには病院らしき建物がありはしたが診察はしてなかった。よくよくググってみるとどうやら経営難でその病院は経営してない。ということがわかる。 「えへへ、病院なかったね。病気も気のせいなのかなぁ。」 と麻里子。 確かにこんな経営難で閉鎖になるような病院の診察は怪しい。だがな一応ということもある。 「麻里子、精密検査してもらえよ?」 「お姉ちゃん、一応もう一度診てもらったら?」 俺と理子の意見は同意見のようであった。今

    • 第4話 喫茶店

      なんとかコンビニまでずぶ濡れになりつつもたどり着いた俺らはコンビニでビニール傘を買う。そして喫茶店で暖を取ることにした。 「お姉ちゃん。今度は余命7年って、どうせ嘘でしょ?理子はもう姉貴のせいで色々我慢させられるのは絶対いやだからね。」 理子ちゃんは去年、病院の検査で余命1年宣言をもらいショックのあまり取り乱す姉を一生懸命なだめた健気な妹でもあるのだ。 「そ、そうだよ。嘘だよな麻里子?検査ミスって他の人との取違とかじゃないのか?だったら今は健康そのもの!俺たちと同じよう

      • 第3話 星咲理子

        「ライムお兄ちゃん?あ、あれ姉貴?ふーん、生きていたんだ。」 その時であった後ろから現れたちょっと生意気そうな口をきく少女がいた。彼女の名前は星咲理子、星咲麻里子の7歳下の妹である。高校を卒業したばかりの星咲麻里子の年の離れたまだ小学生の妹。 「あら理子。相変わらず元気そうね。……太朗さん、私の妹と私の墓参りに来たって感じね。」 偶然とは恐ろしいものだ。これは本当にタダの偶然なのだ。なのに意図的に待ち合わせした2人のようにしか彼女には思えない。そう現実に良くおこるできす

        • 第2話 死ぬ気祭りじゃぃ

          死ぬ気になれば何でもできる。 とよく人は言う。しかし死ぬ気になってやって死ななかったときどうすれば良いのか? 「なぁライム。申し訳ないけど死ぬ気ない?」 星咲はまるでコーヒーを勧めるぐらいの軽さで僕に問いかける。いや、あのねぇ。なんで死なないといけないんよ、俺が。 「ライムさぁ、俺の秘密いろいろ知っちゃったじゃん。俺恥ずかしいじゃん、だからさぁ……。せめてその記憶抹消する気ない?」 無理だから、それ。 「あのぉ、星咲さん。どうせ7年後に死ぬなら、ここは穏便にまた死

        第5話 廃墟

        マガジン

        • 小説「墓とイカれたリア充」
          5本

        記事

          第1話 墓とイカれたリア充

           墓参りしている。  俺は墓にお供え物をする。  彼女が好きだった俺の詩集を。  俺の名前はライム。言っておくが詩人としての芸名だ。実の名は忘れたことにする。思えば1年前彼女は不治の病をかかえ自殺しに海外へと旅立っていった。私のことは探さないでと言い残し。旅立つ前、空の墓を残して残されるものが寂しがらないようにと。 「星咲麻里子さん。楽しい思い出をありがとう……。」  楽しい時はあっという間に過ぎ今あるのは空の墓だけ。奔放だった彼女は今はいない。  さて帰るかな。俺の詩集

          第1話 墓とイカれたリア充