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チーム仕事のコツ③選

「#仕事のコツ」というお題タグがあるのが気になっていたんです。「仕事のことを思い出させないで~!」と言いたい気持ちもあるのですが、とはいえせっかく目についたのですから、今日はこれをやってみましょうか。

世間は年度末。春の新社会人向けのお題でしょうから、特に"不安"になりやすい「チームでの仕事」について難易度イージーなやつを3つだけ紹介したいと思います。そういえば、去年も書いたものがありました。

ところでこのタグ、日経新聞がスポンサーなんですね。ふむふむ。それならやっぱり一番のコツは「日経新聞を読むこと!」ですよね~。

……なんて、下品な「おべっか労働人生」を生きると思うとよけいにこの先が不安になるでしょうから、そうじゃないやついきましょう。

①自分のところで仕事を止めない

自分が抱えている仕事のうち、次の人にトスしないと全体の仕事が滞るようなものは最優先でやる必要があります。

というのが基本ではあるのですが、そうは言っても「こんなにできるか、ボケ」ということはありまぁす。頻繁にね!

こういうときは、「夕方までにやります」あるいは「明日でいいですか」といった具合に遅れることを伝えて、上司や同僚を「ただ待たせない」ことが大切になります。

なお若いうち、特に1年目は方々から頼まれごとが舞い込むことが多いので特に注意が必要です。直属の上司から「まだできない?」と催促されて「あのあと社長に頼まれたことがあって……」と弁解する人がいますが、これはダメ。

社長などより上位からのコマンドを優先すること自体は仕方ないのですが、いくらそれに正当性があるからと言って、それを知らない直属の上司や先輩・同僚を「ただ待たせる」理由にはなりません。この例でいえば「社長から指示されたのでそれを先にやります、さきほどの件はそのあとで」と伝えれば、自分が仕事を止めたことにはならないのでOKです。

「自分のところで仕事を止める=自分の責任になる」ということですから、仕事が多すぎて滞るのが仕方ないときは、「誰のせい」かを明確にしていくのです。

②確認する

なにか仕事を頼まれたとき、「なるほどわかった」と思えることはそう多くありません。霧が濃くて前が見えない毎日です。

とはいえ依頼する側も1から10まで事細かに説明できるかというと、なかなかそうもいきません。そこは受け止める側が、「よくわからない、伝わっていない部分」について指摘する必要があります。

わからないことを「きっと、こうだろう」と確認せずに進めてしまう人も多くいます。それをやると①と同じで自分の責任になってしまうので、「責任逃れ」のためにもきちんと確認していきましょう。

ただ、"確認"にもいろいろあります。

「どうすればいいですか?」と"質問"せずに、「こうすればいいですか?」とあくまで"(正しい意味での)確認"をするように意識していきたいところです。

前者は「どうしたらいいかわからない」という態度が無能感を醸し出すのもありますし、相手に"説明させる"という負担をかけるのでイラつかれることがよくあります。「なんでわからないかな……」みたいな感じで。自分の説明不足のくせにね!無能!無能!

一方、後者のように"例を出して確認"された場合は、その回答が"YES"になるときはもちろんニッコリですし、"NO"であっても"他人の間違いを指摘するのは気持ち良い"という人類七不思議のおかげで意外と世界平和ハッピーです。

なお「なるほどわかった」というときも、念のために確認しておくのがオススメです。わからないときだけ確認するというのは、意外と心理的ハードルが高いのです。こんなです。

「心に猫を飼いなさい」

ところでこの季節になると、「上司に質問すると自分で考えろと言われ、自分で決めると勝手なことをするなと言われた」という愚痴コピペが出回ることがありますが、"自分で考えてから、それで良いか確認する"ことで解決できることは、もうおわかりだと思います。

③10%よくする

最後、3つめのコツは「相手の想定よりもちょっと良いもの」を仕上げる気持ちを持つこと。数字で言えば、10%程度でOKです。

要求の100%を全うしようとするだけでは、たいていはそれを下回るからです。業種にもよりますが、及第点を攻めるだけの人はいつの間にか消えていくものです。

ただし10%の方向を間違わないよう注意が必要です。

上司から「そこの通路の荷物片づけておいて」と頼まれた場合に、無駄に荷物を綺麗に並べたりしてもダメ。及第点となるのは「次に上司が通路を通るときまでに片付いていること」ですから、上司が再び通路にやってくるまえに「荷物を片付けました」と報告すれば+10%になります。また、通路の邪魔になっているものがほかにもあれば「それも片付けましょうか」と"確認"するのも良いでしょう。

あるいはクリエイティブな業種なら、+10%は当然すぎます。例えばイラストレーターが「かわいい動物を描いて」と頼まれた場合、「最低限、かわいいと言える」で済むわけがありませんよね? でも+10%を意識していれば、自然に「よりかわいい」「もっとかわいい」を考えることにつながります。

ちなみにぼくは政府のコロナ対策を批判する記事のタイトルに「殺人政府」と書いたところ、編集長から「言い過ぎ!」だとボツにされたことがあります。えー、事実なのにい。"秩序"最優先で「パニックさえ起きなければ、何人死のうがかまわない」という態度、ヤバすぎ~。

とはいえ、やりすぎたときに直す手間がかかるのは面倒なので、勝手に"大盛り"にはせず、それこそ確認のためにも極端な例は複数候補のひとつとして提示するのが良いですね。と、強~い説得力をもってお伝えしておきます。

おわりに

というわけで、チームで仕事をするための3つのコツ、
①自分のところで仕事を止めない
②確認する
③10%よくする

を紹介したわけですが、すでに述べてきたようにどれも"責任逃れ"の側面が強く、「チームのため」のようでいて、実はすべて「自分のため」です。

「自分のため」というと身勝手だとかワガママだとか思われがちですが、チームで仕事をする場合は「自分のため」が「他者のため」にもつながるわけですね。人と人が集まってチームを形成するのですから、「自分も含め、誰ひとり蔑ろにしてはいけない」という姿勢が必要なんです。

そして新社会人も1年後には"先輩"になり、やがて"上司"になっていきます。そのとき、この3つのコツを踏まえて後輩や部下に接することを考えてみてください。

①部下や後輩が仕事をとめていないか気にかける。
②言いっぱなしにせず、部下や後輩が確認する機会を与える。
③部下や後輩が、自分なりに良くする機会を与える。

なんだかちょっと"良いセンパイ"風になりますよね。逆に、これらができない上司や先輩は……?

この視点を持って仕事をしていけば「ついていってはいけないヤバイ人」を見極められるようになります。この春に始まる1年は冒険の年になりますが、ここを乗り切ればあとは順風満帆……とまで行かずとも、春を良い季節として迎えられるようになるのではないでしょうか。きっとね。

(おしまい)


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