見出し画像

ランニングのための体幹トレーニング

はじめに|このnoteを書いたきっかけ

このnoteは、ランニングでのパフォーマンス向上に欠かせない体幹について書いています。

 自分はトレイルランニングを中心にランニングを行っています。何年かやってきて、不整地や登りを走る際に体幹を強化する必要性を感じています。不整地ではロードのように一定のフォームを維持することが難しく、左右に揺れる上体を脚ではなく体幹で支えることが必要になってきます。登りを脚部だけで登るとすぐに足が終わってしまうので、腸腰筋といった体幹のインナーマッスルを使い続けられることが大切だと感じています。
 体幹を強化するために雑誌や書籍、Webサイトでいろいろ調べ、試してみます。体幹について書かれたモノはたくさんあります。ですが、なぜ体幹を鍛えた方が良いのか、そのために何をしたら良いのかについてまとまったものがあまりない。いろんなサイトを見ているうちにあれもこれもやった方が良いのではないかと思えてくる。それなら自分で体幹トレーニングについてのバイブルをつくろうと思ったのがきっかけです。

このnoteを読むことで分かること

このnoteでは以下の点について書いてます。

ーそもそも体幹とは身体のどこを指すのか
ー重要|体幹を鍛えるとは何か
ーランニングにおいて体幹を鍛えるメリットは何か
ー体幹を鍛えるためのトレーニング方法
ートレーニングのためのお勧めの動画

そもそも体幹とは身体のどこを指すのか

自分の身体の体幹がどこか分かりますか?
体幹を簡単に言えば、、首から上、腕部、脚部を除いた部分の胴体のことです。体幹≠腹筋ではありません。胸筋、腹筋、背筋といった大きな筋肉に加え、肩関節・股関節まわりの小さな筋肉まですべて含めて「体幹」です。

ランニングにおいてなぜ体幹を鍛えることが有効なのかについては後述します。が、大切なのは、腕部や脚部は体幹と繋がっているということ。安定した体幹を通じて、脚の力を腕に伝えたり、体幹で生んだパワーを腕部や脚部に伝えることができることで、ランニング時のパフォーマンス向上にも繋がります。

重要|体幹を鍛えるとは

上記の説明に沿えば、胸筋・腹筋・背筋を鍛えることも、肩関節・股関節まわりの小さな筋肉を鍛えることも総じて体幹トレーニングということができます。
しかし、筋肉は大きく分けて2つに分類されます。身体の表面近くの大きな筋肉であるアウターマッスル(表層筋)と、身体の深い部分に位置する小さな筋肉であるインナーマッスル(深層筋)です。
アウターマッスルは主に大きな力を発揮するための筋肉。一方、インナーマッスルは姿勢保持や関節の安定、バランスをとるといった役割があります。なお、インナーマッスルは「姿勢保持筋」とも呼ばれます。
考え方としては、体幹(胴体)という部位の表層にアウターマッスルがあり、深層にインナーマッスルがあるということであって、アウターまたはインナーのどちらかを指して体幹と呼ぶということではありません。
補足|医学的にはインナーマッスルとアウターマッスルの定義はありません。

ランニングにおいて長時間安定したフォームで走り続けるために特に必要なのは、2つのうちインナーマッスルです。したがって、ランニングにおけるパフォーマンス向上においては、
体幹を鍛える=体幹(胴体)に位置するインナーマッスルを鍛える、ことと言えます。
ただし、ここで注意したいのは、インナーマッスルは身体の奥にあり、外から見ることも触れることもできず、それだけを鍛えることはできません。したがって、アウターマッスルと一緒に動かして鍛えることになります。インナーマッスルとアウターマッスルは両方をバランスよく鍛えることが大切です。
後ほどトレーニング方法の紹介をしますが、器具を使うことでインナーマッスルにより有効に働きかけることはできます。

さて、この節の最後に、体幹に位置するアウター/インナーマッスルの筋肉の名称を少しだけ紹介します。

アウターマッスル|腹直筋、外腹斜筋、広背筋
インナーマッスル|腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜
※分類は諸説あります

ダウンロード

筋肉の名称を細かく覚えることに何の意味があるのか?と思う人もいると思います。しかし、名称を覚え、トレーニングにおいて鍛える部位を「意識化」できることには2つのメリットがあります。

・トレーニングにおいて、狙った筋肉に効果的に負荷を与えることができるようになる
・ランニングにおいて、自分の身体状態をより正確にモニタリングできるようになり、フォーム維持・調整能力が向上する。特に超長距離レースにおいては有効

ですので、少しずつで良いので日々のトレーニングにおいて名称も併せて覚えていくことをお勧めします。体幹に限らず、各筋肉の名称や機能は下記のサイトが参考になります。


ランニングにおいて体幹を鍛えるメリットは何か

画像2

ここまでそもそも体幹とは身体のどこを指すのか、体幹を鍛えるとはどういうことかを説明しました。ここからは体幹を鍛えるメリットを説明したいと思います。
ランニングにおいて体幹を意識的に鍛えることは重要です。では、なぜ重要なのか。それは2つのメリットがあるからです。

体幹を鍛えるメリット①|パフォーマンスの向上
体幹を鍛えるメリット②|怪我の予防

体幹を鍛えるメリット①|パフォーマンスの向上

メリットの1つ目はランニングパフォーマンスの向上です。
なぜ向上するのか。

①足ではなく体幹を使った走りを行うことで、エネルギー消費を抑える
体幹は腕部や脚部の筋肉と比べて疲れにくい筋肉です。その体幹の筋力が十分でなかったり、体幹を使った走りができていないと、大腿四頭筋やハムストリングス、下肢三頭筋(ふくらはぎの筋肉)といった脚部だけを使った「足走り」になります。脚部の筋肉ばかりを使う走りでは長時間スピードを維持することが難しく、体幹を使った走りに比べ早い段階でペースダウンします。
逆に手足の起点となる体幹部を鍛え、しっかりと使えれば、腕部や脚部に無駄な力を入れることなく、より少ないエネルギーで長時間走ることができ、結果としてペースダウンを遅らせることができます。
ここでは体幹をつかった走り方について細かく触れませんが、元プロトライアスリートの青山剛さんのサイトが参考になるのでご覧ください。

ここから先は

3,528字 / 2画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?