イズハラ

1996年生まれの人間です。心理学を学びました。ヒトが好きです。音楽、アート、読書も好…

イズハラ

1996年生まれの人間です。心理学を学びました。ヒトが好きです。音楽、アート、読書も好きです。座右の銘は「無理をしない」。

最近の記事

城の崎にて

金曜日の定時後に思いがけない出張を打診され精神に深傷を負った、その後養生に、後輩と二人で但馬の城崎温泉へ出かけた。この出張、一歩間違えれば再起不能の致命傷になりかねないが、無理に行かなくてもいいけれど勉強にはなるはずだと上司に言われた。月曜日に答えを聞くから週末に考えておくように言われて、旅行は予定通りに来た。この後輩とはとりあえず遊びの約束を取り付けては流れてを繰り返し、ようやく城崎行きを実現した。  頭は未だ仕事の話が離れない。一分一秒でも長く仕事のことは忘れていたいね

    • マルチモーダルなミスマッチ

      私にとって、電車に乗っている時間が 一番自分のコンディションを認識できる時間だ。 電車に乗っていると 車体の揺れを感じる。 ガタンゴトンという音と、アナウンス。 流れ行く車窓からの景色。 本を読んだり、映画やアニメを見られるときはすごく元気。 想像力のフル回転に耐えうる体力と気力がある。 HPはだいたい70%はある。 音楽を聴ける時もしくは聴きたい時、 HPは50〜60%くらいである。 心を空にして聞いこうとしても、 音感ゆえに無意識で聴音してしまったり、 深く感動して

      • LIGHTHOUSEが沁みた話

        エンタの神様で見た春日は、死んだ父にそっくりだった。 オードリーを初めて見た時、愕然とした。 もちろん全くの別人なのだが、クソガキだった私は、父が死んだふりをして芸人になったのかと本気で混乱したものだった。 あれから20年弱。 LIGHTHOUSEは、個人的事情によりどうしても見なければいけないコンテンツだった。 春日の相方・若林のちょっとひねくれたところとユーモアがずっと好きだった。ラジオは気になりつつなかなか聴けていないけれど。エッセイでもその人柄が滲み出ていて、素

        • ヲトナの夏休み推薦図書

          みなさま、酷暑の折、いかがお過ごしでしょうか。 お盆休みの計画に出遅れてしまった方。 あるいは冷房の効いた快適な空間ーあなたを優しく冷やすのが弊社製品であるならこれ以上に喜ばしいことはないーでゆっくり過ごされる方。 そんなあなたの夏休みに、ヲトナの推薦図書を紹介したい。 一身上の都合で、かなり偏りのあることには予めご了承いただきたい。 おしゃカフェで待ち合わせるあなたに: サガン『悲しみよこんにちは』 まず見た目。薄くて軽い。 そして見た目も涼しげで良い。 もうす

          『君たちはどう生きるか』が眞人に与えた生きるヒント

          ジブリ映画『君たちはどう生きるか』を見て、吉野源三郎の書籍『君たちはどう生きるか』を読んだ。私の足りない頭で、考えて考えて考えぬいた奥ゆかしい搾りかすのような感想を、記念にここに残しておきたい。 ネタバレを含む内容なので、まだご覧になっていない方はご注意頂きたい。あと、恐ろしく長くなってしまった… 『君たちはどう生きるか』と『君たちはどう生きるか』 映画の中で書籍『君たちはどう生きるか』は、亡き母から主人公へ贈られた本である。異世界に入り込む前と後で、この本が主人公の行

          『君たちはどう生きるか』が眞人に与えた生きるヒント

          想像力と共感と表現について

          平和に必要なのは想像力と共感だと、思いついたのはちょうど20歳くらいのことだったか。 たとえ見えない距離にいたとしても、誰かの痛みを想像し、共感することさえできれば、簡単に他人を踏み躙ったりはできないだろうから。 …と言いながらも、私はいつも突然キャパの大洪水が起こって、挙げ句の果てに気の許せる誰かに当たってしまう(土下座したい人が何人かいる)。 でも、心の底からそう思うのである。想像力と共感力を持ち合わせたヒトでありたいと、ずっと願っていた。 『海辺のカフカ』を読ん

          想像力と共感と表現について

          激しく黄色いあのポスターの話

          この世で一番、黄色が好きだ。 ひまわり、レモン、とうもろこし、卵の黄身… 無条件に明るく、底抜けに潑剌と、心底嬉々としている感じがいい。 YELLOW!! というのもなんかいい。 なんともご機嫌な色である。 私は映画『リトルミスサンシャイン』の激しく黄色いポスターを仕事用メールのアイコンにしている。 理由は二つ。一つはただただ激しく黄色いから。 そしてもう一つは、人間の愛おしさを否応なく突きつけられる作品だから。 ワーゲンバスに人々が乗り込もうと追いかけている姿。 シ

          激しく黄色いあのポスターの話

          『鬼滅の刃』鬼殺隊は令和の超優良チームではないか説

          ある夜、洗面所で気だるく服を着ながら、私は数年前のとある夏を回想していた。 2020年、私は狂ったように鬼滅の刃を読み漁っていた。 ページを巡り、涙を流し、またページを巡り、涙を流し、鼻を啜る、をエンドレスに繰り返す日々だった。 ドライアイとはさよならバイバイだった。 結末まで読み終わった時のえも言われぬ感動のうちの一つを、月日を経た今、それも浴室の湿気で汗ばむ中、ふと解明できたのだ。 この日私は、ストーリーに登場する鬼のお掃除屋さんすなわち「鬼殺隊」が、大正からタイム

          『鬼滅の刃』鬼殺隊は令和の超優良チームではないか説

          『理不尽な進化』を読んだライ麦畑のキャッチャー

          この春、『理不尽な進化』という本を読んだ。 絶滅という観点から生物の歴史を眺め、俗説が人びとを魅了する構造を理解するように纏められた本。 目から鱗すぎた。ほんとうにオススメ。 これまで99.9%もの地球上の生き物が絶滅したが、その原因は遺伝的劣性のせいではなく、単に間違った時期に間違った場所に存在してしまったという『不運』のせいだという。 運の悪さで一族滅亡、なんと哀れな… 自然淘汰は、強者を選ぶのではなく「適者」を生き残らせるプロセスである。 社会でも、この運の

          『理不尽な進化』を読んだライ麦畑のキャッチャー

          『夜と霧』を読んで

          「0で割ってはいけません」 高校1年生の初夏、塾の数学の先生が私たちに告げた。 「0で割るとこの世が終わる」と。 「この世にアイ(i)は存在しません」と並ぶいかにも高校数学的脅し文句である。 『死んではいけない』と言う命題は 『0で割ってはいけない』と同じようなものだと思っている。 一度足を踏み入れれば最後、引き返せない泥沼だから、とりあえず便宜的にそうしよう、と。 119104とはの心理学者のヴィクトル・フランクルのユダヤ人強制収容所での囚人番号。『夜の霧』は心理

          『夜と霧』を読んで

          大切なことは、本当に目に見えない?

          サン=テグジュペリと村上春樹 サン=テグジュペリの『星の王子様』は「大切なことは目には見えない」という言葉があまりに有名だが、わたしはその後のこっちの方が好き。 なんで目では見えないんやったっけ?ってなっちゃうから、こっちの方が心に直に刺さる気がして。 ところで、わたしの大好きな村上春樹も同じようなことを言っている。 効率とかそういう概念を超えて築き上げたものが、本当に価値あるものになり得る。 村上春樹にとって走ることは、書くことを支える重要な営みで、二つの行為は互

          大切なことは、本当に目に見えない?

          『種まき』はじめました🌱

          良質で多量のインプットに対し、そこそこのアウトプットでは追いついておらず、この消化不良をどうしたものか…と長らく考えていた。 内面にあるぐるぐるを外側に表現する手段として、 大好きなピアノはせいぜい中の上程度の出来だし、耳コピは得意だけど作曲アレンジの才能は開花せず、絵も好きだけど超絶怒涛のど素人… じゃあ何で表現して昇華させたらいいんだ!! と途方に暮れて、考えあぐねた末に、今まで物事を見聞きして感じたことをとりあえず文章にして、ええいままよ!と世に解き放ってみたい、と

          『種まき』はじめました🌱