見出し画像

Huberのガイド育成で大切にしている2つのこと

こんにちは!Huberハバーの広報担当のあじーです。
今回は、Huberが過去にやっていた「雲南地域うんなんちいきでのガイド育成事業」について、ご紹介したいと思います。

この記事を読んで、

  • 島根で外国人対応ができるガイドさんを探している方 / ガイドさんに私もなりたいという方に繋がれたら!

  • ガイド育成を検討している自治体さま、企業さま、団体さまにHuberのガイド育成の導入を検討していただけたら!

と思い、ちょっと真面目に備忘録的に書いてみました。
(※ちなみに、書き出したらかなり長くなったので、ぎゅっと伝えたいことを2つにしぼりました。機会があれば、共有ができたらと思います)


雲南地域ってどこか知ってますか?

出雲大社がある出雲市から南に向かったところにある、飯南町いいなんちょう雲南市うんなんし奥出雲町おくいずもちょうの3市町で構成されたエリアが「雲南地域」にあたります。

仁多米にたまいや、出雲いずもそば、出雲神楽いずもかぐら、たたら製鉄せいてつ、温泉などが有名で、秋頃は、新米や新蕎麦を求めて県外からもたくさんの方が訪れ、日本の自然豊かな里山風景が残る地域です。

雲南地域の観光情報を発信しているYouTubeがあるので、ぜひご覧ください。

私はこのプロジェクトの期間も含め、約1年のあいだ雲南地域で暮らして、その魅力をたっぷり知っているので、ガイド育成の話しをする前に、おすすめスポットだけでも長時間語れちゃいますが、それはまた別の機会に。笑

ガイド育成事業の概要

【実施エリア】
 雲南地域(島根県飯南町、雲南市、奥出雲町の3市町のこと)

【目的】
外国語(英語)を使ったガイドができる地元人材を発掘し、育成及び組織化することで将来的に雲南地域を訪問する外国人旅行者の満足度を向上させられる仕組みを作る。

【内容】
「うんなん観光ネットワーク協議会」様の受託事業。
雲南地域のインバウンド向けガイドの中心、かつ模範になり得る人材に集中して育成することで、将来的に彼らが地域のガイド人材を先導していき、自立自走可能な組織を擁立できるように研修とガイド機会の創出と育成を行う。

なぜ、雲南地域でガイド育成を?

私たちHuberがガイドをするうえで、とても大切にしているのは「相手に寄り添うこと」です。ここでいう、「相手」とは主に旅行者、つまりその地域に「訪れてくれる人」です。ガイド側の都合でスケジュールや行き先を決めるのではなく、訪れてくれる人の興味のあることや、やってみたいことをできるだけ叶えるために、相談することから始めて実際にアテンドします。そうすることで、訪れる人が何をしたくて、実際にどこに感動したり困ったりするかをちゃんと見ることができるのです。

雲南地域のような田舎では、言語や二次交通(電車やバス、タクシーがありますが、車がないと快適な観光は難しいです)が障壁となり、食文化を見てもハラール対応が少ないなど、外国人旅行者にとって快適な旅行をするには、まだまだハードルが高いエリアです。
ですが、そこには日本の原風景があって、歴史や文化もとても個性的で魅力的な地域です。
まさに、そんな地域に行ってみたいという旅行者に、私たちはたくさん出会ってきました。

そのまちの魅力や価値を伝えるには、旅行者に寄り添うことができ、暮らしに繋げられるガイドが必要だと私たちは考えています。

また、地域の人たちにとってもガイドがいることで安心して旅行者を受け入れることができ、自分自身の活動や暮らしの中で大事にしていることを、ガイドが「繋ぎ手」として伝えることができます。
そんな、丁寧な繋ぎ手を担うガイドが、雲南地域では必要とされていました。

このガイド育成事業は、座学だけのガイド育成ではなく、実践がともなった育成事業でした。ガイドのモチベーションや、経験からしか得られないものを大切にしているため、ガイド機会を創出しながらの育成事業に、Huberはこだわっています。

━━(あじー)ここからは対談形式で、雲南地域のガイド育成について、プロジェクトマネージャーをしていた私と、サポートで入っていただいたゆかさんとで、当時のことを振り返りながら語りたいと思います!よろしくお願いします!

(ゆかさん)はい!よろしくおねがいします!

━━まず、はじめにゆかさんの紹介をさせてください。ゆかさんは、ガイド育成を始めHuber.の様々な研修設計の監修をしておられ、実際に研修講師もしていらっしゃいます。
そんなゆかさんですが、そもそもHuberのガイド育成について、どう考えていらっしゃいますか?

自治体さまとのお仕事で、外国人の方をガイドするプロジェクトをHuberは過去にいくつかしているんだけど、主目的として「ガイド育成」をやったことはなくて、プロジェクトの中で育成をやったりはしていたんだよね。Huberのガイド育成に会社としても自信をもっているんだけど、なかなか「育成がメイン」という機会はなかったんだよね〜
そんな中、雲南地域では、Huberのガイドスタイルがより活きるエリア、かつ、ガイド育成がメインの事業をさせていただくことができたのは、とても嬉しかったね!

━━ですね!!そういえば、後から知ったのですが、うんなん観光ネットワーク協議会様が、Huberのことをガイドマッチングプラットフォームをやっていた頃からご存知いただいていたそうです。紀陸さん(弊社CEO)の講演を拝見され、「私たちの地域には、このトモダチガイドが必要!」と思ってくださったとか。

えー!それってまさに相思相愛じゃん!知らなかった〜笑

━━お伝えしてませんでしたっけ?すみません〜!コロナ禍の時期だったので、ゆかさんは遠隔でずっとサポートで、なかなか直接お会いする機会がほぼ無かったですもんね…。いつかの定例報告のタイミングでぽろっとお伺いしていたのかもです。

さて、雲南地域のガイド育成の事業について、語っていきたいのですが、Huberがガイド育成で大切にしている2点を軸に今回はお話できればと思います。
(※他にもたくさんあるのですが、いつか後編という形でご紹介できればと思っています)


⑴振り返り会での言語化

━━雲南地域でのガイド育成事業の進め方は、以下の図のとおりで、ツアー後に必ず振り返り会を開いて、「自分のガイドはどうだったか」「何ができるようになったか」の【自己評価】をし、ゲストの事後アンケートやレビューから【他者評価】を得ます。その上で、次回のツアーの目標を立てて、ツアーの準備に取りかかります。

この①〜④のサイクルをひたすらまわしていく

育成したローカルガイドさんには、振り返り会にて言語化をしっかりとしていただきます。「なぜその行動をとったのか」、「ゲストさんに寄り添えていたか」「何が不安か」などなど。

「なんとなく」で終わらせず、気づいたことや感じたことを言語化することで、当事者意識がうまれ、一緒にガイドに向き合うことができるよね。特に【相互評価】は今回のようなガイドコミュニティ作りを意識した事業の場合、絶対必要だよね!

━━そうですね!育成したローカルガイド2人の相性が良くて、仲良く切磋琢磨している様子が印象的でした。雲南地域で、英語が話せて、ガイドに興味があって、土日に稼働ができる人ってそうそういなかったのに、この2人が一緒に向き合える関係になったのは、日々の思いをみんなで言語化して理解し合えたからだと思います!
「苦手で頼り、得意で助ける」という、Huberのチームビルディングで大事にしていることを、ローカルガイドの2人が自然とされているのをみて感動したのを、今でも覚えています。

リードが上手な「しのさん」と、聞き上手な「ゆきさん」とでお互いの役割を見つけて、補い合っていましたね。しかも、譲り合ったというより、パズルのようにカチッとはまった感じ。しのさんがいるから「私、頑張んなきゃ」っていうゆきさんがいて、ゆきさんが細やかなサポートができるから、「私、こういうことできるんだよ」っていうしのさんの、2人の関係性がとても素敵でした。

【相互評価】は、2人で役割分担をするHuberのガイドスタイル(ペアガイド)が開始されてから取り入れました。ツアー中にお互いの様子を見ることができ、それを振り返り会の時に言葉にして伝え合うことで、お互いに自分の新たな発見があります。それぞれの得意と苦手をチームで認識したうえで助け合えるので、結果として自信につながり、信頼関係を築くうえで大事な過程でした。

まとめると「自己評価・他者評価・相互評価」のこの3点が大事だね〜!振り返り会で言語化することで、何ができたか、何に不安をもっているか、を明確にできるし。
また、自分がガイドで何を大事にしたいかも見えてくるので、それが「ご自身が何をしたいのか」にもつながると思う。

そうですね!ローカルガイドとしてガイド機会を重ねるうちに、ガイドの2人が「コミュニティを作りたい」って言ってくださって、しかも今年度は自分たちだけで、ガイドマニュアルの作成をする内容で事業化しているというのが驚きです。「自走の一歩を踏み出しました!」感がすごくあって安心しています。

自分が決める、ってほんと大事だよね。「やらされてる感」が入ると一気に成長スピードを遅くさせる。Huberがやっている研修のベースに「個の尊重」があるのが影響してて、社員の役割は、どれだけサポートして並走していくか。
「Huberさんとが良い。一緒に組みたい」って他のエリアでも言ってもらえていたのは、自分で成長を感じるからそう思ってもらえるのかなぁって思ってるし、そう思いたいね。

━━必ず感じてもらえなくても大丈夫で、この機会をええように利用してもらう、でも良いですよね!その人の成長につながるのであれば。

そうそう!だから教えるってスタンスじゃない。Huberのガイド育成は「育成」って言葉じゃ表わせないんだよねー。しっくりこないとも最近思う。

⑵一緒につくる

育成事業ではあるんだけど、教えるってことはしていなくて、一緒に何ができるか、どう作るかをとことんやる事業って感じもしている。
具体例をあげると、ツアーコース作り!
最初の研修期間に、ツアーコースを作ることにあじーが悩んでいた時期があったんだけど、ローカルガイドの2人に作ってもらうのを、予定より早めに投げてみたら?と提案したら、できちゃったこと。これは、ローカルガイドのしのさん、ゆきさんの2人のポテンシャルが高かったからこそ簡単にできたことでもあると思うけどね。

━━当時はまだ研修期間で、コース造成は冬頃の後半で取り入れる予定でしたが、秋前にはやっていましたね。ガイドの2人中心に考えてもらうようにシフトしたら、トモダチガイドの「寄り添って、ニーズを掴んで、ツアーコースに組み込む」っていうのを自然にできちゃうポテンシャルが2人にあったという。
早めに取り入れることでトライ&エラーを何度かでき、結果早い成長に繋がりましたね。

はじめこそガイドの2人が大変そうでしたが、どのスポットをどう案内するかというトライ&エラーを繰り返す中で、「地域の観光を考える」意識がうまれ、地域の観光戦略の一端ではなく、心臓部を担うガイドへとつながった良い事例でもありました。
そのあたりから、しのさんに加え、ゆきさんも雲南のガイド研修とかにも積極的に参加するようになったり、ガイドの2人で地域の情報共有もしあったりして、無理なく、楽しそうにされていましたね。

そういえば、ヤマタノオロチの神話を伝えるために、ゆきさんが出雲神話の児童書を持ってツアーに来ていたよね!?そんな説明の仕方があるのか!と目から鱗だったわー。内容も素晴らしかったし、真剣だから、その姿勢ってゲストにも伝わっていたよね!

━━実行力もあって、すごいな!と思っていました。私たちが教えすぎないことでガイドのやり方の先入観が少ないから、こういう発想につながったりするのかもですね。ゲストの満足度を高めるためのサービスの提供方法ってゲストにあわせて何通りもあって、それはガイドによってもそうですよね。

「あなたはあなたらしく、自分が好きなことを表現する」っていうのが、マインド研修にあって、過去にあった育成とつくプロジェクトでも、1度も教えるというスタンスは取ってないはず。あくまで、私たちHuberの考えをシェアしただけで、それを受け取って、どう動くか次第という感じだね。

━━今後の展望として、外国からの旅行者が戻ってくる中で、ガイドのニーズは高まると思っています。Huberとしては、トモダチガイドで楽しくガイドする方と、日本を楽しんでくれる外国人旅行者が増えると嬉しいので、貢献したいと思っています。

まだまだ語りつくせていないのですが、いつか後編として、ローカルガイドの2人と苦労したことなんかもご紹介できればと思います!

当時のツアーレビューをためていたTripAdvisorのページがありますので、もしよかったらご覧になってください


しのさん・ゆきさんへのガイドのご依頼もお待ちしております!!

===============

↓株式会社Huber.のホームページはこちら↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?