おおいたに生息。本と珈琲が好きなアラサー。ちいさな本屋さんをはじめることをたくらんでい…

おおいたに生息。本と珈琲が好きなアラサー。ちいさな本屋さんをはじめることをたくらんでいます。

最近の記事

【レビュー】木ノ戸昌幸『まともがゆれる 常識をやめる「スウィング」の実験』

「できることはいいこと」という常識に苦しんできた「スウィング」の代表・木ノ戸さんとスウィングで働く個性爆発メンバーの日々を通してそもそも「できる」「できない」ってなんなん?と改めて考えさせられる本でした。途中のメンバーへのツッコミで笑ってしまいました。

    • 【レビュー】飯田一史『「若者の読書離れ」というウソ』

      「若者は本を読まない」「読まなくなった」という通説に対しちょっと待った!と疑問を投げかけている本。中高生に受ける本の共通点を詳しく分析されており、その作品たちは売れるべくして売れたんやなと感じさせた。そして現代の子どもたちはYouTubeやTikTokがきっかけで本と出会っているようなのでそれはそれでこれからの新しい本との出会い方なのではないかと思った。

      • 紙の本か電子書籍か、それが問題だ

        どうも、晴です。 本好きのほとんどが考えるであろう、紙の本か電子書籍どっちがええんや問題。今回はそれについて考察していく。 紙の本のメリット・デメリット メリット 質感が楽しめる(特に単行本) 記憶に残りやすい ブックオフなどで売りやすい デメリット 保管場所に悩む 汚れや破れのリスクがある 電子書籍のメリット・デメリット メリット いつでもどこでも読める データなので保管場所に困らない デメリット サービス終了等でデータが消える可能性がある タ

        • 【レビュー】西加奈子『きりこについて』

          主人公・きりこの相棒、ラムレス2世(黒猫)の目線から彼女とその周辺の人たちについての物語。最初の自己肯定感爆上がりの頃のきりこは正直にいうとわがままな子やなという印象があったものの、初恋の人から「ぶす」と言われてしまってから彼女が自分を取り戻すまでの苦しさがありました。そもそも世の中の基準おかしくね?と感じます。わたしたちは知らず知らずのうちに、人を見た目ですぐに判断しがちです。男性の女性に対する容姿いじりもそう、その逆も然り。その人(自分も含め)の見た目はこの世界を生きるた

        【レビュー】木ノ戸昌幸『まともがゆれる 常識をやめる「スウィング」の実験』

          【レビュー】田中ひかる『生理用品の社会史』

          生理用品の変遷と先人たちの生理対処法の歴史をたどる本。「アンネナプキン」の登場が女性の社会生活の救世主になり、現在わたしたちが快適に暮らせている所以だなと感じました。特に生理の考え方についてネパールの「チャウバディ」のように”生理中の女性は穢れているから”という不当な理由で劣悪な環境に閉じ込めていた歴史があり、日本でもその風習があることに驚いたし、怒りを覚えました。

          【レビュー】田中ひかる『生理用品の社会史』

          【レビュー】青木海青子『本が語ること、語らせること』

          東吉野村で「ルチャ・リブロ」を運営する海青子さんによる本と図書館と人生のエッセイ。特に「交差する図書館」での”図書館とは「本を媒介にして人と人とが交感する場」”というのは言い得て妙やなと思いました。本屋さんとは違う、時代を超えた出会いを感じます。

          【レビュー】青木海青子『本が語ること、語らせること』

          【レビュー】青木海青子『不完全な司書』

          夫婦での共著『彼岸の図書館』を読んでルチャ・リブロに興味を持ったというのと、海青子さんの図書館司書としてのバックボーンが気になり手に取ってみました。彼女が世界に対して生きづらさを感じつつ生きてきたんやなぁ…と感じました。特に印象に残ったのは、「知の森に分けいる」「夜の海の灯り」「幽霊の側から世界を見る」の章でした。

          【レビュー】青木海青子『不完全な司書』

          【レビュー】青木真兵『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』

          『彼岸の図書館』(2019年)の発展版ともいえる「土着の知」について5人の研究者+海青子さんとの対談集。 特に百木漠さんと、藤原辰史さんとの対談が印象的でした。「働くこと」についての考え方、ベーシックインカムによって自己責任論が強くなってしまう世の中に突き進んでしまっているのは恐ろしいなと思いました。個人的にも現代社会は何かと自己責任の論調が強いな…という空気は感じます。

          【レビュー】青木真兵『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』

          【レビュー】光嶋裕介『つくるをひらく』

          それぞれの業界で第一線を走っている「表現者」5名と、建築家で「幻想都市風景」のドローイングを続けている光嶋さんの対談集。 特に内田樹さんといとうせいこうさんとの対談が印象に残りました。内田さんとの対話で出てきた「オンリーワン幻想」によってある意味呪いのようなものがあるということ、せいこうさんの対談での「想像力で集団の記憶にアクセスする」というところがいいなと思いました。あと口絵もアーティスティックで好きです。

          【レビュー】光嶋裕介『つくるをひらく』

          ネコの日

          今日はネコの日。 なぜネコの日かというと、2月22日がニャー(2)ニャー(2)ニャー(2)だからとのこと。ネーミングセンスが日本らしくて好きですw ちなみに世界的なネコの日は8月8日の「世界猫の日」だそう。 個人的には2月22日のほうがネコ感あって好きですね() そんなネコの日にちなんでセブンイレブンでこんなスイーツを発見! これがこちら! ネコの肉球モチーフのパフェだそうで、いちごクリーム大福だの赤団子だのいちごのムースだのを総動員しこんなファビュラスなものを作るなんて

          ネコの日

          【レビュー】青木真兵・海青子『彼岸の図書館ーぼくたちの「移住」のかたち』

          奈良県東吉野村にて私設図書館『ルチャ・リブロ』を営む青木さんご夫婦が、都会から田舎へ移住するまでの経緯、移住後の東吉野村での暮らし、そこから見る社会に対する憂いなどを2人(主に真兵さん)と関係が深い方々との対談がまとまっています。 特に内田先生と光嶋裕介さん、太田明日香さんの対談が興味深かったです。またジャーナリストが海外の危険地帯へ取材し、命の危険になったときに「自己責任」として断ずる疑問と、女性に対する「結婚、出産は女の幸せ」として押し付けてくる周りの声について共感しまし

          【レビュー】青木真兵・海青子『彼岸の図書館ーぼくたちの「移住」のかたち』

          【レビュー】光嶋裕介・青木真兵『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』

          内田樹先生のゼミで知り合った10年来の友人である、建築家の光嶋裕介さんと奈良県東吉野村で「人文系施設図書館 ルチャ・リブロ」を運営している青木真兵さんの往復書簡集。 特に印象的なところはこちら↓ 【光嶋さんパート】 ・Letter#3の建築と地球のあいだの関係性の断絶への疑問。 ・Letter#11の喫茶店で遭遇した「合理性」の価値にがんじがらめになり、お金ですべてを判断する人のなれの果てのような会話に辟易。 【青木さんパート】 ・Letter#4の「なぜ現代社会は『ちょ

          【レビュー】光嶋裕介・青木真兵『つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡』

          【レビュー】竹田信弥+田中佳祐 『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』

          読書会に参加したい方や開催したい方に向けて、 読書会の実践方法や実際に活動している団体への インタビューをまとめたガイド本です。 特に倉本さんと長瀬さんの座談会では、 「読書と読書会について本気出して考えてみた」 というテーマでの内容が共感を呼びました。 読書会を通じて人とのつながりを深める点や、 大学の研究会との違いについても取り上げられており、 興味深かったです。 今年の目標として読書会の参加や主催を考えている方にとって、 参考になる情報がたくさん詰ま

          【レビュー】竹田信弥+田中佳祐 『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』

          【レビュー】真下みこと『#柚莉愛とかくれんぼ』

          なかなかメジャーデビューできず燻っている3人組アイドル・「となりのSisters」のセンターの柚莉愛がマネージャーの提案で新曲のプロモーションとして血を吐いて倒れるというドッキリを行ったことによって、ファンから紛糾され、追い詰められていくSNSサスペンス。みんな柚莉愛が嫌いなんじゃ?ってくらいにメンバーや事務所が関わってこないのが恐ろしい。炎上の扇動をしたアカウントがあの人だったのは個人的には悲しかったです…その人だけでも味方でいてほしかったな…SNSとはもはや切っても切れな

          【レビュー】真下みこと『#柚莉愛とかくれんぼ』

          【レビュー】五十嵐律人『法廷遊戯』

          ロースクールに通う法律家のタマゴ・清義、美鈴の過去の罪と、秀才の馨がこだわった無辜の制裁と彼の死の真相にせまるリーガルミステリー。法曹関係は門外漢だが、難しいところは噛み砕いて書かれてたので読みやすかったです。結末は予想どおりではあったけど、お互いの影として生きてきたふたりを変えてしまう結果になったのは良かったのか悪かったのか。タイトルの『法廷遊戯』の理由も分かった気がします。

          【レビュー】五十嵐律人『法廷遊戯』