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24年間料理を一切しなかった自分が「趣味:自炊」と言えるようになるまでに読んだ本5選

「自炊って、健康的にも経済的にもメリットがあるのはわかるんだけど、手間も時間もかかるんだよなー。
知識も道具もないし、何から始めていいかわからないし…」

と思っている人。
筆者も数年前までそうだったのでめちゃくちゃ気持ちはわかる。

しかし一人暮らしをきっかけに自炊せざるを得ない環境になり、現在、筆者はほぼ毎日自炊をしているほど料理にハマっている。
なんなら自分の作った料理を他人に食べてもらうこともあるくらいだ。

トレーニングしている人、筋肉を増やしたい人、体脂肪を減らしたい人にとって、自炊は必須だと思っている。

今回は、そんな筆者が【料理苦手を払拭し、自炊が趣味と言えるまでになった本を5冊】紹介しようと思う。


●自炊のメリット

①栄養をコントロールできる

トレーニーにとってこれが最大のメリットとなる。
日本の食文化では、外食でタンパク質を確保した上でクリーンな食事を摂ることが非常に難しい。

特に減量中は食の選択肢がガクッと減ってしまう
ローファットならなか卯、大戸屋、やよい軒くらい。
ローカーボなら筋肉食堂、いきなりステーキくらい。

そもそもPFC表示されていない飲食店がほとんどなので、カロリー計算ができないことに苛立ちを覚えるトレーニーも多いだろう。

自炊であれば、食事の量や質をいかようにもコントロールできる。

②経済的に安く済む

栄養の量もだが、価格も大事な要素だ。

外食だけで一日に必要なタンパク質を摂取するのは非常に大変で、それだけで食費が一日に何千円もかかってしまうだろう。

なんと、なか卯の親子丼一杯(タンパク質約30g)と鶏むね肉1kg(タンパク質200g)が同じくらいの価格なのである。
自炊では調理の手間がかかるとはいえ、時間単価がよほど高い人でない限り、それを補って余りあるコストがあるのではないだろうか。


③成長を感じることができる

自炊を続けることで、当然ながら調理技術が向上し、料理のスキルが身につく。
具体的には、切り方や火加減、調味料の使い方などが上達し、より美味しい料理が作れるようになる。

これは、ベンチプレスの重量が上がったり、サイトレイズで上手く三角筋に効かせることができるようになるのと同じタイプの喜びである(?)

人間は失敗から学んで成長していく。
筆者は人生を「自分をレベルアップさせて最強を目指すゲーム」だと思っているので、成長は人生最大の喜びなのだ。


●自炊スキルは人生の資産である

自炊といえば、生きるために、節約のために仕方なく行っているイメージもあるかもしれない。

「自炊すれば節約できるのはわかってるけど、外食のほうが楽だし美味しいし…」
これは明らかに間違いだ。
自炊スキルは一生モノの資産になる。

更に言うと、料理への造形が深まることで、外食時に
「このメニューなら自宅でも作れるんじゃね?何でできてるんだろ。」
「あ、これクミンが効いてて美味しいな…」
「いや、このレベルのものは自分の技術じゃ一生かかっても無理だ。シェフってやっぱすげえ…」
と安易に感動をすることができる。

逆に、料理スキルが著しく欠けている人生は我慢ができない
食事は一日に3回するので、あと50年生きるとして、残りの人生で食事の回数は5万回以上残っている。
その食事の楽しさが上がるのであれば、自炊を取得しない手はないのではないだろうか?

筆者は、休日こそスパイスカレーや二郎系ラーメンを自作することもあるが、あくまでそれはたまーにの話。
平日のほとんどは鶏むね肉を中心とした簡単なメニューが中心だ。

シンプルなメニューでも、いくつものバリエーションがあることで飽きずに続けることができる。
食材を理解し、栄養を理解し、調理過程を理解しているので、ある程度応用が効く。
ただ単に与えられたモノを食べているだけの人生は、家畜と同じだと思う。

自分の身体に入るモノくらい、自分で理解していたくないですか?

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●「料理は科学」という前提

そもそも料理は科学である
料理はアーティスティックなものと思われがちだが、それは一部の最高級レストランだけの話で、家庭料理の場合は再現性が最も大事だ。

食材も調理器具も、全ては化学反応や物理法則に基づいて動いている。
料理が上手いおばあちゃんと同じ行動をしたら、おばあちゃんと同じ味のものができるはずだ
それができない場合、何かオリジナリティを加えてしまっているか、きちんと模倣できていない可能性が高い。

調理のテクニックや知識は、素人でも練習や勉強をすることで必ず上達することができる。
たとえば、肉料理を調理する場合、焼く温度や時間、火の通り具合などの「変数」によって仕上がりが変わる。

それはつまり、さながら理科の実験のように、トライ&エラーを繰り返すことで上達できるということでもある。
失敗したとしても、その原因を分析し、改善策を考えることで次回に活かすことができる。


●トレーニーにおすすめの料理本質本5選

前置きが長くなったが、ここからはトレーニーにおすすめの料理本を紹介していこうと思う。
料理に関する本は数十冊は読んだと思うが、その中から厳選した5冊を紹介する。

どれも再現性が高く、ロジカルに本質を突いている本である。


①強火をやめると、誰でも料理が上手くなる

個人的に革命が起きた本。

素敵なステーキを焼くときに、何故か肉汁が流れてびしゃびしゃになってしまった経験はないだろうか?
筆者はある。
せっかくのふるさと納税の国産牛ステーキだったのに、、、

物理法則で考えればわかるのだが、強火での調理はメリットがほとんどない。
食材を焦がして味が損なわれるリスクが高いだけでなく、火の通りにムラができてしまったり、必要以上に水分・旨味・栄養を逃してしまったり…

強火をやめることでこれらの問題は全て解決し、料理の味を引き出すことができるというのがこの本の主張である。
特に魚や肉の調理においてはそれが顕著だ。
今まで上手くいかなかった料理は全て強火にしていたからだったのか…と身につまされる想いだった。

もちろん料理によって高温がどうしても必要になるものもある。
具体的には、大量の油をまとわす中華料理や、調理の過程で水分を飛ばす煮込み系、焼き目をつける餃子やステーキなど。
しかしそれはあくまで応用編であって、守破離の守としてはあくまで低温でじっくり、なのだ。

火入れのコツだけでなく、食材を活かす塩の使い方、食材の細胞を潰さない切り方の基本…といった初心者にとって嬉しい情報も入っている。


②勝間式食事ハック

物事を楽しみつつ徹底的に効率化する、勝間和代節が存分に味わえる本。

「食事の塩分は食材の重さの0.6-0.8%」
「野菜は焼いたり茹でたりするな、蒸せ」
「自動化できるところはテクノロジーを使って自動化しろ」

これらは義務教育で教えたほうがいいレベル。

特に、「加工食品を避けて食材に近い形で調理する」というのは、あのマッスルグリルでも再三再四説かれている。
トレーニーでなくとも、この考え方をインストールすると、食の楽しさをじんわりと味わうことができるようになる。

この本を読んでからホットクックAlexaをキッチンに導入し、生産性が爆上がりした。

勝間さんの場合、ロジカルなだけでなく、「食べることは必需品だけど、味わい深く、美味しい食事をすることで、より豊かな人生を送れる」という論調で語ってくれるところも優しい。


③料理の四面体

こちらはどちらかというと実務というよりは座学寄り。
「料理を構成するのは火・水・空気・油の四要素しかない」という、ラディカルながら本質が詰まった本。

切り口としておもしろく、文化的背景や地理的背景から世界の料理を体系的に理解することができる。

「刺し身はサラダである」のようなラディカルな主張をしたかと思えば、「英語は”炒める”も”揚げる”も”fry”であり実務的に区別されない」のような目からウロコのような意見もあったり、読み物として非常におもしろい。

特に、「ステーキとローストビーフと干し肉の違いは、火の強さによる水分量の違いである」のように、食を徹底的に観察してそれを深いレベルで言語化されている箇所には感銘を受ける。


④ミニマル料理

トレーニーの必須料理、「30分チキン」を始めとするシンプルなレシピのみが掲載された本。

「美味しさ」を究極に突き詰めたとき、本当に必要な食材は何なのか。
このシンプルな問いに徹底的に沿った一冊。

筆者のイナダシュンスケさんははエリックサウスというカレー屋さんのオーナー。
ネット上では自らを「フードサイコパス」と称し、食に関する異常な執着心と探究心で一部に熱狂的なファンがいるとかいないとか。
筆者もそのうちの一人だ。

カレー屋さんのオーナーと聞くと、小難しいスパイスやハーブを使って…というのを想像されるかもしれないが、この本は違う。
塩や醤油、みりん等のシンプルな調味料が主体で、いろいろな味を通ってきたからこそ、本質を突き詰めた「引き算」のレシピが中心だ。

個人的には「しっとりサラダチキンと鶏スープ」「ミニマル麻婆豆腐」がお気に入り。


⑤栄養学の基本がまるごとわかる事典

料理という本質とは外れてしまうが、自炊の最大のメリットは「栄養をコントロールできる」ことだ。
特にトレーニーにとっては食が身体を作るという意見に反論できる人はいないだろう。

そんな栄養のいろはが詰まった一冊がこれ。
高校の家庭科の教科書は全てこれにしてくれというレベル。

便利な世の中なので、今はカロリーSlismを見ながら食材の栄養素を調べているが、それはこの本で基本的なリテラシーを学んだからできることかもしれない。


●まとめ

・自炊はメリットがたくさん
・料理は科学
・人生とは成長である


●おわりに

このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。

過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。

筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。



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