【短歌一首】 逝きし人みな同じことつぶやきぬこの桜たぶん次は見られず
短歌は「レジリエンス」。
どんなに辛いことがあっても、大きな喪失があっても、なんとか自分を修復し、回復させて、そして踏ん張って、また今ここで生きていく力。
子供の頃は大家族で、いつも10人くらいの家族・親族の中で暮らしていましたが、人が亡くなるのをしばしば目の当たりにしてきました。 そして、この10年くらいも、自分の大切な家族、友人が亡くなることが続きました。
桜を見ると、春とこれからへの期待も大きくなりますが、一方、亡くなった人たちとの別れも思い出します。それは、亡くなった人たちの多くが、自分が大病をして治療・療養中のときに、あるいは年を取って施設に入ったりしたときに、春に桜を見ると、みんな同じようなこと言っていたからです。
「ああ、もしかしたら、これが最後の桜になるかもしれない。たぶん来年はもう見られないと思う。」というようなことを言っていました。
子供の頃から、そして大人になってからも、そのときに何と言ってよいかわからずに、「そんなことないよ、また見られるよ。」と(心の中ではそれはかなり難しいと思っていながら)言っていました。 なんて答えていいのか、いまだによく分かっていません。
桜が咲く頃に、いつもそんなことを考えます。
猫間英介
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