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吐き捨てたガム

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適当に現代詩を。吐き捨てられたガムは粘性の強度を上げ、黒ずみながら空間に同一化する。
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【詩】【小説】流れる、あるいは気化するなにか。

【詩】【小説】流れる、あるいは気化するなにか。

君はわざと目線をずらして、
僕の気を誘う。
時間は常に遅延している。
粘り気を帯びた空気が僕の汗ばんだ皮膚を緩慢に滑り、
思わず喉を鳴らした。
カーテンの隙間から零れる街灯の部分的な光が、
部屋の中に滑り込んでは拡散していく。
あらゆる存在が運動をし、
僕と君の時間だけは濃密な密度のもと停滞している。
僕は、それが再び動きだすことを期待してもいいのだろうか。
そして僕は憂鬱になる。
これも僕の思考

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【詩】【小説】白煙

【詩】【小説】白煙

暗闇の中で
僕は追憶をする
生まれ育った町の乾燥した匂いを
こうして五感で感じる
染みついた汚れは
消せない過去として堆積している
あの清らかな空の眺めも
この空と同じか
僕は戸惑う
月光が眩く照らす夜空に向かって煙を吐きかけながら
僕は追憶する

【詩】手触り

【詩】手触り

君の背中に視線を送れば
目が合うんだろうか
あはははは
きっともう・・・
こんな感傷的なセリフが
消費されていくことに意欲的だね

カラスってさ、
意外と人懐っこいもんさ
それよりも見て!陽が沈んでいくよ!

ねえ、アタシじゃダメなの?
いまを見てよ!!過去じゃなくて!!
いまのアタシをみて!!!!

それも遠い景色が瞼の裏に表れてわ
僕の瞳を照射したどんどん
そんなの黄金色だね
お芋、お芋、お芋

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