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※プロフィールに勤務校名を出していますが、
 全ての記事の文責は個人にあります。
 以下、2021年10月の校内向けの通信に書いたものです。
 ここ数年、実践しながらこんなことばかり考えてきたようです。

Q:探究的な学びには何が必要でしょうか?

A:知識注入型の学習と比べて、生徒が「主体的」であることが求められます。また、生徒が探究的な学びに向かうためには、周りの大人や指導する側も「探究する」ことが必要だと思います。

 引き続き今月の重点項目である「探究」について、いったいどうすれば探究的な学びが成り立ちそうかということを考えたいと思います。

 新学習指導要領で「○○探究」が増えていますが、大丈夫?? 探究的な学びは成立するの?

 「探究」は、新学習指導要領のキーワードのひとつです。
 高校でも、いよいよ来年度から「古典探究」や「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」といった名前の科目がはじまります。半年後にはこれらの科目で高校生は探究的な学びをすることになるはずなのです。
 大学入試を考えると、古典や地理歴史はどちらかというと「暗記科目」のようなイメージもありませんでしたか? 地理歴史などで論述することを求められていたのは、東京大学などの一部の大学の入試くらいでした。そのようなことがより多くの高校生に求められるようになるのか? 大学入試とのつながりはどうなのか? そもそも探究的な学びが成立するのか?? 疑問は多いと思います。

探究的な学びは、「楽しく」ワクワクできる面もある一方、「楽」ではない!?

 修学館で数年前から取り組んできた課題研究の状況を見ても、探究的な学びに戸惑いを感じているような生徒も少なくありません。決まった答えを覚えることに向けてドリルを繰り返すような知識注入型の学習にばかり慣れ親しんでいると、探究的な学びに抵抗があるのも無理はないかもしれません。  
 自分でテーマを決め、自分で情報を集め、分析して議論を組み立てるような探究的な学びを進めていくことの負担は小さくありません。ドリルや問題集の「答えを書き写す」、「答えを丸暗記する」といった手抜きの「お勉強」は全く通用しません。
 「楽」という同じ漢字ですが、探究的な学びは「学ぶことの楽しさ(たのしさ)」にはつながるけれども、「楽(らく)」ではないのです。そのような探究的な学びが成り立つには何が必要でしょうか?

探究的な学びに必要なもの---(1)生徒が「主体的」であること

 自分でテーマを決め、自分で情報を集め、分析して議論を組み立てるような探究的な学びに必要なもののひとつが、生徒の「主体性」です。自らが判断して、自ら動き、自らの学びの責任を引き受ける姿勢を育てることが大切だと感じています。
 10月27日に実施される苫野一徳先生をお招きしての教育講演会では、「そもそも主体性とは何なのか?」や「どうすれば主体性を育んでいけるのか?」などを考えたいと思います。

探究的な学びに必要なもの---(2)周りの大人や指導する側も「探究する」こと

 生徒が「主体的」になっていくには、その周りにいる大人や指導する側も「主体的」で探究する姿を示しているかどうかが大きく影響します。そもそも「主体的であれ」というふうに求めるのは、なんだか矛盾したメッセージです。どちらかというと、「主体的」に探究する姿をお手本として示しながら伝わっていくものなのだと思います。
 学校での教師の役割も変わってきます。答えがひとつではない問いにいっしょに向き合ったり、教師自身が指導の在り方自体を問い直したりすることが求められています。
 
 以上、どうすれば探究的な学びが成り立ちそうかということを考えました。上の2つ以外にも何かありそうですか? それはどんなことですか? 生徒のみなさんにも聞いてみたいです。

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