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コーヒー事典vol.8 「スペシャルティコーヒー」

こんにちは。コーヒーをもっと深く知りたいあなたへ、今日はスペシャルティコーヒーについてのお話です。
カフェや販売店で見かけることも多いスペシャルティコーヒー。何がどうスペシャルなのか、ぜひ知っていただければと思います。



コーヒー豆には等級がある

コーヒー豆には生産国で格付けされた等級と、国際的なコーヒー協会によって格付けされた等級があります。
生産国での等級はコーヒー豆を買うときの参考になります。しかし国によって格付けの基準が違うので、A国とB国の最上級コーヒーを比べると品質の差が大きい…なんてことがあります。

そこで指標になるのがコーヒー協会による等級です。
より高品質なコーヒーを楽しむため、1982年に設立されたアメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)が、コーヒー豆を100点満点で採点する格付け方法を提案しました。
香りや酸味の質などの8項目を審査員がカップテスト(すごく精密な味見)をして採点し、合計得点によってランク分けする、というものです。
この考え方はコーヒー輸入国にどんどん広まり、現在ではヨーロッパ支部(SCAE)や日本支部(SCAJ)が設立されています。



コーヒーを4つにランク分け

採点されたコーヒー豆は、得点数によって4つに分けられます。

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(コーヒーピラミッドという図で表されます)

スペシャルティコーヒー
図のいちばん上、100点中80点以上のものがここに分類されます。
80点以上を取るのは本当に大変で、流通量はコーヒー全体のわずか5%。近年話題のゲイシャや、コーヒー専門店で扱われるCOE受賞豆などが挙げられます。
厳しい審査に合格した、特徴的で貴重な高品質コーヒーです。

プレミアムコーヒー
図の上から2番目、100点中76点以上のものが分類されます。
流通量は全体の5~10%。ブルーマウンテン、ハワイコナ、キリマンジャロなどが挙げられます。
栽培地区や品種が明記され、きちんとした場所で精選された品質の良いコーヒーです。

コマーシャルコーヒー(コモディティコーヒー)
図の上から3番目、100点中75点以下のものが分類されます。
流通量は全体の約50%。コロンビアスプレモ、ブラジルサントスなど、スーパーなどでも手に入る一般的なコーヒー豆です。

ローグレードコーヒー
図のいちばん下。採点基準を満たさなかった豆がここに分類されます。
流通量は35~40%。安価なのでインスタントや缶コーヒーに利用されます。



高品質なコーヒーを届けるために

スペシャルティコーヒーの定義を見ると、

・消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒー
・風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと
・カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須

__________ SCAJウェブサイトから引用

とあります。…なんだか小難しく聞こえますね。
意訳すると「コーヒー本来の香り・酸味・甘味を味わうには、栽培からドリップするまでしっかり管理しなくてはいけない」といった感じでしょうか。

ここから生まれた From seed to cup という理念があります。
種から栽培、収穫、輸送、焙煎、ドリップするまで大切に管理することでコーヒーを美味しく楽しめる、というものです。
たくさんの手間やコストがかかってしまいますが、高品質なコーヒーを届けるためには欠かせない、コーヒーに関わる人々が大切にしている考え方です。



まとめ

スペシャルティコーヒーとは、厳しい審査で高得点を取った高品質なコーヒーのこと。ほかの豆とは一味違う、特別なコーヒーです。
そんなコーヒーを美味しい状態で皆さんのもとへ届けるため、コーヒーに関わる人々は栽培からドリップするまでしっかり管理しています。

コーヒーに興味のある方には、ぜひ一度飲んでいただきたい逸品です。




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