インドとパキスタンはなぜ仲が悪い?
インドとパキスタンは仲が悪いといわれています。なぜでしょうか。
それは、1947年にさかのぼります。
当時、約200年続いたイギリス支配からの独立に伴い、インドはヒンドゥー教、パキスタンはイスラム教と宗教的な基準に基づいて2つに分割。このとき、大規模な人口移動も行われました。
その際、中国とも接し、地理的に重要なカシミールという地域について、どちらの国に属するのかが問題になったんです。
カシミールは、分割計画と1947年のインド独立法によって、インドとパキスタン、どちらに帰属するかを自由に決めることができるようになっていました。
その時、住民のほとんどはイスラム教徒だったんですが、王さま自身はヒンドゥー教であることから、インドへの帰属を決めた文書に署名したんです。
その後、両国の対立は激化。1947年、インドとパキスタン両国は戦争に発展しました(第一次印パ戦争)。
1949年になって、国連の調停で「停戦ライン」が引かれ、両国は停戦に合意しましたが、結局、戦争は1965年、1971年にも発生しています(第二次・第三次印パ戦争)。
その後、1972年には、両国政府が交渉を通じてカシミール問題などの解決を目指す「シムラ協定」を締結。この際、「停戦ライン」とは違う「管理ライン」が定められました。
1962年には中国とインドの軍事衝突も起きていたりもして、現在カシミール地域は、インド、パキスタン、中国によって分割統治がされている状況です。
停戦後も、両国は核実験や交戦を繰り返し、緊張がたびたび高まっています。過激派組織によるテロも行われ、犠牲者が数多く発生してきました。
両国の関係改善を目指して、これまでにアメリカが仲介に入るなどの対応をしてきましたが、独立から数十年経つ現在も、カシミール問題は進捗せず未解決のままです。
パキスタン政府は「国連安保理で勧告されているとおり,カシミールの人々に住民投票で帰属先を選択させるべき」と主張。国連の仲介を求めながら同地方のパキスタンへの編入を目指す一方で、インド政府は、住民投票を認めた場合、各地で独立運動が発生することを懸念しているといわれており、住民投票の実施や国連の介入を拒否しています。
両国にとって歩み寄りが難しい問題とは思いますが、両国とも核保有国であり、今後、緊張がより緩和されていくことを願うばかりです。
【今回の話を短くまとめたショート動画】
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