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「バイアスをぶっ壊せ。」


濱口秀司著・「イノベーションの作法」を読んだ。
(昨日投稿したTwitterで出会った本の一つ。)

世界で初めてUSBメモリを作る等、数多くのイノベーションを起こしコンセプトを創ってきた著者が書いたこの本は全ビジネスマン・全アイディアマン必読だ。

やり方系の本は色々あるけど、その中でもブッちぎりの良書。

読んでいて著者の圧倒的な頭の良さに嫉妬した。

ほんと、この本に書いてある内容を丸暗記したい。笑


発想資本主義の現代において

最新の情報を持っているだけでは差別化できる価値は生み出せなく、

その情報を独自の視点で切り取り新たなアイディアを生み続ける発想力と実現力が必要不可欠であると言う。

それがイノベーションを生む「SHIFT」だ。


では、SHIFTとは何か?

イノベーションを生む活動は二種類ある。


一つがJUMP。

これは既存の事業領域から飛び、違うエリアで新規事業を始めること。

JUMPはアイディア・中心人物・資金があればアイディアを中心に組み立てることができる。


そしてもう一つがSHIFT。

これはJUMPとは違い、既存の事業領域や所属メンバーを中心にして

商品やサービスの在り方を規定し直し市場の新しい認知を得ることで事業価値を高める手法。

この本はそのSHIFTを通してイノベーションを起こすやり方が書かれている。



では、どのようにしてSHIFTを起こしイノベーションに繋げるのか?

それはバイアスをぶっ壊すことだ。

ただ、何でもかんでも壊すことではなく「作法」がある。

それが、

・バイアスを構造化(可視化)する。

・バイアスのパターンを壊す。

・強制発想する。

の三つ。


例えば、桃太郎のバイアスを壊し新桃太郎を創るとする。

簡単に言うと桃太郎は仲間を連れて鬼退治をするキャラクターだ。

つまり、バイアスを構造するなら「チームプレー」を重視し「勧善懲悪」を目指すキャラとなる。

だからその逆を行けばいい。

つまり、「単独で活動」し「自分の善悪だけを優先させるダークヒーロー」が新桃太郎となる。


例えを書いたように、構造のないものは破壊できないんだ。

そのため、一つのアイディアに囚われるのではなく

背景にあるバイアスを探し視覚化することが一番重要なことだ。


まとめると、

社会にインパクトを与えるSHIFTを起こすには

人々が持つ既成概念(バイアス)を自分なりに視覚化してそれを破壊する方向を強制的に生み出すんだ。

実際著者も、アイディアを生み出したり組み合わせを考えるのと同じくらい

バイアスの構造を見定めてモデルを創ることに時間を費やしているらしい。


俺は最近、行動経済学の本を何冊か読んでいたんだけど

バイアスに囚われるのは人間としてしょうがないなと思っていた。

ただ、この本を読んでしょうがないで終わらせずに済むなと思えた。

だって、行動経済学の本でバイアスの種類を知り言語化できるようになり

この本でバイアスの壊し方、イノベーションの起こし方を学べたからね。



一番重要なことは背景にあるバイアスを探し視覚化することと書いてあったけど、

それってつまり既存のバイアスを言語化できるか?が超重要なわけ。

だって、バイアスを知らない・言語化できないなら構造化できないし壊せないでしょ。

それはつまり、イノベーションを起こせないということ。


だから、

SHIFTを起こしイノベーションに繋げるには

そもそも言葉や知識を知り言語化できるようなるべきだ。

それが出来るようになったら

SHIFTを起こせる可能性は格段に上がる。


言語化しろ。

そしてバイアスをぶっ壊せ。



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