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お祭り:持続可能性の原点は原始的な感情の解放(CASE: 7/100)

▲「お祭り」とサステナビリティ

長崎出身の私にとっては「おくんち」と呼ばれる地元の大きなお祭りが、年に1度大手を振って夜遊びできる、いい機会でした。今となっては笑い話のような感じですが、18歳くらいまで長崎しか住んだことがなかった私にとっては、「おくんち」は日本最大のお祭りだと信じていました。少なくとも、「日本三大祭り」の一つくらいではあるだろうと。

日本のみならず、世界中で長い期間伝承されている数多くのお祭りは、持続可能性の観点から大変興味深い事例です。その起源は、宗教的なものだけではなく、何気ない遊びや、理由も定かではない慣習など様々です。
現代においては、お祭り目的でその地を訪れたり、派生的な商品や体験が人気となったりなど、経済面においても影響を持つ出来事となっています。

「win-win」や「三方良し」、「費用対効果」などの言葉に代表されるように、私たちは持続可能な仕組みを考える際に損得やメリット・デメリット、合理性で施策を考えがちです。
一方で、お祭りは、そのような合理性が見当たらないながらも古くから伝わり、いまだに活気を持って続いているものが多くみられます。
損得勘定や経済合理性で考えると、継続する意義が感じられないお祭りも多く存在するなか、人々はそのような決断はしません。
それに、損得勘定や経済合理性の眼鏡をつけてお祭りを見始めると、何か興醒めして、その持続可能性に悪影響を及ぼす気すらしてしまいますよね。

社会的に持続可能な活動や取り組みを考える際には、ついつい経済合理性を念頭に考えがちです。しかしながら、お祭りの事例のように、経済合理性を持ち出すことで、その持続可能性のポテンシャルを阻害することもありえます。

お祭りには、「伝統」があり、その伝統を絶やさないために継続するというモーメンタムが生じているという考察も可能です。ただ、お祭りに参画する人のどれくらいがその伝統を重じて、参画しているでしょうか。
私はもっと原始的な部分、カタルシスー日々の暮らしを通じて心の中に溜まっていた澱のような感情が解放され、気持ちが浄化されるような体験、そうした部分に持続可能性の本質があるように感じています。
活動の持続可能性を実現するために、多くの関係者の経済合理性ではなく、個人の原始的な部分に着目することが有効な場合もありそうです。

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて

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