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スキー実習で遅刻した話

僕は市立船橋高校の体育科出身なのですが、
市船の体育科は規律がとても厳しくて、
普段から5分前行動とかが当たり前でした。

そんな体育科では冬にスキー実習なるものがあります。

普段から規律が厳しいのですが、
実習ではそれがさらに厳しくなります。

靴が揃っていなかったり、集合に少しでも遅れたり、返事が小さかったりしたらそれはもうとてつもなく怒られます。

そんな地獄のようなスキー実習の初日に僕はなんと時間を間違え、1時間の遅刻をしてしまいました。

これはもうありえないことです。笑
ちなみに2年生のときの話なので、
去年その厳しさを経験しているがゆえに
遅刻を自覚した瞬間、死を覚悟しました。

とりあえず着いてからは平謝りで、
目的地までの道中約5時間のバスの中では
一番怖い先生の後ろの席に座ることになり、
一切言葉を発することはなかったです。
前から思いっきし席を倒されて
物理的にも精神的にも圧迫死するかと思いました。

現地についたその夜のミーティングでは、
全員の前に出て手挙げ正座で怒られました。笑

またこの実習では基本的に連帯責任なので、
罰として僕だけではなく、実習生全員で雪の上の坂道ダッシュ(通称:ゲレンデダッシュ)を何往復もさせてしまうことになり、本当に申し訳ない気持ちでした。

更にこれも申し訳ない話なのですが、
その時ぼくはヘルニアを抱えていて
腰痛のためゲレンデダッシュには参加せず
雪の上で腹筋を数百回で対応させてもらいました。
今でも背中の冷たさを覚えています。笑
同級生には心の底から謝りたいです。

そんなこんなで地獄のような実習が終わり、
帰ってくると次に体操部の監督との話し合いが待ち受けていました。

というのもこの実習には監督は帯同しておらず、実習初日に遅刻してから初めての対面となったからです。

バスが高校に着いて早々、体育館で待つ監督の前に体操部全員で集まりました。

遅刻したぼくへの監督の第一声は

「お前はこれからどう生きていくんだ?」

でした。

もちろん死ぬほど反省してましたが、
「一回の遅刻で生き方まで変えなければいけないのか。」(泣)
という気持ちにも正直なところなりました。

そのあとしっかりお叱りを受け、
かなり落ち込みながら駅までの夜道を
とぼとぼと一人で歩いていると
後ろから誰かが走ってくる音がしました。
振り向くと体操部の同期がいます。
すると一言、

「カイト!監督が戻ってこいって!」

絶望しました。戻りたくなかったです。
俺はまだ怒られるのかと。
メンタルはかつお節くらい擦り切れていました。笑

ですが行かないわけにはいかないので
覚悟を決めて走って監督のもとまで行くと

「カイト、遅刻なんて誰にでもある。正直こんなこと、そんなに怒られることでもないんだ。でも今の体操部が、ましてやキャプテンがしたらダメなんだよ。体操部は去年国体で優勝して、学内では今、よくも悪くも注目されている。そんな時だからこそ今まで以上にちゃんとしなきゃいけないんだ。お前がそんなやつじゃないことはわかってる。でも他の人から見たら結果が出て調子に乗っていると思われてしまうんだ。他の生徒たちの模範となるように、先生方はもちろん事務員さん、用務員さんへのあいさつや感謝の気持ちを忘れてはならない。これはいい機会だから気をつけなさい。」

と先ほどみんなで整列していた時の
鬼のような口調とは全く正反対に
優しく言われました。
監督の懐の深さに途中から
涙が止まらなかったです。

本当にこの人のために頑張ろうと思えましたし、今後この監督の顔に泥を塗るような行動は絶対しないようにしようと思いました。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

という言葉があるように、
結果が出ているときや注目されている時こそ
謙虚に生きなければいけないということを
身を持って知ることができました。

申し訳なさで死のうかと思うほど
メンタル的にキツかったですが
今ではいい思い出です。笑


➖➖➖➖➖➖ P.S   ➖➖➖➖➖


ちなみにそのあと帰り道の途中で
実習の大きな荷物を抱えながら、
反省を態度で表すため、
1000円カットに行きました。

「6mmの坊主でお願いします。」

とローテンションで言ったら
店員さんは驚いたように

「何かあったんですか!?」

と言い、事の顛末を話すと
「大変でしたねぇ」と笑いながらバリカンで
気持ちよく頭を刈ってくれました。笑

読んでいただきありがとうございます!