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【里山資本主義】 書評#96

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、ポスト資本主義です!
日本の未来は、決して暗くない!!

ヘッダーは、まつばらあやさんの作品を使わせていただきました!

山間の牧歌的風景と子ども(であろう方)。
とても素敵な作品なので、使わせていただきました。
ありがとうございます!!


目次


基本情報

藻谷浩介(著)
KADOKAWA 出版
2013年7月10日 第1刷発行

全308ページ
読書所要期間7日

購入先

本書ももちろんバリューブックスさんです!!
社会への貢献具合が半端ない!!
いつもありがとうございます!!

私が本書に出会うきっかけ

本書との出会いは、間違いなくコテンラジオだ!

「資本主義」のシリーズで、ポスト資本主義について書かれたいくつかの中に紹介されていたと記憶している。
本書とともに紹介され、すでに読み、この取り組みで紹介したのは山口周さんの「ビジネスの未来〜」と、柳澤大輔さんの「鎌倉資本主義」だ。

このほかにも、まだ読んでいないがコテンラジオで紹介されていたものとして「「公益」資本主義」がある。

私は田舎に住んでいる。
だから、クリエイター名も「いなかのまどから」。
私が考えるべき身近なポスト資本主義、もっと私に引き寄せていうならば地方創生が、もしかするとこの本にヒントがあるのではないかと感じ、手に取った。

この本の本質

「豊かさ」とはなんだろうか?

その意味を小学生に問えば、「お金がたくさんあること」と答えるかもしれない。
少なくとも、私にとって最も身近な小学生である娘は、そのように答えたw

当然にそれは、完全なる不正解とは言い切れない。
お金は大事である。
しかし、果たして”それだけ”で良いのだろうか?

著者の言葉を借りるならば、「ブータンみたいな幸せ」を取り戻せ!ということを主張している訳ではない。
今の生活の全部をいきなり今すぐ手放せ!ということでない。
それは、あまりにも無理があるだろう。
しかし、どこかにそうした要素が組み込めないだろうか?
一部分だけでも資本主義のシステムから離脱できるところはないだろうか?

この考察が、本書の肝であると私は捉えている。

そして、私自身、ここに地方創生のヒントがあると確信しているし、こうして書いている間にも一つ良案がひらめいた!

私が感じたこと

1点目 〜田舎のコンプレックス

息子や娘たちに、努力に努力を重ねてふるさとを捨てさせるのは、もうやめにしたい。田舎に残った自分はだめだから、自分のようにならないで欲しいという自己否定は終わりにしたい。そうではない時代が、幕を開けつつあるのだから

本書P63

これは、私の心に突き刺さる名言だと感じた!
庄原市で暮らす和田芳治さんという方の言葉らしい。

私の住むマチには、高校が一つしかない。
大学もない。
大きな企業もあるにはあるが、少ない。

そうなると圧倒的に多くの若者が、進学や就職を機にマチを出てゆく。
私の場合、中学校に60名ほどいた同級生の実に4/5以上が出ていった。
そんなペースでは、人口が減りゆくのは間違いない。

私たち田舎に住む親は、その意味でお金を稼ぎ、子育てに励むのは、せっせと都会へ自分の子を送り出す(供給する)ための努力を事実上していることになる。
これは、改めて文字で見ると、なんだかショックである。

私自身は、ダメだから田舎に残ったのか?

確かに、その要素があるのは事実だ。
私の親も、都会の大学へ行くことを推奨していた。
しかし、行かなかった。
地元に残って就職した。

私のnote上のクリエイター名も「いなかのまどから」。
田舎で生きるコンプレックスがないかと言えば、必ずしもそうではない。
しかしそれは、自己否定的な生活をおくるということなのだろうか?
田舎とは、それほどまでに「豊か」ではないのだろうか?
それは、絶対的に否定したい。

私は、自己を肯定するために田舎に住んだのだ。
そして、田舎を豊かにするために、日々を試行錯誤している(と思いたい)。
きっと私の娘達も、それは感じてくれているはずだ。

私は、地元が大好きだ。
そして、その地元は、これからもっと盛り上がる、豊かになるはずだ。

和田さんの言葉から、とてつもなく大きな勇気というエネルギーをいただいた!

2点目 〜里山資本主義✖️コミュニティ・ナース

度々ご紹介しているコテンラジオ。
余談であるが、私も今年からコテンクルーになった。
今年の目標の一つとしており、元日の朝に早速申し込みを行い、目標を早くも達成したw

そのコテンラジオの中に、番外編として「コミュニティ・ナース」編がある。いわゆる番外編である。

そこでは、出雲発の人と人を繋ぐ、人とシステムを繋ぐという、今までにありそうでなかった、公助だけでは決して辿り着けないきめ細やかな、人の心に寄り添う共助の形があった。
「人と何かをつなぐもの」
本書を読んで、これらの親和性が非常に高いものと感じた。

里山資本主義とはつまり、私の理解するところでは、資本主義のサブシステムとしての里山資本主義、つまり、従来の資本主義に依存しない仕組みを一部でも取り入れていくことが重要であるという「本質」に書いた部分を踏まえ、しかもそこに「ホスピタリティ」を入れていくことが重要ではないかと考えている。
つまりこの「ホスピタティ」要素が、まさにコミュニティ・ナースが様々な地域で担おうとしている部分なのではないかと感じた。

里山資本主義では、人と山、人と川、人と海などの「人と自然」をつなぐ仕組みということができるとき、むしろ里山資本主義を実際に展開する人々もまた、コミュニティ・ナース的な動きをしているのではないだろうかと感じた。
この人々が「ナース」要素を持った時、その地域の人々の心身の健康は、ますます高まることだろう。

むすびに

note上の自己紹介?プロフィール?に書いている通り、地域コミュニティに興味を寄せる私にとって、そして田舎を甦らせたい、つまり、地方創生を願う者にとって、これほど考えさせられるものはなかった。

本書で描かれる地域と、私の住む地域の特徴や産業構造などは異なるが、だからと言って参考にならないかと言えば全くそうではない。
ヒントだらけである。

あとは、それを実現するためのエネルギー発生源をどのように設け、発生したエネルギーをどのように燃やし続け、これを広げていくかを考えていければと思う。


以上です。

地方創生として、ポスト資本主義として、さらにはポスト現代社会とでもいうべき、ありそうでなかった新しい日本の姿が朧げながらでも見えた気がしました。

先述の山口周さんのポスト資本主義と本作のポスト資本主義。
これらに共通するのは、「人の温かさ」「人らしさ」ではないでしょうか。

資本主義の持つ冷たいイメージを、本来人が作ったものなのですから、我々人自身で温めて、豊かでクリーンな社会・世界を実現したいものです。

本日も、ご覧いただきありがとうございました!!

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