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「高タンパク質食」は減量に効果的か?


食事内容の調整はダイエットに重要なポイントです。

しかし、摂取カロリーの過度な制限は健康を損なう恐れがあり、運動による筋肉増量の効率を上げるためにも必要な栄養素を確保できるよう食事を工夫することが大事です。

また、無理に食欲を抑え続けると、過剰なストレスの反動でリバウンドしてしまう人も多く、必要栄養素を摂りながらストレスなく減量できる様々なダイエット方法への関心が高まっています。

「高タンパク質ダイエット」もその中の一つです。

名前からもすぐわかるように、食事で摂取する栄養素の中で、タンパク質の割合を大きくすることがポイント で、満足感の高い食事をしながら減量できると言われています。

では、本当に高タンパク質の食事は減量に効果的なのでしょうか。

今回は高タンパク質ダイエットについてご紹介します。

高タンパク質ダイエットの方法とメリット

年齢や性別によって多少差はありますが、一般的に1日に必要なタンパク質量は摂取エネルギー量の13~20%とされています。

しかし、高タンパク質ダイエットでは1日摂取エネルギー量の40%をタンパク質で摂るようにし、残りの60%は40%を炭水化物20%を脂質で摂取するようにします。

例えば1日摂取カロリーが2,000kcalの場合はタンパク質で800kcal(2000kcalの40%)を摂るように構成します。

タンパク質は4kcal/gとされているため、1日のタンパク質摂取量として換算すると800kcalは200gとなり、これを3食に分けると1食あたり約67gのタンパク質を摂取することになります。

勿論、食事では他の栄養素も考慮して摂る必要があるため、1日3回の食事だけでこの量のタンパク質を摂取することは簡単ではありません。

そのため、不足分は間食やプロテインで補うようにします。

では、なぜ高タンパク質ダイエットに関心が高まっているのでしょうか。

このダイエットには次のようなメリットがあります。

① 筋肉量・基礎代謝量の減少を防止できる

高タンパク質ダイエットは、食事調整によるタンパク質不足で起こりうる様々な問題が予防できます。

例えば、食事制限を伴うダイエットで起こりやすい「筋肉量の減少」を防止できるため、基礎代謝量の低下も防げます。

② 食欲を抑えられる

食後、胃での消化が終了するとコレシストキニンというホルモンが分泌されます。

このホルモンは脳の満腹中枢に作用して満腹感を感じさせることで食欲を抑える働きがあるため、食事摂取量を抑えるダイエットに比べて、暴飲暴食を防ぐ効果も得られます。

③ 中性脂肪の分解を促進して体脂肪減少に役立つ

コレシストキニンは体内の中性脂肪の分解に関わる酵素である膵リパーゼを活性化する働きをします。

膵リパーゼは中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、分解されたグリセロールは肝臓に運ばれます。

肝臓に届いたグリセロールは肝臓の代謝活動でエネルギーとして使われるか、ブドウ糖に変わり運動や身体活動のエネルギー源として活用されることで、運動による体脂肪減少効果の促進に繋がります。

④ アミノ酸を摂取できる

タンパク質は、体に必要なアミノ酸の供給という重要な役割も担っています。

タンパク質が分解されると体タンパク質を構成するアミノ酸となります。

アミノ酸の中には体内で合成できず、食事からの摂取が必要な「必須アミノ酸」と呼ばれるものもあります。

タンパク質中心の食事をすることで、必須アミノ酸を含めた様々なアミノ酸が摂取できます。

高タンパク質ダイエットの注意点

このようにタンパク質を十分摂取するダイエット方法は健康を大きく損なわず、満腹感を感じやすくなるためカロリー及び糖質摂取量を抑えて減量できる方法です。

しかし、どれほどメリットが大きい方法であっても、正しく行うことが大切です。

高タンパク質ダイエットにもいくつか注意すべき点があります。

① 摂り過ぎに注意する

タンパク質は糖質や脂質に比べて体脂肪になりにくい特徴がありますが、だからと言って過剰摂取は好ましくありません。

100%タンパク質という食品は存在せず、タンパク質を多く摂ろうとすると他の栄養素も知らず知らずのうちに過剰に摂取してしまう恐れがあります。

タンパク質源となる肉や魚介類は、糖質や脂質も多く含まれており、注意が必要です。

また、タンパク質の過剰摂取は肝臓・腎臓に負担をかけたり、腸内環境が乱れる原因にもなったりするため、適正量以上を摂取しないよう注意しましょう。

② 加工食品や味付けされた肉・魚は控える

加工食品や味付けされている肉・魚の場合、塩分や糖質、脂質の過剰摂取に繋がり易くなります。

塩分の摂り過ぎは浮腫みの原因になりやすく、血圧を高める恐れもあるため、肉や魚介類でタンパク質を摂るときは、加工食品及び調理済みのものはなるべく避けるようにしましょう。

③ 動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂取する

タンパク質と言えば鶏肉や豚肉、魚などの動物性タンパク質を思い浮かべる方が多いですが、豆腐やブロッコリー、おからのような植物性タンパク質も取り入れることで効果を高めることが期待できます。

植物性タンパク質の良い点としては動物性に比べカロリーが低く、脂質があまり含まれていないことが挙げられます。

また、大豆製品(豆腐や納豆など)はミネラルも豊富に含まれ、栄養バランス的にも申し分ない食品と言えるでしょう。

健康なダイエットのために

高タンパク質ダイエットは筋肉量の減少を防止することはできますが、もちろんこれだけで減量に繋がるわけではありません。

週3~4回の運動と高タンパク質ダイエットを組み合わせることで筋肉量を維持しつつ健康的に減量することができるでしょう。

運動前後にプロテインやサラダチキンなどでタンパク質を摂取すると筋肉の分解を防止できたり、筋肉の成長に役立ったりします。

運動と食事で効果的かつ健康的にダイエットを成功させることができるでしょう。


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