見出し画像

デンマークの特別支援学校で大切にしていること

こんにちは。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。毎年開催している学習・発達支援員のフォローアップ研修会、今年はデンマークにお住いのピーダーセン海老原さやかさんに講師をお願いしました。学習・発達支援員というのは教室の末端で発達障害のある子どもと周りの子ども達をつなぐ専門性のある支援員のことです。教室に専門性のある支援員がいることで、その子の困り感に対応することもできますし、周りの子ども達もその子にどのように関わると、その子がハッピーになるかを理解できます。そして、学習・発達支援員はその子だけをサポートするのではなく教室にいる全ての子ども達をサポートするという意識でいますから、傷つく子どもがいません。支援員が一人の子どもだけをサポートすると、その子は傷つきます。こういったことも配慮できるよう、私たちは学習・発達支援員養成講座をすすめています。

それでは、参加者の感想を紹介します。

  • デンマークの特別支援について日本の現状と比べながらお話を聞くことができました。これまでの講座も含め、実に様々な視点からインクルーシブ教育について学ぶことができ、大変ありがたく思っています。海外の教育について自分で詳しく知ることができないので、具体的に紹介していただけて大変勉強になりました。ありがとうございました。【教員】

  • デンマークの特別支援教育について詳しく知ることができました。また、デンマークの社会の姿勢を知ることができました。ありがとうございました。研修に参加し、本当によかったです。デンマークの特別支援教育だけでなく、デンマークに暮らす人々の根底にある想い、考え方を知り、驚くことが多かったです。国の多くの人がインクルーシブな考え方をしているからこそ、教育の現場にもその影響が届いていると感じました。それに比べて、日本は…広島はどうなのか。改めて深く考えさせられました。嘆いているだけではなく、未来志向で、今自分にできることは何なのか、その点もまた考えていかないといけないと思いました。職場よりも、まずは自分の家庭から、今日知ったことを実践していきたいと思います。【ふれあい推進員・保護者・広島市学習サポーター】

  • デンマークでの教育のシステムが、とても良いと思いました。障害を持っている子どもを抱えて随分困っていらしゃる方にとって、子どもが18歳になったら国がサポートしてくれるのは、保護者にとって救われると思いました。学校にも異職種の連携がある事も、教育面で心強いと思います。当人たちの為に更に良いことだと思いました。【特別支援教育アシスタント・ ふれあい推進員】

  • 今の日本の支援は、形だけで中身が伴っていません。実際の支援現場は、個々に合った対応が出来ていません。『子どもを要求に近づけるのでなく、子どもの要求に近づける』本来、支援はそうあるべきだと思いました。今日のお話で、私の支援者としての関わり方は、間違っていなかったのだと知ることができ、自信を持つことが出来ました。これからも、子どもたちに寄り添った支援をしていきます。【保育士・ 保護者】

  • 他国の教育ビジョンを知ることができたことで、当たり前と思っていた日本の教育について考えることができました。デンマークでは、18歳での自立を見据えて子供を育てていることにまずは驚きました。しかも、障害の有無にかかわらずにです。すごいです。社会で生きていく力を身につけていくことはどういったことなのか。他国の教育について知ることは私にとってとても刺激的でした。【地方公務員】

  • デンマークの思想、考え方がいいなと思いました。18歳からは社会が人を育てる面倒をみる、それまでは家庭で育てるという考えにとても驚きました。自立するとは、の概念が違います。また、「だれも完璧ではない。みんなミスをする。」ことが共通認識で、「未来志向で問題解決をする」もしそれがだめだったら、もとに戻すことができる、というお話を聞いて、私たちの社会もそういう考えのもと、行動ができればいいなと思いました。この考えを、子供たちに伝えたいと思いました。日本社会もデンマークのような概念になるといいなと思いました。私は小学生とかかわりがあるので、個々のニーズをいろんな角度から見極められるようになって、私の生徒がスキルを身に着けられるようにサポートできたらと思いました。【塾講師】

  • デンマークと日本の違いから、日本のインクルーシブが進まない理由がさらに明確になりました。特に1970年代からフラットな人間関係という考えであるということも衝撃的で、日本はすでに50年以上の遅れをとっていると。しかし、過去を嘆いても意味はない、その中でもできることはあるのです。それを一つでも実践に移していくことが大切だと痛感しました。今回のように、聴くだけでなく、みなさんとの対話が様々な考えを知る良い機会になっていると感じました。【整理収納コンサルタント】

  • 今の活動でお伝えできるヒントがたくさんありました。いろんな方に大切な講座だと思いました。【リンパケアインストラクター・コーチング】

  • とても興味深く、また楽しく受講出来ました。デンマークの教育を知ることが出来、今の日本の公立学校を改めて考えました。日本の教育の良さもあります。しかし、今世の中が、世界が、時代が大きく動き始めています。社会的インクルーシブが進んでいき、学校現場にも広がっていくことを願い、その一担い手となれるよう、自分を磨いていきたいです。【特別支援教育アシスタント】

  • デンマークの学校教育では、子どもを一人の対等な人間として、その子の今ここを見つめつつ、将来の自立を見据えた教育を行っているという面で、日本の教育に必要なことが見えてきました。特に特別支援教育では、教員だけでなく、作業療法士、言語療法士、心理士などの専門家、支援員、保護者が連携してチームとなって関わっているといくことは大切なことだと思いました。講師の先生のお話だけでなく、ブレイクアウトなどでいろいろな立場で子どもたちに関わられている方の現場のお話を聞くことができてありがたいと思いました。【塾講師】

  • デンマークの文化的な背景をとても羨ましく思いました。目指すはインクルーシブな社会だ!広島でもぜひ近い将来そうなってほしいです。【当事者】

  • さやかさんのお話で、人(こども)は宝であると考える国、デンマークの学校、その人なりの発達をチームで立体的に見ていく教育と、社会においても自立できる為のサポート体制は、すばらしいと思いました。反対に日本の現状が悲しくなりました。スモールステップでも社会のほうが変わるようになればいいなと思いました。【保護者・ 会社員会社員】

  • 中谷先生がよく海外と日本のインクルーシブへの考え方や取り組みの違いをお話してくださいますが、実際にデンマークからの生の声をお聞きできる貴重な機会をいただけて、ブレイクアウトで皆さんと対話をすることで自分が日本の立場でデンマークとの違いを考え、その考えを次(改善等)に繋げる機会になったことが良かったと思いました。【保護者】

  • 日本国内とは違う特別支援学校の事例について、日本語で聞くことができてよかったです。【教員】

  • 低いアラウザルのお話は、日頃の仕事に活かせたら、もっと子供達や指導する教員の関係が上手くいきそうだと感じました。要求を子供に近づけること大事だと思います。他国のインクルーシブ教育についてのお話を詳しく機会が無かったので、とても貴重な時間でした。ありがとうございました。お話を参考に日々の仕事のモチベーションをあげて行いたいと感じました。【特別支援教育アシスタント】

  • デンマークでの特別支援教育を知ることで、地域ぐるみで学校を支援するヒントをいただけました。そして、それを前進させていく当事者なんだと、改めて自覚できました。【学校運営協議会委員、社会教育士】

  • 国や自治体の関わりの違い、教員の意識・知識、日本と大きく違っているように思いました。【放課後児童支援員】

  • 18才になったら社会がみる、このことが特に印象的でした。障害があってもなくても“自立という”目標が明確で、教育においても、子育てにおいても、フラットな感覚をおぼえます。声をあげる、小さなところから自分自身も少しずつ、そして、我が子に対してもそれを伝えていきたいと改めて思いました。【保育士】

  • デンマークの特別支援教育について知ることができました。【行政職員】

  • デンマークでは18歳になったら社会が子どもを見るということが驚きで、日本のように一生親が子どものことを心配しなければならないのはどうなのかと感じました。【教員】

  • 「要求に子供を近づけるのでなく、子供に要求を近づける」という考え方に気付きがありました。これまで、何とかこちらの求める理想に子供を近づけることばかり考え、子供の反発や拒否に対して考えを深めることをあまりしてこなかったので、今後はそこに近づいていく工夫をしていこうと思いました。【言語聴覚士】

  • 子育て先進国の話が聞けて良かったです。【施設職員】

  • 日本とデンマークの社会の違いについて興味がわきました。個人の思いなど一人一人がもっと声をあげることが第一歩だと思いました。【保護者】

  • 子供を要求に合わせるのではなく、要求を子供に合わせ、子どもは国の宝だ、社会で子どもを育てるという、デンマークの考え方が素晴らしく、同じ民主主義の国なのに、言いたいことを言えてない、主張できてない、民主主義の意味を勉強し直さなければとも考えさせられました。【保護者】

ーーーーー
NPO法人日本インクルーシブ教育研究所では、インクルーシブ教育について学ぶ『多様な発想支援士養成講座』を主催しています。インクルージョンやダイバーシティを学ぶ多様な発想支援士養成講座は、一緒に生きることについて考えながら、人々がゆるやかに繋がっていき、社会全体で子ども達を支えていけるよう、インクルーシブ教育について学びます。すべての子どもと大人が幸せに暮らしていけるヒントをつめこんだ動画視聴講座です。毎月25日までにお申し込みいただき、翌月1日から3ヶ月間ご視聴いただけます。詳細はホームぺージからご覧ください。多様な発想支援士養成講座

また、2024年6月18日から始まるソーシャルライティング講座では「コミュニケーションがうまく取れない」「人との関わりが苦手」「こだわりがある」「パニックになりやすい」など特性のある自閉スペクトラム症の子どもたちにスムーズに伝えることができるように、原田さんと私(中谷)が特性理解やサポート方法、伝え方のポイントを解説しながら、グループワークを通して学んでいきます。オンラインライブで学ぶ自閉スペクトラム症の子ども達への伝え方を学びます。定員10名のためお早めにお申込みいただいた方が良さそうです。ソーシャルライティング講座2024

不定期ですがメルマガを発行しています。日本インクルーシブ教育研究所の事業や講座情報等について書いています。メルマガご希望の方はこちらからお申込頂けます。購読は無料です。NPO日本インクルーシブ教育研究所メルマガ登録フォーム

facebook でもインクルーシブに関する情報を発信しています。いいね!をいただけると励みになります。

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?