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「読めない作品など存在しない」ーこの同人の宣言としてー
読めない作品など存在はしない。人々はなにも考えずに「難解」であると語っている。そして、多くの「フィクション」が読まれない形でこの世界から消えていく。この現実を還元するならば、人類と呼ばれる種族に該当する動物たちはフィクションに嫌悪感を覚えているという判断を下さざるをえないだろう。果たして消えているのだろうか。
否、消えてはいない。ただ消えたのは、人類という曖昧なリアリティだけだ。
「虚構」すなわ
仁義なきポストモダン
執筆 茂野介里
本論考は、ニューアカデミズムの代表的な人物と言われている浅田彰と中沢新一を中心とし、上野千鶴子、田中康夫、糸井重里と言った、当時活躍した、著述家から見た80年代に関する論考である。
まず始めにセゾン文化の論説から始めたいと思う。
それは矛盾を孕んだ文化戦略ではあった。大衆消費社会を批判する前衛文化を、大衆消費社会の担い手である流通産業が積極的にフィーチャーしてみせる。
J・J・エイブラムスの速度に賭けろ!
執筆者:ジョン・グッドさん
とにかく楽しい映画が見たい――そんなあなたは今すぐJ・J・エイブラムスの映画を見るべきだ。この文章を読み終わったら今すぐゲオとかツタヤに走ろう。大学なんか行ってる場合じゃない。会社には火を放とう。上司を燃やそう。今すぐ家に引きこもろう。天国はそこにあります。J・J・エイブラムスとは何者なのか。製作・脚本・テレビドラマと、とにかくなんでもやる人だけど、監督映画は
『シン・ゴジラ』の「遅延」
執筆 茂野介里
『シン・ゴジラ』は「怪獣映画」ではないです。怪獣を前提とする世界を描く物語という点で、今作は、怪獣を前提としていない世界に怪獣が出てくる物語なのです。このプロット自体は本多監督の『サンダ対ガイラ』という東宝の映画からの引用で、シン・ゴジラは劇中で呼称が決まり、それをメディアが流すまでの時系列を書いているわけです。この点で怪獣映画とは言えません。いうまでも無く本多監督は、ゴジラの生
【音楽評】『ディシプリン』キング・クリムゾン(後編)
執筆者:航路 通
こんばんは、航路通(@satodex)です。引き続きキング・クリムゾンの批評をやっていきます。
さて、前回、プログレッシブ・ロック成立の過程をお話しました。
思い出してもらうために一曲どうぞ。11分あります。しかしこれも鍛錬(ディシプリン)です。
King Crimson - Starless
メロトロンの物悲しいフレーズの上に、この世の終わりのようなバイオリンのフレー
【音楽評】『ディシプリン』キング・クリムゾン(前編)
執筆者:航路 通
こんばんは、航路通(@satodex)です。ここではこの名前でやってきます。
今回は初めての音楽批評ということで、僕の敬愛するバンド、キング・クリムゾンについて書きますね。
さて名前だけなら、ジョジョのおかげでやたらと有名なクリムゾンですが、いわゆるプログレッシヴ・ロックのバンドとして知られています。
音楽と言うのは非常にジャンル分けに対する依存度が高いというか、棲み分け
【映画評】ガルシアの首
執筆者 茂野介里
ドン・シーゲルの一番弟子にしてアメリカンニューシネマを代表する監督と言われているサム・ペキンパー。今回取り上げるのは、彼の作品であり、特に北野武監督に影響を与えた『ガルシアの首』であります。本作は、中年男が主人公。親友であるガルシアの首に賞金がかけられる。その首を探しに、愛人と、もう死んでいるガルシアの墓を掘りにいくというお話。
本作の特徴的な点はスローモーションとクロスカッ