読書note|『理論劇画 マルクス資本論』


  • 門井文雄「理論劇画 マルクス資本論」

  • かもがわ出版2009年4月20日発行(原作は1982年大陸書房)

  • 192ページ


 マルクスの資本論には挑戦したいと思いながらできていなかった。この本は漫画であるが入門書として、資本論のガイドとしてとても良いと思う。まだ資本論を読破していないので実際のところは判断できないのであるが、この本が要約をうたっておらずあくまで資本論という高い山を登るための導入に過ぎないという立場なので読みやすかった。かつ著者のマルクスに対する尊敬と愛情を感じるために面白く読めた。

 資本主義について、それが生み出した価値観について自分は考えたいと思った。単なる時の政権批判ではほとんど何も変わらない。その奥には経済界の存在、その奥には資本主義の原理、さらには人間や生命そのものにはたらいている力のようなものがある。私は自らの技術のみで稼ぐ家のもとにうまれ、そしてロックを聴いて育ったから資本主義や必要以上に私腹を肥やす人々に嫌悪感を抱くのかもしれない。しかし文句はたれても、実際にその立場になれば聖人君子のごとく自ら貧しい生活をしてでも大衆に還元しよう、と行動できる人間はほとんどいないだろう。私もそれについて自信がない。

 しかしマルクス、そしてエンゲルスらは自らの人生、一生を賭してこの違和感について行動し、貴重な書を残した。血だらけになって書き残されたこの本を読まなければいけない、そして自分なりの行動をしたいと思った。 

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