insomnia/ファッション雑誌の端っこ

このブログにたどり着いたあなたは“おしゃれがもっと楽しくなる”。ファッション雑誌の“端…

insomnia/ファッション雑誌の端っこ

このブログにたどり着いたあなたは“おしゃれがもっと楽しくなる”。ファッション雑誌の“端っこ”に載っている、あるいは載っていそうなファッションの興味深い話題を発信。ファッション業界の“端っこ”にいるわたしと雑誌の端っこを堪能しましょう!

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ファッション雑誌は“端っこ”にこそ面白い情報がある。

ファッション雑誌を開いて、こう思ったことはないだろうか。 『一体どこを見ればいいの?』 ファッション雑誌を開いて最初に目に飛び込んでくる巻頭には、今をときめくトップアイドルがドンッ! ページをめくると、 端正な顔立ちの高身長モデルが全身ハイブランドでトータル〇〇○万円ほどのコーディネイトを披露している。 高級腕時計の宣伝ページを何ページかめくると、 自分が住んでいる同じ地球上とは思えないようなロケーションで撮影された海外のイケおじのスナップ。片手にはサーフボード。 しまいに

    • ファッショントレンドの正体は“人間の曖昧さ”

      ファッションは「去年まで美しいとされていたものが、今年も同じように美しいとされるとは限らない」という体系をとる文化。 つまり、極めて短期的に変化を遂げる流行のサイクルが存在しているということ。ファッションは「流転の文化」なのだ。 だからこそ、「流行とは何か」という抽象的な問いの答えを探ることがファッションを追求することの一側面であるといえる。 昨今はSNSの普及により、これまで以上に流行が波及するスピードが速くなっている。 ファッションを諦める人の多くは、その流行を追うこ

      • ジャケットの袖についてるボタン、意味なくない?

        仕事や冠婚葬祭の際に着用する“ジャケット(スーツ)”。 日常的に着用される方と、シーンを選んで着用される方がいるかと思いますが、ふとこう思ったことはないでしょうか。 “ジャケットの袖の部分のボタンいらなくない?” 特別にこだわりを持って作られたジャケットや高級な仕様のジャケットには本切羽(本開き)で実際にボタンとして機能するものがあるのも事実です。 しかし、一般に多く流通するジャケットの袖口のボタンといえば「ただついているだけ」の謂わば“デザイン”の一つになっています。

        • 【有料級】誰も知らない“ハイブランド”の新作を安く買う方法

          『ハイブランドの服を安く買う方法』は様々なYouTuberやインフルエンサーによって語られている。 私はこの記事を執筆するにあたり、責任を持ってそのうちのいくつかの情報を確認した。 たくさん流布されているそれらの情報の語り口は大体共通している。 【本当は教えたくない!】【知らないと損!】【誰でも買える!】 そして、今あなたが読んでいるこの記事も 『本当は教えたくない!知らないと損な誰でもハイブランドを安く買える方法!』である。例に漏れることなく。 しかし、ここで読むこ

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        ファッション雑誌は“端っこ”にこそ面白い情報がある。

          結局、スウェットがグレーのイメージなのはなぜ?

          この記事にアクセスしたということは、「スウェット(ないしはパーカー)の色といったらグレー!」というイメージをお持ちなのではないだろうか。 そのイメージを裏付けるかの如く「🔍 スウェット」で画像検索をかけると、6-7割程度のスウェットがグレーの色調で作られていることがわかる。 画面上がほとんどグレー色に染まるのだ。 しまいには「グレーのスウェットは部屋着に見えるからおしゃれ服には向かない!」とまで言われてしまう始末。 では、一体なぜ「スウェット=グレー」というイメージが社

          結局、スウェットがグレーのイメージなのはなぜ?

          デートで「どっちの服が似合うと思う?」と聞かれた時の正解。

          女性と買い物デートに行った際の定番のやりとり。 「ねぇねぇ、こっちの服とこっちの服、どっちが似合うと思う?!」 これを読むあなたも、何らかの形でこの超難問に触れたことがあるはず。 あるいは、あなたがこの質問を投げかけた側かもしれません。 今回の記事では、“服好き”が考える「どっちの服が似合うと思う?」に対する正しい回答をご紹介します。 その前段階として、2023年 年間ベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』の中で紹介された模範回答を服好きの観点から解説します

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          無印良品とマルジェラの哲学は似ている

          MUJIという愛称で世界中から支持される日本のグローバルブランド「無印良品」。 ベルギー出身のデザイナー マルタン・マルジェラが設立し、日本でも熱狂的なファンを持つブランド「Maison Margiela(メゾンマルジェラ)」。 両ブランドは異なる地で創業され、一見全く異なる価値を世に発信し続けているように思えるが、その根幹に据えられた哲学に大いなる交差を窺い知ることができる。 今回の記事では、無印良品とメゾンマルジェラの哲学性に注目することで両ブランドが誕生した1980

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          ジャーマントレーナーが白ばっかりな理由。

          街や雑誌でおしゃれな人が履いているイメージのジャーマントレーナー。 皆さんも一度は見たことがあるはず。愛用されている人も少なくないでしょう。 そんなジャーマントレーナーですが、よく考えると…           「白ばっかりじゃない?!」 人気のジャーマントレーナーですから、赤に青に緑…色々とカラーバリエーションがあっても良さそうですが、街で見かけるジャーマントレーナーは揃いもそろって、なぜか白じゃありませんか!? そこで、今回は「ジャーマントレーナーはなぜ白ばっかりな

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          GUCCIはなぜ、緑・赤・緑の配色が有名なのか。

          『POPEYE 2024年4月号 [新生活とファッション’24]』にて、GUCCIといえばの“グリーン・レッド・グリーンの帯”があしらわれたバッグが紹介されていた。 このグリーン・レッド・グリーンの帯は正式名称をウェブ ストライプ(シェリーライン)というらしい。 緑・赤・緑の配色を見せられたら、多くの人が一目散にGUCCIを思い浮かべるに違いない。“GUCCIといえば”の代名詞的存在といって差しつかえないだろう。 しかしよく考えると、この配色はなぜGUCCIのものになっ

          GUCCIはなぜ、緑・赤・緑の配色が有名なのか。

          AIに“服のおしゃれ”とは何か聞いてみた。

          ファッションにおける“おしゃれ”は様々文脈で語られることが多く、一義的に定義することが難しい。 ファッションには“トレンド”があるため当然といえば当然だが「おしゃれ=〇〇」と簡単な形で表現できれば、楽におしゃれができるのに…と何度思ったことか。 そこで筆者は、21世紀の人類が生み出した“文明の力”を用いることにした。 そう、それこそが“生成AI”である。 昨年話題となった生成AI「Chat GPT(チャットGPT)」。人間が入力した質問に対し、インターネット上の膨大な情報

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          ファッションを現実世界へと引き戻す

          『GQ JAPAN 2024年4月号 113-115ページ』に、興味深いインタビュー記事が掲載されていた。 2023年にGUCCIの新クリエイティブ ディレクターに就任したサバト・デ・サルノのクリエイションと思想に迫るインタビュー記事だ。 そのタイトルは 「ファッションは現実のものー サバト・デ・サルノがグッチに込めた信念」 今回は、このインタビューにフォーカスして展開していくが、それはなにも新生GUCCIやサバト・デ・サルノに注目することではない。 この記事を通して、

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          新生活で意識すべき“服の着こなし”はズバリ◯◯!!

          4月に入り、新しい環境で生活を始められたという方も少なくないはず。 新しい環境での生活には、新しい人間関係が付きものです。 そんな中「自分の洋服の着こなしに自信がない…」「まわりの人から服装をどう思われているだろうか…」という不安を抱えている方に向けて“服の着こなし”で意識すべきポイントをたった1点にしぼってお伝えします。 今回は「men's FUDGE 2024年5月号 Vol.161」で紹介されている「僕のお洒落の新習慣」をきっかけとして執筆しております。 よければ、

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          ルイヴィトンのロゴに秘められた3つの願い

          タイトルにドキッとした方も多いはずです。 ルイヴィトンの財布やバッグは、街を歩けば見ない日はありません。 ただ、ほとんどの人がルイヴィトンのモノグラム柄に込められた深〜い意味を知らないはず。 この記事は、お手持ちのルイヴィトンの財布やバッグをご用意の上、読んでいただきたいです。(なくてもイメージができれば十分) ちなみに、“ルイヴィトンのロゴは日本の家紋をモチーフしている!”というよくあるあの話ではありません。 ルイヴィトンの3種類のモノグラム ー幸運、喜び、そして愛

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          ユニクロの店舗デザインに隠された秘密

          insomniaです。 前回の記事では、“UNIQLO(ユニクロ)”という名前が何の略称であるか?をテーマとして取り上げました。 簡単におさらいすれば、ユニクロの正式名称は 「ユニーク・クロージング・ウェアハウス(unique clothing warehouse)」である!と説明した上で、ユニーク・クロージングは理解できたけど、“ウェアハウス(倉庫)”の要素無さすぎじゃない?という話をしておりました。 しかし、ユニクロにはたしかに“ウェアハウス(倉庫)”の要素があったん

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          「ダサい人をバカにする服好き」と「高い服を笑う服に興味がない人」

          衣服は“実用品”と“作品”の境界線上に存在する わたしはファッションを極めてフラットに愛好しているつもりだ。ユニクロも着れば、マルジェラも着る。 四つ糸のついたシャツの上にユニクロのアウターを羽織ることもザラだ。 そんなわたしの周りにはおしゃれに傾倒し、月何十万円(あるいはそれ以上)も服に使う「服好き」も少なくない。 一方、そのすぐ隣には服に対して全く興味がない人もいる。袖を通すことができ、外に出られればそれで良い。そんな人もたくさんいる。ここでは「服に興味がない人」と呼ぶ

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          コートにウエストベルトがついている理由

          街や雑誌で見かけるロングコートにはウエストの部分にベルトがついていることがありますよね? ウエスト(あるいは、その少し上)の位置でベルトを締めることで、ウエストを細く、足を長く見せる効果があり、スタイルアップを図ることができます。 ただ…!! この記事をご覧になられた7割…いや8割くらいの方はこう思っているはず。 「コートについてるあのヒモいらなくね?!」 そこで今回の記事では、使わない人にとっては本当に必要のない 「あのウエストベルトがなぜロングコートについているのか

          コートにウエストベルトがついている理由