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【米国株投資】フォーティネット(FTNT):2023年度第3四半期決算アップデートと今後の展望 - Part 2

みなさん、こんにちは!インベストリンゴです!

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本日のアナリストは、🇬🇧イギリスと🇦🇪アラブ首長国連邦(UAE)を拠点に活動している株式リサーチ会社、Convequity - FZCOです。

自己紹介

2019年に設立されたConvequityは、サイバーセキュリティ、SaaSを含むエンタープライズ(企業)向けテクノロジーを扱うテック企業に関するエクイティ・リサーチを提供。セールス・チャネルや対象企業の経営陣との関係に依存する投資銀行や証券会社のアナリストとは異なり、Convequityは対象企業のプロダクト、アーキテクチャー、ビジョンを深掘りすることで投資家に有益な情報を提供することに努めている。特に、Convequityは、第一線で活躍する企業や イノベーションをリードするスタートアップ企業を含め、テクノロジー業界を幅広くカバーすることで、投資家のビジビリティと長期的なアルファの向上に努めている。

ジョーダン・ランバート CFA /
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長年にわたるハイテク投資家であり、テクノロジー関連銘柄、および、株式リサーチとバリュエーションのニュアンスに特別な関心を持つ。CFA取得後、自身のソフトウェア、株式リサーチ、並びに、株式投資へのパッションを下に、2019年10月にConvequityを設立。新たなテクノロジー業界におけるトレンドと長期的に成功する可能性が高い企業を見極めることを得意としている。

サイモン・ヒー /
LinkedIn
10年以上に渡りテクノロジーのあらゆる側面をカバーしてきた経験を生かし、テクノロジー起業への投資における、勝者と敗者を見極める鋭い洞察力を持つ。彼のテクノロジーに関するノウハウは、ビジネス戦略や財務分析への理解と相まって、Convequityの投資リサーチに反映されている。Convequityを設立する前は、オンラインITフォーラムでコミュニティ・マネージャーを務め、ネットワーク・セキュリティの業務に従事。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンで商学士号を取得。

最新のレポート紹介

【米国株投資】フォーティネット(FTNT):2023年度第3四半期決算アップデートと今後の展望 - Part 2

Ticker: FTNT / 2612文字 / 所要時間6分程度 / 強気

サマリー

  • 減速は続いているが、フォーティネットは依然として同業他社をアウトパフォームしている

  • 私達は、同社の競争力が低下しているとは見ておらず、長期的に市場シェアをさらに拡大すると予想している

  • 期待値がリセットされた今、同社のリスク・リターンははるかに改善されたように見える

  • ダウンサイド・リスクの大半は織り込み済みと思われるが、一方で同社がいつ再び成長を加速させるかは分からないというのも現状である

  • 本稿では、SASEにおける同社の見通しを再検討し、同社の競争上の優位性に関して述べたい

競争環境とセキュリティ・アプライアンス市場動向

フォーティネットはTCO(総所有コスト)と革新性により不況下でも健闘が期待される。

フォーティネットの同業態秀の相対パフォーマンスは好調で、同社の競争力を示しているが、唯一の懸念は、様々な分野で競合するファーウェイである。

両社はエンジニアリングの焦点とビジョンを共有し、優秀な人材を集め、イノベーションを促進している。

現在、ファーウェイは、市場シェアは低いものの、セキュリティとSD-WANに注力しており、また、独自のチップ設計部門であるHiSiliconを持っている。

但し、ファーウェイは、競争力のあるASICアクセラレーション・アプライアンスを導入する可能性があるが、製造と市場アクセスにおける課題に直面しているのも現状である。

その他の競合に関しては、シスコはASAファイアウォールは下落したが、SecureXバンドルはチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(CHKP)に比べ有望に見える。

更に、パロアルトはPrismaとCortexに多角化したが、フォーティネットは中核ハードウェア市場に注力している。

以上より、サイバーセキュリティ業界は細分化されており、上位5社が市場の70%弱を占めているのが現状である。

その中で、フォーティネットは、優れたTCO、プラットフォーム、ASICを武器に市場シェア拡大を目指すこととなる。

SASE戦略と市場参入

フォーティネットのセキュア・アクセス・サービス・エッジ(SASE)市場への参入は、同社の製品競争力と市場参入のタイミングについて重大な問題を提起している。

同社の強みであるSD-WAN(Software-Defined Wide Area Networking)、ハイブリッド展開能力、TCO(Total Cost of Ownership)はSASE戦略の重要な要素である。

当初の懐疑的な見方にもかかわらず、SASE市場における同社のアプローチと製品提供は、戦略的に成功するために好位置につけているように見える。

同社は、統合プラットフォームと、Firewall-as-a-Serviceを含む包括的なセキュリティ・ソリューションに重点を置いており、進化するSASE市場において有利なポジションを占めている。

FortiGate以外の製品による収益成長の可能性

クラウドストライク(CRWD)やパロアルトの成功のように、フォーティネットのFortiGate製品以外での大幅な収益成長をもたらす可能性は今後の分析の焦点である。

フォーティネットのサービス部門は安定した成長を示しているが、ハードウェアとソフトウェアの両方を含む製品ミックスの循環的な性質は、全体的なパフォーマンスに影響を与える可能性がある。

このような課題にもかかわらず、同社はネットワーク・セキュリティ・アプライアンスとSD-WANソリューションで競争力のあるポジションを維持しており、将来の成長に有望な見通しを提供している。

バリュエーションと成長見通し

売上高20億ドル超、FCFマージン20%超のハイテク企業を評価する場合、オペレーショナル・レバレッジのため、売上高倍率よりもFCF倍率に注目する。

スプランク(SPLK)のようなFCFマージンが低い/マイナスの企業は、非効率を示し、株主価値にとって不利である。

パロアルト、フォーティネット、クラウドストライク、データドッグについては、売上高とマージンの成長ポテンシャルを考慮し、EV/FCFまたはP/FCF(株価フリー・キャッシュ・フロー倍率)をの20倍を下限とする。

シスコについては、成長が限定的であるため、FCFマルチプルは低いと予想される。

フォーティネットのEV/FCFは17倍、P/FCFは18倍で、減速懸念とマージン懸念による売り越しを示している。

センチメントが悪化した場合、フォーティネットはレガシーテク ノロジー企業としてP/FCFが~12倍に低下する可能性があるが、これは同社の成長性を過小評価することと同義と見ている。

フォーティネットは、他のソフトウェア企業のように、営業効率を改善し、営業・マーケティング部門を削減することにより、業界の景気後退時にFCFマージンを拡大することができる。

更に、フォーティネットのP/FCFをマイクロソフト、シスコ、アップル、ブロードコムと比較した場合には、マイクロソフトは割高、ブロードコムは妥当、シスコはスプランク買収で割安、ドロップボックスは収益成長に苦戦といったところである。

一方で、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー方式)によるバリュエーションでは、成長は鈍化するものの、FCFマージンは若干改善すると想定している。

DCF法における、主な前提としては、フォーティネットは、今後数年間はFCF(フリー・キャッシュ・フロー)の劇的な圧縮や10%程度のの収益成長は見込めないとしている。

これらの前提により算出すると、フォーティネットには100%近いアップサイドがあり、2019年のバリュエーションと比べて極端なディスカウントではないことが分かる。

更に、弱気ケースとして、「2024年度売上高が5%に落ち込み、2025年度に10%に再加速し、FCFマージンが30%に圧縮される」場合には、本質的な一株当たりの価格は53ドルで、現在の価格に近いことが分かる。

以上より、現在の価格設定は弱気ケースをほぼ反映しているように見えるが、同社は、特にユニバーサルSASE、OTセキュリティ、SD-WAN、SecOpsで成長が再加速すると予想されることからも、現在は本質的なバリュエーションの約半分の価格で取引されていると見ている。

結論

フォーティネットは、ネットワークとネットワーク・セキュリティ・アプライアンスの低迷が顕著な、業界の困難な時期を乗り切ろうとしている。

同社は、同業他社を上回る業績を上げている一方で、より広範な市場動向から孤立しているわけではない。

しかし、同社の多様な収益源、強力なファンダメンタルズ、戦略的ポジショニングは、現在の課題に対処し、長期的にアウトパフォームするための十分な準備が整っていることを示唆していると見ている。

短期的なボラティリティはあるものの、同社の成長と収益性の見通しは依然として有望であり、長期的な視野を持つ人々にとって魅力的な投資先となる可能性があると見ている。

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アナリストによる開示:私はFTNTに関するロング・ポジションを現在保有しております。また、本記事は、私個人の見解に基づき、独自に執筆したものです。私は、インベストリンゴからの報酬を除き、この記事に対して、いかなる報酬も受け取っておりません。また、本文書で言及している企業とは、いかなる商業的関係も有しておりません。

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