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まさに世界の終わり/忘却の前の最後の後悔

ジャン=リュック・ラガルスの戯曲を2本読みました。

全然分かんない。分からないけど少し分かる。リアル。
肝心なことは何も観客に知らせない。全然ト書きも無い。
演出家によってかなり変わるんだと思う。

戯曲は経験が浅いから読めるかなと思ってて、とりあえず寝る前に少し読んでおこうと思ってたけど、続きが気になって眠いの我慢して一気に読んじゃった。

「まさに世界の終わり」の方はもうすぐ死ぬ男が長い間会わなかった家族の住む田舎へ行く話です。
これは、絶対に難易度が高い。訳が分からない。出てくる人達みんな不器用で、会話するのに葛藤している。
愛って何?
家族って何?
無関心?
孤独は何?
それが何になる?

本当に主人公のルイは訳分からない。
でも、私も田舎出身ですからちょっと居心地の悪さは感じたりすることも。

これは有名なグザヴィエ・ドラン監督によって2016年に映画化されてます。「たかが世界の終わり」ってタイトルで。
私はドラン監督好きですし、おそらく大学受験が終わった高3の春休み前だったと思いますがこれを見に行きました。名古屋の栄だか伏見だかにあるミリオン座(こんな名前だった気がする)に行きました。

マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ナタリー・バイ、ヴァンサン・カッセル、ギャスパー・ウリエル。
著名な役者達。贅沢すぎる映画だったな。

一緒に見に行った友達は「訳分からん」と言って寝てたっけ。
でも私にはすごくハマって泣いてた。何故か。
日本語じゃないけどdvdも買ったくらい。

この映画知ってたから、原作読んでも挫折しなかったんやと思ってる。ほんまに。分からなすぎるけど、想像して補って読む。そんな感じでした。それが結構楽しかったりします。

「忘却の前の最後の後悔」は、昔タダ同然で手に入れた家に一緒に住んでた三人(男二人と女一人)がいて、そのうち男と女はそれぞれ家を出て家族を作っていったが、年月を経てその家は別荘として価値が上がった。そこで、土地や家のお金を再分配するとか、今一人でその家に住んでる男が出て行った二人に払っている家賃の金額についてなど、相談するためにそれぞれ現在の家族を連れて家に集まって、そこでの話です。

何も知らされないまま、そもそも何で男二人と女はそこに住んでたのか、その関係とか、推測するしかなかった。ある程度推理出来てもそれ以上は妄想。せめて演出家が演出してくれたら楽なのにって感じ。でも面白かった!

家の分配についての話し合いは、終わりまで結局何も決まらないし、みんなおかしいこと言うし、突っ込みどころ多いなとか思いました。
キャラクターが個性的すぎて。

やっぱ眠くて読み方もいつもより丁寧さを欠いていたし頭もフル回転してなかったから、もう一度読み直したい気分です。

これのタイトル、忘却の前の最後の後悔って訳分からない。忘却は後悔の対義語?だと思うが
難しい。

どっちも、難しいし訳分からんけど、何故か面白くて世界に入り込めた。不思議な感じです。

私はメモを取りながら読む派で、大きめの付箋に人間関係やそれぞれの性格をまとめて表紙の次に貼ったり、分からない語句の意味とか、印象的な台詞や場面とか、描写から推測したところには付箋を貼って書き込むのですが、これが役に立ちました。
キャラクターがごちゃごちゃにならずに済むし、一度読み終わった後で考え事をするときに参照しやすかったです。
こういう工夫が無かったら、私は絶対に挫折しました。
読書するの本当に楽しいなと思えました。

徹夜して読んでたのでこれから寝ます。起きたらまた本を読めると思うと、寝るのも惜しいくらいです。起きるのも楽しみになります。

また投稿します。

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