永夏。 (季節を詠う2/4)
指先に塗った海の、その波紋と光
私たちはあの青に焦がれて、意識すら波に掠われていく
石畳の端に並ぶ草花の温もりを感じ、自転車を漕ぎ出して。
風を受ける髪の隙間に、いつもと違う景色を見た気がした。
言葉は時代を越えて私の手のひらに収まった。
指先でなぞるインクの意味、ようやく分かった4時限目。
ねえ、君の揺れるスカートの裾がさ、ぼくらの思考を妨げていくよ。
星空の下にもロマン、何千年だって進化できない想いを知った。
机の端、黒板の隅、体育館の柱
時代を映す 数多の傷跡
たぶんさ、きっとたぶん、変わらないものだって、あると思うんだ。
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季節を詠う 2/4
夏
夏はキラキラした青春の詩を書きたくなる
自分が実際に学生だった頃から、
制服にも、黒板の音にも、悲しい別れにも、
ある種の幻想を抱いている
『学生』を卒業してから1年と半年くらい
こうやって時々、遠ざかっていく夏に手を伸ばしてみたりもする
次は秋
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