第1章で出てこなかったバンドや出来事がまだまだたくさんあるのだが、俺が書いているコラムであるのに登場していないバンドがある。そう、DEATH SIDEだ。
　この第2章では、DEATH SIDEの話を中心に、様々な話を交えながらDEATH SIDEの歴史についても書いていきたいと思う。
　2019年の現時点でも活動しているDEATH SIDEだが、今のDEATH SIDEの話はまだ先になってしまうだろう。この章では第1期と言えるDEATH SIDEについて触れていきたい。そのため昭和の話もふんだんに出てくるはずだ。平成史と謳っているが、DEATH SIDEは昭和から活動を始めたので、そのあたりはご容赦いただきたい。
　様々なバンドとの関わりなどかなり数多くの話もあり、今まで世に出ていない話もたくさんあると思う。
　もし興味があるならば、連載する上での励みにもなるので、第2章も購入していただけると幸いである。

　第1章と同様、自分が体験したことでもないことで、馴れ馴れしくバンドに知ったかぶりをして話しかけても自己責任なので気をつけることを忠告しておく。
　昭和のハードコア・パンクの先輩たちがそうであったように、一旦中に入れば信じられないほどの優しさを見せてくれる日本のハードコア・パンクの人間たちだが、その壁は厚く高い場合があることを認識してほしい。そうでなくては、このコラムを続けることができなくなるかもしれない。

「#7 THE EXECUTEがDEATH SIDEに与えた影響」

　やっとメンバーも固定しライブも精力的に行っていたDEATH SIDEは、メンバー固定を機に数々のレコーディング作業を行うようになっていく。1 stシングル「SATISFY THE INSTINCT」の音の仕上がりなどに不満を持っていたCHELSEAは、新たな録音スタジオを探していた。
　以前から俺とCHELSEAは、度々THE EXECUTEのギターであるレミーさんの家に遊びに行っていて、そこで様々なハードコアを聴かせてもらい、その数々の音源はDEATH SIDEの音楽性にもかなり色濃く反映されることになっていった。
　CHELSEAは新たなレコーディングをするにあたり、レミーさんの助言を取り入れ、当時のTHE EXCUTEがレコーディングしたアルバム「THE ANTAGONISTIC SHADOW」で使用したスタジオがいいのではということになり、そのスタジオで録音することとなった。