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WAKIMIZU

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散文詩など
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2018年7月の記事一覧

夏始め手解き

青嵐草叢の足元どこまでも

遠くの青に 近付けなくて

睡蓮の葉の上を歩いてみたくて

子供になっても歩けなくって

入道雲遠く私は海の底

怖いものなど何もない今

浴衣姿「私が夏になる」と言う

何もない 夕凪だけを 纏って行く

そう言って電話は切れた

暮れかかる川辺の日青鷺飛んで入り

赤とんぼまだ飛ばない日暮に

伸びてくる影を夕立が攫って

途方も無い夏の夜の始まり

誘蛾灯の音

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七月は夜

何時迄も踊っている

訪れた夜は遠い南の風を纏い
ダチュラの花が異様に芳しい
貴方の居る方へ歩みだしても
闇は足を何処かへ攫ってしまう

何時迄も踊っている

散乱したバッグの中身
散々観たDVDが
再生機器は無いはずなのに
寂れた小屋の壁に映る

踊る陽炎 日傘 鬼灯
踊る陽炎 日傘 鬼灯
踊る陽炎 日傘 鬼灯
踊る陽炎 日傘 鬼灯

アルカイックスマイル
どんでん返しを期待している
明日はきっ

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