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フリーランス・ヴァイオリン奏者としての生き方

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フリーランスの演奏家としての考えや雑談、仕事のこととか書いていきます。
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毎年100公演あれば良い?

毎年100公演あれば良い?

今日の仕事でも言われたんですよ。
「音楽だけで食べてるってすごいですね!!」

そういう時、その場では言えないですけど多くの演奏家はこう考えるんです。
「同じような依頼が年間100〜150公演あれば全然問題ないですよ!」

元プロオケ奏者として、そこで「ん?」と考えるんですよ。

同じような公演を年間100公演するって、どういうことなんだろうって。
まずそれを事務的にやり取りするのはかなり大変なの

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お前ごときのレベルで仕事を選んでんじゃねぇ!

お前ごときのレベルで仕事を選んでんじゃねぇ!

先日、後輩のヴァイオリン奏者からある意味ショックな噂話を聞きました。それは

という内容です。
まあ、そう言うわけではないんですけどね。
ちゃんと受けてます。

でもあながち間違っていない。

これを聞いた時、「ああ、僕が今までやってきたことは、口に出さなくても意思として奏者界隈に広がり、結果として自分が思っていた通りになっているな」

と言うことです。つまりある特定の〇〇業者からは、現状として

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「芸能人との共演」を公言する線引き

「芸能人との共演」を公言する線引き

「あの歌手のバックで演奏したんですか?すごい!!」

というのはヴァイオリン奏者をやってるとたまにあります。
確かに一般人からしたら、テレビで見る憧れの存在だったり、年収が億の著名人だったりするので、そんな人物のすぐそばで仕事をするということは、その人も特別な人の仲間に入っている、レアな人だ、実力がすごい人なんだ、と感じるのかもしれません。

僕も昔はプロオーケストラに就職して何年も演奏活動してい

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ほとんどの演奏家に必要なのは演奏力ではなく集客力だけです

ほとんどの演奏家に必要なのは演奏力ではなく集客力だけです

僕らのような日本一流、世界一流ではない、無名であり、言ってみれば中途半端なアーティストで、音楽を「食べていくための収益」として成り立たせる人のみの話でして、まあ、言い切ってしまうのは失礼な話なんですけどね。

さて、まずは昨日(2023.1.26)のコンサートにご来場いただき、本当にありがとうございました!!僕ら夫婦の率いるNewTonesのコンサートも宗次ホールで18回の出演。もうすぐ20回にな

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パソコン部屋を改造しました。

パソコン部屋を改造しました。

疫災で学校や園が長期に休みになり、リビングに常に子供たちがいる状態が続いてました。そのため登園中にリビングで事務仕事をしていたのが出来なくなってしまったのです。

これまでどのような感じでリビングで仕事をしていたかというと、

2015年頃の環境2017年頃の環境2019年頃の環境そして2020年。芸術家の支援金制度でFOCALのスピーカーやウルトラワイドの単体ディスプレイを手に入れた経緯もあり、

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十八番/おはこ、とは・・・

十八番/おはこ、とは・・・

自分ってどのくらい曲のレパートリーがあるんだろう?
というかレパートリーってどの程度のことを言うのだろう。

「1番得意な曲を弾いてよ!」お客さんにこういうリクエストを頻繁にいただくのです。
(動画にしたいけど大変なので先に殴り書き執筆しておこう)

答えを先に言うと

「得意な曲なんてありません」です。それにはいろんな理由があります・

もちろんJpopなどの歌謡曲等のポップスは入れません。

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「音楽で食べていく」というテーマ - 1 -

「音楽で食べていく」というテーマ - 1 -

よくあるテーマですよねコレ(-2-を書くかは気分次第)

いきなり話題が逸れます。こないだもプロオケの団員が自分のSNSで自分のオケの公演を宣伝してるのをみて、「すごいなあっ」って感じる自分。同時にそれって自分の方がおかしいのでは?と感じました。

自分の所属するオーケストラの公演を宣伝することって会社の収益を上げるためを考えれば別におかしくもなんともない、ある意味当たり前の行為なんですが、僕はほ

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バイオリン奏者として自己分析

バイオリン奏者として自己分析

なぜ僕はオケに普通のエキストラ出演の話が来ないのか
なぜ複合コンマス業だと好かれるのか
なぜイベント演奏で好かれるのか
なぜレコーディングの仕事が絶え間なく来るのか

僕は顔はモブキャラであり、オーラもない。妻に言わせればかなり一般人の臭いがする。どちらかと言えばオーケストラの奥の方で演奏して、どこかのレッスン教室に雇われの身で安く教室の肥やしになってそうな男なのだが、

なぜそうなっていないのか

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「稼ぐ」なら教室かオケマンか

「稼ぐ」なら教室かオケマンか

教育者か演奏家か、という意見はさておき
ここではどちらが稼ぐのに優位かということで試験的に数字を可視化してみようと思う。

様々な楽器があるが、僕がヴァイオリン奏者ということもあるのでヴァイオリンで見る。ヴィオラやファゴットやチューバのような(ある意味)マイナーな楽器の人、ごめんね。先に謝っておく。

まずオケマン。

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ステージの新陳代謝

ステージの新陳代謝

中堅の演奏家になってくると、必ずぶつかる問題。
それが「老い」

一般企業さんの仕事現場と同じく、演奏現場も若手を入れずに自分たちだけが役職に鎮座し続けたら、グループはどんどん老いていき、その花は枯れていきます。

かといって、若手を雇うことで自分の収益や立場を追われるのもまた、恐ろしいはなしです。

年齢に応じて昇給が依然として約束されている企業も多いでしょうが、僕らフリーランス演奏家は昇給制度

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中間マージンの考え方の変化

中間マージンの考え方の変化

演奏派遣会社の中間マージン、という言い方が良くない。
あれはマージンではなく、立派なスタッフ業務だ。

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ヴィオラという選択

ヴィオラという選択

プロヴァイオリン奏者がヴィオラをやる意味を考えてみます。

たぶんヴィオラそのものに知識が無いひとが大半なので、まずはヴィオラというものをヴァイオリン奏者という位置からむちゃくちゃ斜めにとらえてみます。

僕がヴィオラをやる理由これは大きく2つあります。
1つ目は制作や単独演奏において幅を利かせるため。
2つ目はヴィオラというポジションの人生における汎用性。

1つ目は分かりやすくいうと、ヴァイオ

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プロオケを辞めるために準備したこと

プロオケを辞めるために準備したこと

楽器の演奏スキルをもってしての行為であり、いわゆる普通のサラリーマンが独立するのとちょっと違いますが、オーケストラに就職したヴァイオリン奏者が折角手に入れた固定給や世間的地位を捨ててまでフリーランス奏者になった当時は同業者も周りの一般人も僕の行動を聞いて「馬鹿」と揶揄したものです。

辞めた当時は、普通のサラリーマンと同じ3大ローンを背負っていました。
それをいかにして克服したか、何を用意したか、

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高い機材を買う理由③<スピーカー編>

高い機材を買う理由③<スピーカー編>

前回、<②マイク編>を書いたので次は<スピーカー編>です。

僕のスピーカー遍歴はざっくりこんな感じです。

①15000円くらいのAIWAのCDラジカセコンボこれって数えに入れていいのかな?
大学生になった時に買ってクラシックをこれで山ほど聴きました。
プロのクラシック音楽家になるを考えたらなかなかありえないクオリティかもしれませんが、そもそもスピーカーの「音質」など全然気にならず、「お金ないし

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