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7.ホロスコープで退職鑑定してもらった結果

どんなに使命感のある仕事でも、あまりに忙しいと燃え尽きると思います。
追い込まれて逃げ場をイタリアに見出し、ホロスコープで鑑定してもらったらまさかの急展開になりました。


激務にココロが折れかける

転職した先の会社は、とても変わったところでした。
当時日本にあったファッションブランドの80%の広告を請け負っていて、働いている人たちもムチャクチャおしゃれでカッコよくて。

そして、広告代理店なのにファッション業界出身の人が多く、そんな中、ずっと広告業界にいた私は異色の存在。
さらに私のクライアントもファッションとはほど遠いエネルギー会社。
ものすごく肩身の狭い思いをしていました。

広告業界も変わった人が多かったけれど、ファッション系もなかなかです。
そして、広告代理店に居ながら広告のキャリアは長くはない、ということに負い目を感じている人も少なくないようでした。
それを振り払うかのように、みんな、ものすごい長時間労働をしています。
それはまるでその時間で足りないものを補おうとしているかのようでした。

激務で余裕がないせいか、会社の空気もギスギスしていました。
それまで在籍していた3つの広告代理店は、忙しいながらも社員同士のコミュニケーションが良好で、だから頑張れたという部分が大きかったのです。
それがこの会社では部内の人間関係さえも微妙で、私も自分に課されたミッションをこなすだけでいっぱいいっぱい。

睡眠時間は毎日4時間ほど。
3時間だけなんて日もあったし、5時間寝られたらラッキーという感じ。
プライベートの充実なんて夢のまた夢というような生活です。
転職して数か月ですでにココロが折れかけていました。

スローフードってなに?

新しい会社では聞いていたとおり、スローフードに絡めた広告展開の立案と実施に取り組みました。

「スローフード」とはイタリアで始まった伝統的な食を守る運動のことです。
1986年、ローマのスペイン広場近くにマクドナルドが出店することになり、それに反対した食ジャーナリストたちが始めたのです。
運動に名前をつけるにあたり、ファストフードの反対だからスローフードでいいんじゃない?的な、何とも軽い感じで名称決定したと聞いています。

それがあっという間に世界中に広まりました。
・地域に根差す伝統的な食を守ること
・その食品を作る生産者を守ること
・それらを食べて美味しいと分かる味覚を育むこと
この3つがスローフード運動の基本です。

本格的にスローフードで広告展開するにあたり、発祥の地イタリアスローフード協会の国際本部へ行き、その実際を視察したいというクライアントの強い意向で出張へ同行しました。

たった1日で下した人生の決断

出張から戻っていつもの日々が始まる、というより出張で得た成果を反映させるべく、ますます忙しくなりました。
通い始めたイタリア語教室も出された宿題をする時間がないどころか、土曜日も仕事になったり、はたまた過労で倒れるように寝ていたりで休みがちに。

そろそろ限界か。
そして私には会社を辞めても何とかなる、ローンの早期返済に充てる予定の現金がある!

6月の後半、ある大きなイベントを終え性根尽き果てた私は、当時ホロスコープの勉強を本格的に始めていた友人に鑑定を依頼しました。
もしも会社を辞めてイタリアへ行くとしたら、退職を願い出るタイミングはいつが良いか聞いてみたのです。

すんなり会社を辞められるとは到底思えません。
入社して1年半、仕事も軌道に乗ってきています。
1か月前に退職願を出せば簡単に辞められるような状況でないことは百も承知です。

友人によると、タイミング的に良いのは6月末までだと言う。
それを逃すと次の機会はなかなか巡って来ないだろうと。

彼女に鑑定してもらった日がたしか6月28日。
悩む時間は1日しかありませんでしたが好機を逃してなるものかと決断。
30日に出社したとき退職を上司に申し出たところ……意外にもあっさり受け止めてくれました。
イタリアへ行きたいという私に共感してくれたのです。
ホロスコープを信じて良かった!

ただ、すぐに辞められたわけではなく、公式に会社を去ることができたのは8か月後でしたけど。
それでも辞める日が見えているのと、まったく終わりが見えないのとでは気分がぜんぜん違います。

それからの8か月間はイタリア行きをモチベーションに、前向きに仕事に取り組むことができました。
そして結果的にこれが人生最後の会社員生活となったのです。

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