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手、膝、腰の痛み。ドン底の六年間を乗り越えて 樋口真衣さん 『痛くて不安で孤独なあなたへ 人生を取り戻す回復への物語』より

今、痛くて不安で孤独な方へ

はじめまして。
『人生を変える幸せの腰痛学校』著者の伊藤かよこです。
2019年より『人生を変える幸せの腰痛学校』の読者さんを対象にしたオンラインコミュニティを運営しています。
今回、コミュニティ有志の方がご自分の痛みの体験談と回復へのきっかけを書いてくださり、それを電子書籍にまとめることができました。

本の一部をここで紹介します

手、膝、腰の痛み。椎間板ヘルニアの手術も経験され、ドン底の六年間を過ごされた樋口真衣さん。
物語の一部を紹介します。

私が身体に異変を感じたのは11年前、テニスをしていて手首が痛くなったのがきっかけでした。
整形外科や接骨院に通ってもなかなか治りません。
その頃の私は、仕事以外にもテニスやエアロビなどをしていて、とてもアクティブに過ごしていました。

手首の痛みでテニスはできなくなりましたがエアロビは続けていました。
整形外科で運動はした方がいいと言われていたからです。
ところが、膝も痛くなってきたのでエアロビもできなくなりました。
そこで、プールでの水中ウォーキングに切り替えました。

膝もですが、それよりもとにかく手の痛みに悩まされました。
テニスをやめたのに良くなるどころかどんどん酷くなっていきました。
パソコンの入力を20分しただけで、一週間手が使えないほどでした。
整形外科では変化がないので、リウマチ膠原病外来に行きました。
パソコン入力の話をすると、「20分も入力できるのですね」と言われました。
20分では仕事にならないといっても相手にしてもらえませんでした。
検査の結果は、リウマチでも膠原病でもありません。

つぎに婦人科を紹介されました。
婦人科の先生は、「そんなにいうなら検査するけど……」と渋々検査をし、その結果は異状なしでした。
そして「何でもないんだからジタバタするんじゃない」と冷たくあしらわれました。
整形外科では「とにかく運動しなさい」の一点張りです。
運動と言っても手は痛いし、膝は痛いし、できることは限られています。
だから工夫をして水中ウォーキングをしているというのに。

どこに行っても突き放された感じがして悲しくなりました。
医者というのは、検査で異常がなく、なかなか改善しない患者のことを面倒くさいとしか思えないのだろう。医者に対しての不信感が強まります。

それからどんどん手の痛みはひどくなりました。
筍を切っただけで一か月間手がジンジンビリビリ……。
箸も持てなくなりフォークやスプーンで食べるようになりました。
スマホをタッチする衝撃でさえもつらいのです。
箸も持てず、スマホのタッチですらつらい、当然家事も思うようにできません。

そして、手だけではなく膝も痛い。
私の病気は一体何なんだろう? どうして治らないんだろう?
このままではスポーツどころか仕事まで出来なくなってしまうと不安に思っていました。

その頃、腰も痛くなります。腰の痛みはどんどんひどくなって、足にも痛みが出ました。
ついには座ることも立っていることも辛く、寝ているしかない状態になりました。

病院では、腰椎椎間板ヘルニアと診断されました。
「やっと病名がついた、これで治療してもらえる! 診断名がついたことで周りも納得してくれる」とすごくホッとしたことを覚えています。

でも治療を始めても良くなりませんでした。
薬、注射、ついには手術もしましたが、あまり良くなりません。
手術で足の痛みは改善されましたが、腰痛はかえって酷くなりました。
座っていることも立っていることもできなくなりました。
お休みしていた仕事は結局辞めることになりました。

最後の砦だった手術をしても良くならない。
仕事を辞め、最低限の家事をして、横になっているだけの生活。
この先の人生に絶望していました。
希望をもつと、それが叶わない時にもっと落ち込みます。
だからあえて希望は持たないように、とにかく今日一日だけをなんとかやり過ごしている毎日でした。

それでも、少しでもこの痛みがマシになる方法はないかと横になりながら検索を繰り返しました。
試してみたいと思える治療法が見つかっても、その時の私は、電車にも車にも乗れません。
病院での待ち時間も待っていることができません。
よくならないと病院にも通えないなんて、皮肉なもんだなと思っていました。

少し動けるようになってから、整体、鍼、気功などを試しましたがどれも効果はありませんでした。
こうしてどん底の日々は6年ぐらい続きました。
(つづく)

樋口真衣さん(仮名)

続きは電子書籍『痛くて不安で孤独なあなたへ』でお読みください。

今では、行きたいけれどこの身体では無理だと諦めていた場所にも行けるようになった真衣さん。
仕事にも復帰され、家族、友達、ワンコとお出かけを楽しんでいらっしゃいます。

真衣さんの物語から学べることは、手、膝、腰など検査で異常のない複数個所の痛みは、脳での痛みの感じ方のエラーである可能性が高いということです。

すべての医療者にこの体験記を読んでいただき、患者さんの気持ちを学んでほしいと願っています。


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