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現代の虐待 スマホ・ネグレクト


※この記事は速読の練習用として使えるように、太字部分を読めば2,3分程度で読めるように書かれています。ぜひやってみてね!


スマホは現代においての生活必需品ともいえるだろう。

暇人が知る限り、スマホを持たない人は暇人の親とサンドウィッチマンの2人の3人しか知らない。

そしてこうしたた端末を使っての教育も盛んになってきた。それはつまり、スマホには年齢を問わず触れる機会があるということだ。

時計を見たりLINEをしたり食べログを見たりゲームをしたり、スマホはなんでもできる。だからこそ、使用頻度もとても高いものとなっている。

子連れの親子でもそうだ、ファミレスなどでも親や子がスマートフォンに夢中になっている姿を度々目にすることがある。夢中にはならなくとも、まったく触らないと言った人は珍しいのではないのだろうか?

だが気を付けてほしい。もしかしたらそれがネグレクト、つまりは虐待になっている可能性があるのだ。それを‟スマホ・ネグレクト”という。


スマホ・ネグレクト

スマホ・ネグレクトとは、スマホのアプリやゲームに気を取られているうちに、こちらを向いている子供を無視してスマホを使い続ける親の問題である。赤ちゃんはお母さんの方を見ているのに、お母さんはスマホを見ている。ということだ。それは子供が幼ければ幼いほど問題とされている。

親がスマホを使うことだけでなく育児をスマホに任せるといったことも問題なのだが、ここでは前者の問題を主に扱う。



アタッチメント行動

子供は、「泣く」「おっぱいを吸う」「抱っこを欲する」などといったアタッチメント(愛着)行動といったことを行う。

子供が親に向けてアタッチメント行動を行ったとする。そして、親がそれを無視したことにより子供がさらに声を荒げる。これがアタッチメントが得られないことに対しての抵抗である。それでも対応してもらえないと絶望し、最終的には離脱、つまりはアタッチメントを諦めてしまう。この時の子供は怒っていたりふてくされているように見えるかもしれないが、ただ諦めているだけなのだ。アタッチメントを自分から求めるのではなく、相手が与えてくれるまで受動的に待つようになるのである。

子供は様々なネグレクトに対して、最初は泣いたり叫んだりして抵抗する。だが、それは最終的にあきらめに入る。これは余計なエネルギーを使わないようにして、より生命を長くつなぎ止めようとする本能的な防衛本能と言える。


子供は親を見ている

「私はそんななるまで子供を放置したりはしない、話しかけられたらちゃんとスマホを置いて対応をする。」そう思う方もいるだろう。

しかし、こういった報告がある。

ある母親が、試しに1日スマホを見ずにわが子を観察してみたところ、子供が泣き声をあげずとも母親を見る回数が1日に30~40回あったというのだ。つまりスマホを触ることにより、1日に子供のアタッチメント行動を30~40回も無視しているということになる。


また、こんな研究もある。

あるファストフード店に来店した10歳以下の子供を連れた家族の行動を観察したものだ。

すると、食事中に少なくとも1回はスマホを利用した親は73%。さらに食事が終わるまでスマホをいじり続けていた親は15%だった。そして親がスマホをいじり始めると、子供の方は落ち着きがなくなり、親の注意を引こうとしたりアイコンタクトを求めるような行動をしたという。

子供の母親への訴えかけの方法は、何も泣いたり声をあげるだけではないのだ。



サイレント・ベビーとサイレント・マザー

また、サイレント・ベビーといった言葉がある。これはおとなしすぎる赤ちゃんのことである。また、これを生み出すわが子とコミュニケーションをとらない母親のことをサイレント・マザーという。

調査の結果、母親が子供とスキンシップをとっているほど、子供の衝動性が低いことがわかった。突発的に泣いたり暴れたりすることもなく落ち着いていて、情緒が安定しているのである。

特に母親が子供をよく抱っこするほど、子供の情緒が安定していることも分かった。さらにそのような子供は、母親とアイコンタクトを取ることも多く、いないいないばあなどの身体を用いた遊びにもよく反応していた。スキンシップは子供に情緒の安定をもたらし、人間関係の基礎となる社会性を育てていると言える。

サイレント・マザーがいるから、サイレント・ベビーが生まれてしまうのだ。



子供の働きかけに気を配る

また、これまでに書いたこれらの記事もスマホ・ネグレクトに通ず宇土頃があるだろう。

「子供を人手をかけずに育てるとどうなるか」

「子育てにおける刺激の重要性」

子供の大人への訴えかけとしては、単純に表情の変化などもある。子供がふとした瞬間に親へと笑顔を向けることがあるだろう。子供がお母さんを見たらお母さんも笑顔で応えてくれる。それが、子供にとってはかけがえのない刺激変化、つまりは情報なのだ。

このように「子供の働きかけに対して環境がいつも応答変化してくれるかどうか」これが愛着の形成に重要な役割を果たしている。



スマホ・ネグレクトの危険性

スマホ・ネグレクトは生命の危機に関するような問題ではない。しかし、これは立派な虐待であり、愛着障害などに至る可能性も考えられる。それは「自閉傾向」や「発達の凸凹、遅れ」つまりは脳機能の発達に問題が生じる危険があるということだ。

スマホは今や日常で、当たり前に使用されるものだ。だからこそ、悪気があるわけではなく、この問題に気づくことが難しい。しかし、子供からするとそれは常に親に無視され続けていることと一緒なのだ。

自分はそんなことないと思う方もここでもう一度、普段のスマホの使い方に意識を向けてみてほしい。



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参考文献

「「プチ虐待」の心理」 青春新書 (2016)著 諸富祥彦

「知的好奇心-人間は怠け者なのか?」中公文庫(1973)波多野 誼余夫, 稲垣 佳世子

「子供の「脳」は肌にある」光文社新書(2004)著 山口創

子育てルネッサンスー未来の光を信じる力ー(https://www.naik.jp/blog/director/archives/500)


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